資料1-4 MID-NET・NDB の行政利活用の調査実施状況について[16.8MB] (10 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第3回 3/22)《厚生労働省》 |
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タロプラム群、デュロキセチン群、ベンラファキシン群及び SNRI 群において、
いずれの感度解析も主解析と同様に調整ハザード比の点推定値は 1 を下回る傾
向を示した。
副次解析の結果は表 4 のとおりであった。いずれの群においても主解析と同様
の傾向であった。
表 4. 血小板数減少の発現リスクに関する結果(副次解析)
患者数
追跡期間
アウトカム
粗ハザード比
調整ハザード比†
(人・年)
発現数*
(95%信頼区間)
(95%信頼区間)
パロキセチン群
3,732
2083.8
82
reference
reference
エスシタロプラム群
1,883
844.8
11
0.50 (0.26 - 0.97)
0.52 (0.27 - 1.03)
セルトラリン群
3,238
1823.8
58
1.09 (0.78 - 1.53)
1.02 (0.72 - 1.43)
フルボキサミン群
2,139
1389.8
39
1.18 (0.79 - 1.75)
1.17 (0.79 - 1.73)
デュロキセチン群
9,671
4894.7
96
0.48 (0.35 - 0.66)
0.49 (0.35 - 0.67)
ベンラファキシン群
201
60.6
< 10
1.26 (0.30 - 5.22)
0.46 (0.12 - 1.80)
ミルナシプラン群
568
306.5
< 10
0.87 (0.43 - 1.75)
0.73 (0.37 - 1.44)
ボルチオキセチン群
16
1.4
0
算出不可
算出不可
SSRI 群
7,260
4206.3
110
0.99 (0.74 – 1.32)
0.98 (0.73 – 1.32)
SNRI 群
10,440
5325.8
109
0.51 (0.38 – 0.70)
0.51 (0.38 – 0.70)
®
* MID-NET の公表基準に基づき 10 例未満の集計値が特定できないようマスクしている。
† 傾向スコアの逆数で重みづけを行った。傾向スコアの推定には次の調整因子を用いた。調整因子:性別、年齢、
併用薬(金製剤、ペニシラミン、スルフイソキサゾール、ST 合剤、キニジン、チアジド系利尿薬、バルプロ酸ナト
リウム、カルバマゼピン、ラニチジン、リファンピシン、インターフェロン、インフリキシマブ、ペニシリン、アモ
キシシリン、アセトアミノフェン、ヘパリン、プロトンポンプ阻害薬、NSAIDs)、合併症(肝機能障害、腎機能障
害、骨髄抑制、凝固異常、感染症、自己免疫疾患)、妊娠
結果を踏まえた考察
セルトラリン群において、主解析及び感度解析③を含むいずれの感度解析にお
いても調整ハザード比の点推定値は 1 を上回る傾向を示していたことを踏まえ
ると、セルトラリン塩酸塩に関する血小板数減少のリスクは血小板数減少の重
症度によらずパロキセチン塩酸塩水和物と同程度である可能性が示唆された。
フルボキサミンマレイン酸塩及びベンラファキシン塩酸塩以外は、注意事項等
情報における重大な副作用の項において血小板数減少は注意喚起されていない
ものの、セルトラリン塩酸塩を除くいずれの群においても調整ハザード比の点
推定値は 1 を下回る傾向を示していた(ボルチオキセチン群についてはアウト
カム発現数が 0 件であった)ことから、本調査結果からはパロキセチン塩酸塩
水和物と同程度のリスクを有することは示唆されていないと考えられた。
本調査は他の潜在的な交絡因子(例:患者の全身状態やうつ病の重症度、詳細
な治療歴等)が結果に影響を与えている可能性は否定できないこと等の一定の
限界があることに留意が必要である。また、傾向スコアの推定は各曝露群及び
対照群の組合せに対して行っており各曝露群間の比較可能性は担保されていな
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