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「医療保険制度の将来構想の検討のための調査研究Ⅰ(制度の変遷と将来構想の検討)検討委員会報告書」 (16 ページ)

公開元URL https://www.kenporen.com/press/
出典情報 医療保険制度の将来構想の検討のための調査研究Ⅰ(5/17)《健康保険組合連合会》
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● 財政的に非常に厳しくなり、今までの年齢によってサービス、負担を支えてい
くのではなく、収入や資産に応じて変えていく考え方を取り入れなければ財政
的に持たないというのが一番目のメッセージではないか。
● 一人一人、収入や負担能力をおさえていく方向で行かなければ、今の世帯や事
業主負担のような考え方を取っている限り、破綻が生じてくるため、負担の
仕方を考えていく必要がある。
● 既に 60 歳以上の就業は 900 万人以上であり、既に総労働人口の 10% 程度は
高齢者人口だ。2040 年より前に、65 歳、70 歳が普通に働いているケースが
登場しているかもしれず、前期高齢者は廃止するかどうかよりも、制度自体
が空洞化することになる。

【医療費の調整のあり方】
● ドイツの疾病金庫は、リスク構造調整を年齢、疾病体質によって標準化してい
る。保険料に差をつけることで国民がある程度選択できることにより健全な
競争が可能となり効率化が進む仕組みである。わが国では保険者間の差があ
りそれを調整するためには、所得も含めたリスク構造調整がきちんとできる
かがポイントになる。
● ドイツのリスク構造調整は、疾病金庫の統廃合を進め、企業と結びつかない形
の保険者選択を可能にしながら行われた。それにより保険者(事業主)と被
保険者の関係性が希薄になった嫌いもあるので、リスク構造調整の成否につ
いて一度検証したほうが良い。
● 都道府県のインセンティブ強化について、医療に係る公的支出金には、普通調
整交付金、特別調整交付金、保険者努力支援制度、地域医療介護総合確保基
金等の様々な制度があるが、これを医療費適正化やアウトカム評価などの共
通の指標を強力に結びつけることができないか。リスク構造調整をし基本的
な計算をしなくてはいけないが、標準医療費と、地方間の所得格差、人口構
成で調整すればもう少しインセンティブがつくのではないか。
● 財政規律については、都道府県レベルの医療費適正化計画と連動させることは
ありえる。地域別診療報酬と両方検討する価値はあるのではないか。
● 地域別診療報酬の話については、国民健康保険の普通調整交付金の配分方法を
変えれば、結果的に医療費が高いところは保険料が上がることとなる。それ
だけでも非常に強いプレッシャーになるため、地域別診療報酬の議論の前に、
医療提供体制の話があってもよい。

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