資料1-4 MID-NET・NDB の行政利活用の調査実施状況について[16.8MB] (26 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第3回 3/22)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
正常範囲に改善していたことから、有効性を理由にジェネリック医薬品から先
発医薬品には切り替えられていない可能性が考えられた。
肝機能検査の実施状況の確認
いずれのコホートにおいても、群間で特段の差異は認められず、曝露群及び対
照群ともに、追跡期間における各肝機能検査記録を持つ患者の割合は低下した
が、検査頻度は高くなった。このことから、処方薬がジェネリック医薬品か先
発医薬品かによって副作用のモニタリング状況に特段の差異はないことが想定
され、患者の状態等を考慮して、必要な患者に対してはより頻回に肝機能検査
を実施し、各患者の肝機能リスクに応じて適切に副作用のモニタリングが実施
されている可能性が考えられた。
いずれのコホートにおいても、曝露群及び対照群ともに、肝機能検査記録を持
つ患者において、追跡期間における Grade 1~Grade 4 の割合が増加する傾向が
認められたが、その理由の一つとして、検査頻度の上昇が考えられた。
肝機能検査値異常の発現頻度の比較
主解析及びサブグループ解析の結果、アトルバスタチンカルシウム水和物以外
のコホート(シンバスタチン、ピタバスタチンカルシウム水和物、プラバスタ
チンナトリウム、フルバスタチンナトリウム、ロスバスタチンカルシウム)に
おいては、先発医薬品とジェネリック医薬品で肝機能検査値異常の発現リスク
に差異は認められなかった。
アトルバスタチンカルシウム水和物において、主解析の調整ハザード比が有意
に 1 を上回ったが、追跡期間に上限を設定した追加解析の結果、追跡期間が短
くなるにつれて調整ハザード比は 1 に近づき、95%信頼区間も 1.00 を含んでい
た。薬剤性肝障害の多くは 1~8 週間で発現すると考えられていること4、アト
ルバスタチンカルシウム水和物のコホートにおいては、先発医薬品に比べてジ
ェネリック医薬品で追跡期間が長く、アウトカムの発現時期が遅い傾向が認め
られたことから、主解析にてアウトカムとして特定した事象には、スタチンに
よる肝機能検査値異常だけではなく、その他の要因によって発生した肝機能検
査値異常が対照群に比べて曝露群に多く含まれている可能性も考えられた。な
お、先発医薬品に比べてジェネリック医薬品で追跡期間が長く、アウトカムの
発現時期が遅い傾向は、アウトカム定義 2 及びアウトカム定義 3 においても認
められ、更にアウトカム発現数が一定程度確保できたアウトカム定義 2 におい
て追跡期間に上限を設定した追加解析により、追跡期間が短くなるにつれて調
整ハザード比は 1 に近づく傾向が同様に認められた。したがって、追加解析の
結果も踏まえると、当該結果は慎重に解釈する必要があり、本調査結果からは、
アトルバスタチンカルシウム水和物のジェネリック医薬品において、肝機能検
4
重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性肝障害. https://www.pmda.go.jp/files/000240117.pdf
8
26 / 274