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資料1_具体的研究事項と横断的研究事項について (4 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33877.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第12回 6/28)《厚生労働省》
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(1)がんの本態解明に関する研究
これまでの成果の例
AMED評価

• マルチオミックス解析やシングルセル解析などの最新の技術を活用して、その理解が急速に進んだ。
• 悪液質や老化、抗がん剤に対する薬剤耐性機構等の本体解明への理解が進んできた。
• がん遺伝子パネル検査のみならず、がん細胞の全ゲノム解析が始まり個別最適化治療に向けた研究が本格化した。
後半5年間での成果の例

• 血液循環腫瘍DNA解析を活用した切除不能・進行再発大腸がんにおけるがんゲノム異常のClonal Evolutionに関する網羅的カタログ
の作成(国立がん研究センター 中村 能章)
切除不能・進行再発大腸がんを対象とした医師主導治験データを用いて、 GI-SCREEN-Japan(腫瘍組織検査)に登録された5,621例
とGOZILA Study(リキッドバイオプシー・血液循環腫瘍DNA検査)に登録された1,687例の全治療経過に係る腫瘍ゲノム情報と臨床
情報を統合・カタログ化して比較解析を行い、消化器がんを対象とした治験のスクリーニング検査として、血液を用いたリキッドバイ
オプシーの有用性を初めて証明した。更に抗EGFR抗体薬に伴うクローン進化の特徴等を明らかにした。

• 国際共同研究に資する大規模日本人がんゲノム・オミックス・臨床データ統合解析とゲノム医療推進に向けた知識基盤構築(国立がん
研究センター 柴田 龍弘)
日本を含む8か国の国際共同研究で食道がんの全ゲノム解析を行い、日本人症例では、飲酒に伴う遺伝子変異機構が強く働き、食道がん
が発症するという仕組みの詳細を明らかにし、疫学研究における全ゲノム解析の有用性を世界で初めて示した。また、低分化胃がんや
肝臓がんにおける人種別変異シグネチャー解析から、日本人症例で特徴的に認められる飲酒関連変異シグネチャーSBS16を同定した。
• 時空間的異常センシングによるがん変異細胞除去修復(早稲田大学 丸山 剛)
非免疫細胞である上皮細胞が、がんの元となる前がん細胞を認識し、攻撃・排除するという免疫細胞様の監視システムがあることを明
らかにした。また、前がん細胞で発現が促進したMHC-Iを認識する、上皮細胞の受容体AltRを新規に同定し、その排除能惹起メカニズ
ムを解明した。MHC-Iのリコンビナントタンパク質をマウスに投与することで、前がん細胞に対する上皮細胞の排除能が促進されたこ
とから、本研究結果は、がんを予防的に治療するための革新的な医療の確立へとつながることが期待される。
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