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資料1_具体的研究事項と横断的研究事項について (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33877.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第12回 6/28)《厚生労働省》
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(2)アンメットメディカルニーズに応える新規薬剤開発に関する研究
これまでの成果の例
AMED評価

• アカデミアシーズと企業シーズ効能追加の薬事承認取得が得られている。(希少がん・難治がん)
• さらにアカデミアシーズ企業導出と新規治療標的発見など多数の成果をあげている。

後半5年間での成果の例

• 革新的抗がんウイルス療法の実用化臨床研究(東京大学 藤堂 具紀)
単純ヘルペスウイルス1型に人工的に3つのウイルス遺伝子を改変した第三世代がん治療用ヘルペスウイルス G47Δの臨床開発を進め、
悪性神経膠腫に対するG47Δの製造販売承認申請の主試験である医師主導治験の最終解析結果を報告した。G47Δは2021年6月に日本初
のウイルス療法薬として製造販売承認された。
• SCRUM-Japanの基盤を活用した血液循環腫瘍DNAスクリーニングに基づくFGFR遺伝子異常を有する難治性の治癒切除不能な進
行・再発固形がんに対するTAS-120のバスケット型医師主導治験(国立がん研究センター 吉野 孝之)
外科治療が行われる大腸がん患者を対象に、血中循環腫瘍DNAを検査する技術(リキッドバイオプシー)を用いて、術前・術後に再発
リスクをモニタリングするレジストリ研究(GALAXY試験)を実施した。中間解析の結果、術後4週時点で血中循環腫瘍DNA陽性の患
者は、陰性の患者と比較して、術後の再発リスクが高いことが分かった。また、ステージ2・3の患者では、術後4週時点で血中循環腫
瘍DNA陽性の場合、術後補助化学療法を受けた患者は受けなかった場合よりも再発リスクが低いことが分かった。
• 口腔がん微小環境ネットワークシグナルの制御による多角的がん治療法の開発(東京医科歯科大学 渡部 徹郎)
腫瘍組織に豊富に存在する TGF-βは上皮間葉移行(EMT)誘導を介した運動能亢進という「がん促進作用」と細胞周期をG1期に停止
させることによる増殖低下という「がん抑制作用」を持っているが、相反する2つの作用の関連性については未解明であった。本研究
により、TGF-βにより増殖能が低下した細胞の運動・転移能が上昇するという知見が得られ、TGF-βにより誘導される新規 EMT 制御
因子として同定されたケラチン結合因子 2-3(KRTAP2-3)が頭頸部がん患者の予後不良因子で、口腔がん細胞の EMT 誘導を介して
運動・転移能を亢進することから、KRTAP2-3 の発現・機能を阻害することにより、口腔がんの転移を抑制できることが推測された。
今後、新たな治療標的として期待される。
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