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資料1_具体的研究事項と横断的研究事項について (35 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33877.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第12回 6/28)《厚生労働省》
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(9)各柱にまたがる「横断的事項」について

②がんゲノム医療に係る研究

構成員・参考人からの事前提出意見一覧②









現状と課題

今後の研究の方向性

ゲノムやその他オミックスのデータ取得の充実、高
度化が進むが、画期的な治療の創薬研究につなげる
には不十分である。
遺伝子検査のエキスパートパネル(EP)を実施するに
あたり、がんゲノム医療の均てん化という観点にお
いて、がんゲノム医療中核拠点病院以外の病院にか
かる患者さんのゲノム医療へのアクセスの課題とと
もに、EPが開催される施設以外の治療推奨に関して
は、治験情報等の有無によるばらつきに課題がある。
固形癌に幅広く効果がある、あるいは従来よりずっ
と高い治療成績を出せる免疫療法や細胞治療などを
期待して様々なモダリティによるアプローチが進ん
でいるが、非臨床から臨床試験へのバリデーション
となる適切な動物モデルが存在しないなどの課題が
ある。
第4期基本計画の「全ゲノム解析等の新たな技術を含
む更なるがん研究の推進」の項目には、取り組むべ
き施策として「国は、「全ゲノム解析等実行計画
2022」を着実に進め、ゲノム情報等により、患者等
に不利益が生じないよう留意しつつ、新たな予防・
早期発見法等の開発を含めた患者還元や、がんや難
病に係る研究・創薬への利活用等を推進する。」と
記載されている。また、中間報告でも「遺伝子パネ
ル検査の実装により、遺伝性腫瘍に係る遺伝子異常
が確認された患者等が増えることが予想されること
から、遺伝カウンセリングを含め、精神心理的サ
ポートに関する研究を進めるべきである。」と言及
されている。

企業利用も可能な臨床サンプルのオミックスデータの充実化とデータ
ベース化(治療前・治療後等経時的なサンプリングの充実、シングル
セルレベルなど解析手法の高度化)が必要である。
全国の医療機関からAI・デジタル・リモート診療等の新規技術を活用
した情報へのアクセスの高度化を進める研究が必要である。

細胞治療、がんワクチン等の新規モダリティの高度化、既存免疫療法
アプローチと強力な併用効果がある新規アプローチの研究の推進とと
もに、がんの種差に関する研究等のトランスレーショナル研究が重要
である。アカデミアによる新たな知見をもとに、社会実装に向けた効
率的な動物モデルやシミュレーションに関する研究が必要である。
良質かつ適切なゲノム医療を国民が安心して受けられるようにするた
めの社会的方策及び環境整備に関する研究を新たに加えてはどうか。
ゲノム社会を迎えた今、差別の防止等、究極の個人情報であるゲノム
情報の取り扱いについて、法整備を含めた社会的方策に関する研究が
必要と考える。

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