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資料1_具体的研究事項と横断的研究事項について (33 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33877.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第12回 6/28)《厚生労働省》
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(9)各柱にまたがる「横断的事項」について
これまでの成果の例

②がんゲノム医療に係る研究

AMED評価

• 大規模なゲノム解析データの蓄積により、日本人のがんゲノムの特徴が明らかとなり、国際的にも、がん研究に大きく貢献した。

後半5年間での成果の例

• 大規模シーケンス解析に基づく、造血器腫瘍のゲノム、エピゲノムにおける、空間的・時間的多様性の研究(京都大学 小川 誠司)
従来、発症の遺伝的背景が不明であったクローン性造血で遺伝子変異とコピー数異常が高頻度に共存すること、両者が共存すると血液
腫瘍・心血管疾患のリスクが有意に上昇すること、などを世界に先駆けて解明した。この成果は、血液がんの起源を理解するための手
がかりを与えるのみならず、クローン性造血に基づく臨床予後予測の実現や治療法開発への発展が期待される。
• 早期がん及びリスク依存がんの統合解析による肺発がん多様性の理解と重点化治療戦略の策定(国立研究開発法人国立がん研究セン
ター 河野 隆志)
間質性肺炎合併肺腺がんの予後は不良であるため、その治療や予後予測を可能とするバイオマーカーの解明が急務である。本研究では、
世界に先駆けて間質性肺炎に合併した肺腺がん(間質性肺炎合併肺腺がん)の遺伝子変異の特徴を明らかにした。肺の形成や働きにか
かわる遺伝子群の機能を失わせるような変異が間質性肺炎合併肺腺がんで高頻度に見られることを明らかにした。間質性肺炎合併肺腺
がんの病態解明と新規治療法開発への応用が期待される。
• 統合的ゲノム解析による消化器神経内分泌がんの本態解明(大阪大学 谷内田 真一)
超難治がんである消化器の神経内分泌がん(NEC:Neuroendocrine carcinoma)の発症メカニズムを、全ゲノム解析などの網羅的な
解析により徹底解明を行い、これまで同一疾患と考えられていた神経内分泌腫瘍(NET:Neuroendocrine tumor)とは、発症メカニ
ズムが異なることから別疾患であることを実証した。膵臓由来NECと胃や大腸などの非膵臓消化器由来のNECとは病理組織像は類似し
ているが、ゲノム異常は類似している点と異なる点があることを明らかにした。また膵臓由来のNECは「Ductal-type」と「Acinartype」に分類できることを発見した。NECの発症・進展のメカニズムが、全ゲノムレベルで明らかになった一方で、既存の分子標的薬
等の薬剤ターゲットとなる遺伝子異常が少なく、現状では難敵な癌であることも分かったが、複雑で多様な病態を丁寧に解析したこと
で、新たなアプローチからの新規創薬が推進されることが期待される。
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