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「医療保険制度の将来構想の検討のための調査研究Ⅰ(制度の変遷と将来構想の検討)検討委員会報告書」 (59 ページ)

公開元URL https://www.kenporen.com/press/
出典情報 医療保険制度の将来構想の検討のための調査研究Ⅰ(5/17)《健康保険組合連合会》
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1.医療ニーズの変化、医療費の増加にどのように対応するか

人口変動による医療ニーズの変化と介護ニーズの増大、そして医療技術の高度化に応じた医療・
介護提供体制の構築が求められる。一方で、医療保険制度の持続性確保のためには、医療費の伸び
を抑制する対策が不可欠である。必要な時に必要な医療・介護が受けられるよう、医療・介護DX
やAI等の技術を活用した一層の効率化と質の向上を図りつつ、適切な受診を推進すべく、制度的な
見直しを図る。

考えられる具体的な方策・提案

(医療ニーズの変化への対応)

 高齢化を踏まえた、医療・介護提供体制、高齢者医療・介護保険制度の一体的運営
• プライマリ・ケア(かかりつけ医)機能を起点とした医療と介護のシームレスな連携とサー
ビス提供(地域包括ケアシステムの充実・発展、質の向上)
• 75歳以上の要介護者への給付重点化(ex.第2号被保険者の範囲を段階的に74歳へ引き上げ
る、各種サービスの地域支援事業への移行等)
 かかりつけ医機能の充実
• かかりつけ医を緩やかなゲートキーパーにした病院、専門医、在宅医療、介護など地域連携
グループ(ex.地域医療連携推進法人)の構築および多職種連携と求められる役割に対応し
た新たな評価等
• かかりつけ医による保険者等への患者データのフィードバックなど、アウトカムデータの蓄
積による医療の質の向上
• 高齢者だけでなく現役世代についても予防・健康管理を実施
• 病院・専門医、多職種と連携したACP(Advanced Care Planning)の策定
• 受診機会の地域差解消を目指したオンライン診療のさらなる活用
このほか、
▼急性期医療の集約化・重点化など、地域の実情に応じた病床機能のさらなる分化・連携(各種データを踏まえ
た地域医療構想等、各種計画のバージョンアップ、都道府県の役割、保険者の役割など、医療提供体制に関す
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る責任体制の見直し・強化)―等
考えられる具体的な方策・提案
(増加する医療費への対応)

 医療の高度化への対応と持続性確保のための保険給付の効率化
• 診療内容や薬剤の種類に応じた給付・負担の調整(医療の質かつ経済効率性を踏まえた医薬
品フォーミュラリの制度化、費用対効果を踏まえたバランスのとれた薬価制度への転換等)
• 医療・介護データの分析による可視化と質の向上(P4P(Pay for Performance)にもとづく
報酬体系による評価)
• 保険外併用療養費制度の活用(選定療養のあり方―等)
• 医療費の調整(都道府県別の医療費適正化努力を反映した調整、都道府県の取り組みと連携
した国の目標設定等)

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