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別紙1○1 患者申出療養に係る新規技術の科学的評価等について (8 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000203222_00021.html
出典情報 患者申出療養評価会議(第36回 12/22)《厚生労働省》
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2.6歳未満に適応を拡大した理由について、ご説明ください。
【回答】
2022 年 6 月末の FDA によるダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法の BRAF V600E 変異陽性固形腫
瘍を有する 6 歳以上の小児患者に対する承認は、4 群からなる第 I/II 相試験の NCT02124772
(CTMT212X2101)試験が根拠となっており、ダブラフェニブ+トラメチニブ併用療法は、低悪性度神経膠
腫症例 34 人、高悪性度神経膠腫 2 人を含む 48 人に行われました

1)2)

。低悪性度・高悪性度神経膠腫

36 人の詳細な結果が 2022 年 11 月に論文発表され、年齢の内訳は、2 歳未満 1 人(1.4 歳)(2.8%)、2
歳以上、6 歳未満 7 人(19.7%)、6 歳以上、12 歳未満 12 人(33.3%)、12 歳以上、18 歳未満 18 人
(44.4%)でした。全奏効率が 25%、奏効期間 6 ヶ月以上が 78%、24 ヶ月以上が 44%でした 3)。
成人を対象とした BRAF V600E 陽性固形腫瘍に対するバスケット試験である BRF117019 と NCIMATCH 試験の結果と合わせて、6 歳以上の全固形腫瘍においてFDAにて迅速承認されましたが、申請
時点で 6 歳未満についての臨床試験が終了していなかったことから、2022 年 10 月まで申請期限が延
長されています(2022 年 12 月現在で進捗情報等は確認できません)4)5)。
NCT02124772(CTMT212X2101)試験の発表論文では、6 歳未満の症例についても安全性プロファイ
ルは示されています。現在、6 歳以下の患児を対象に含む神経膠腫や悪性黒色腫などの国際共同臨床
試験が継続実施中であることや(国内実施医療機関は無し)、ノバルティス社から 6 歳未満を対象者に
含む当該臨床試験に薬剤提供していただける状況に変わりない点を踏まえると、少なくとも安全性の観
点から 6 歳未満において当該患者申出療養技術の実施を妨げる理由がないと考えています。
また、前述の通り、6 歳未満の対象者は一定頻度で存在し、現在、本申出療養の相談を受けている患
者 4 名の中、1 名は 3 歳の脳腫瘍患者となっています。以上より、対象患者を 6 歳未満に拡大しました。

3.脳腫瘍から固形腫瘍に適応を拡大した理由について、ご説明ください。
【回答】
ダブラフェニブおよびトラメチニブは、分子遺伝学的な特性に基づき FDA により臓器横断的治療
(tumor-agnostic therapy)に指定されている薬剤です*。成人対象の ROAR 試験(BRF117019 試験;
NCT02034110)と NCI-MATCH 試験 Arm H (NCT2465060 Arm H)によって、成人 BRAF V600E 変異陽性
固形腫瘍において臓器横断的に有効性・安全性が確認されました。小児対象の CTMT212X2101 試験
(NCT02124772)では、脳腫瘍以外の BRAF V600 陽性固形腫瘍も含まれていました 3)。結果が公表され
ている BRAF V600 陽性の神経膠腫 36 例の成績と成人対象の 2 試験の成績を合わせて、ダブラフェニ
ブ・トラメチニブ併用療法は 6 歳以上の BRAF V600E 陽性固形腫瘍全般に FDA 承認されました 6)。
また、小児において頻度は低いものの脳腫瘍以外の固形腫瘍が発症し、小児の BRAFV600 変異を
有する Wilms 腫瘍(腎芽腫)や、小児および思春期・若年成人の BRAFV600 変異を有する膵腺房細胞
癌に対してダブラフェニブ・トラメチニブ併用療法が著効(完全寛解)かつ安全に投与可能であったとする
症例報告があります 7)8)9)。また造血器腫瘍に分類されますが、BRAFV600E 変異を有するランゲルハン
ス細胞組織球症の症例シリーズで BRAF 阻害薬(ダブラフェニブまたはベムラフェニブ)±トラメチニブを
投与されて 21 人中 18 人(86%)が奏効した報告があります 10)。

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