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資料1_具体的研究事項と横断的研究事項について (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33877.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第12回 6/28)《厚生労働省》
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(1)がんの本態解明に関する研究
構成員・参考人からの事前提出意見一覧①











現状と課題

今後の研究の方向性

着実に基礎研究は進んでいると考える。加えて、ゲ
ノム、エピゲノム、プロテオーム、メタボローム、
トランスクリプトーム技術などのオミクス技術の進
展に伴い、ヒトレベルでの情報の蓄積も大きい。
RAS遺伝子を標的とする薬剤は開発されていないと
中間報告案にあるが、米国ではスタートアップが主
体となってRAS標的薬は急速に開発されてきている。
スタートアップが米国内でFIH治験を実施して承認さ
れ、そのままベストインクラス薬剤を開発するため、
日本にそれらの重要な薬剤が入ってこない。
超早期がん(粘膜内がん、微小がん、クローン造血
等)の分子生物学的プロファイルに基づく発がん機
構解明が不十分。その結果従来の病理形態学的な手
法を凌駕する診断法、超早期の段階でがんを除去す
る積極的な予防法が開発されていない。
ゲノム等オミックス解析の結果が細胞、個体レベル
での表現型を十分に説明しきれていない。その結果
分子生物学的プロファイルに基づく治療開発が停滞
している。

生体システムの中でがんを位置づけながら正確に治療介入標的を見つ
けていくためには、マウスなどのモデル研究による疾患のモデル化は
重要。その上で、そのモデルをヒトに外挿して行くアプローチが効率
性が高いと考える。
がんの本態解明に基づく薬剤については、国内のスタートアップや大
手企業が開発を進める事のできる支援やプラットフォームが必要と考
える。
また海外でこれらの薬剤開発が行われている情報を早く把握し、日本
でも試験を実施できる体制が必要である。
「未病」段階を含む超早期がん(粘膜内がん、微小がん、クローン造
血等)の分子生物学的プロファイルの取得
データ統合に基づく数理的な進展モデル構築
病態解明・治療開発に資する動物・非動物モデル系の構築

ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム等の変化が細胞、組織
においてどのような形質の違いにつながるか、現在の一細胞レベルの
解析を一分子レベルでの構造・機能の解析に精細化(一分子イメージ
ング、クライオ電顕など新規構造解析技術等)、さらにそれらを時系
列で解析、また細胞レベルから組織(オルガノイド、器官培養等)・
個体(in vivo イメージング等)レベルに拡張した解析を可能とする。
がんの発症メカニズムの解明も徐々に進んでいるが、 1.がん細胞(腫瘍)に加えて、腫瘍微小環境や宿主免疫応答に関す
画期的な治療法や診断法の開発に繋がるような基礎
る発がん機構の解明と治療標的探索
研究の継続が必要である。最近、がんの網羅的な分
2.がんの希少フラクション(例えば、特定遺伝子融合、Druggable
子解析により、がんは予防、予後や治療との関連か
な特定ミスセンス変異: TP53 Y220C)の研究加速
らより希少フラクションに細分化され、また、より
3.生活習慣や宿主全ゲノムデータとがんの特性(がんゲノムを含
多くの希少フラクションに対して治療標的を明らか
む)の関連をビッグデータで解析、等により注力して、新たな治
にする研究を加速する必要がある。
療標的を数多く探索する必要がある

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