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(2)LIFEを活用した取組状況の把握および訪問系サービス・居宅介護支援事業所におけるLIFEの活用可能性の検証に関する調査研究事業(本編)(報告書) (案) (111 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24465.html
出典情報 社会保障審議会 介護給付費分科会(第209回 3/17)《厚生労働省》
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IX.本事業のまとめ
本事業は、LIFE を活用した取組について、その取組状況を把握するとともに、さらなる LIFE の活用
に向けた課題の検討等を行った。
アンケート調査実施時点では、フィードバック票は全国の分布のみを提示している状況であったが、
LIFE 活用に伴い既存の委員会等を活用して議論を実施した事業所や、多職種連携等の取組を始めた事業
所が一定割合で見られた。
LIFE を利用した効果として、「LIFE に利用者のデータを入力し管理することで、利用者の状態や課題
を把握しやすくなった」等の回答が多く、LIFE 導入後はアセスメントの頻度が増加する傾向がみられる
等の結果がみられた。
一方で、LIFE 導入時には LIFE の操作方法の理解や LIFE へデータ入力をする時間の確保が主な課題と
して挙げられており、今後の施策検討が望まれる。
モデル事業は、居宅介護支援事業所、訪問看護事業所、訪問介護事業所において実施した。短期間の
調査であったものの、利用者の状態や課題を把握しやすくなる等の効果が期待される結果であった。例
えば、訪問看護事業所においては、より長期的な変化が見えることで予防につながるとの期待が寄せら
れた。
また、モデル的に作成し、出力したフィードバック票については、サービス担当者会議等での活用、
事業所内での情報共有といった、事業所内外での多職種間情報連携に有用であることが示唆された。例
えば、訪問介護事業所においては、複数サービスで同一の評価項目がある場合、当該項目のサービス間
の差異について議論することで、各サービス利用時の利用者の心理的な側面の変化や背景にある事象に
気付けることがある等が挙げられ、居宅介護支援においては、「ADL の合計点等、普段聞き取りだけでは
わかりにくい項目がフィードバック票で把握でき、活用できる」

「今まで事業所でアセスメントしてい
るものと評価項目は大差ないが、改めてフィードバック票でデータとしてみると、居宅サービス事業所
と居宅介護支援事業所との乖離に気づくことができた」等が挙げられた。
一方、訪問系サービスでは、職員が外出中にモバイル端末で LIFE へのデータ入力ができるとよいと
いったことや、一部項目における評価の難しさ等の課題が挙げられており、今後は利便性の向上や訪問
系サービスに向けた項目等の検討が必要と考えられる。また、居宅介護支援においては、
「フィードバ
ック票だけを見ても読み解きが難しく、複数事業所からの結果の比較等、読み解きに苦慮したため、フ
ィードバック票の活用の手引きのようなものがあるとよい」

「サービス担当者会議のタイミングと、フ
ィードバック票が出るタイミングがずれてくると想定されるため、継続的な運用については整理が必要
では」等の課題が挙げられており、今後、フィードバック票の活用等について、運用面も含めた検討が
必要と考えられる。
介護関連総合 DB 分析からは、通所系サービスにおいては LIFE 関連加算を算定している事業所の方が
算定していない事業所よりも平均利用者数が多い傾向が確認された(令和 3 年 9 月サービス提供分の
データ)

今後、LIFE を活用した PDCA の取組を更に推進するためには、フィードバック票の内容充実や LIFE へ
のデータ入力・データ連携に関する利便性の向上等が課題として考えられる。

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