資料1-4 MID-NET・NDB の行政利活用の調査実施状況について[16.8MB] (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_38901.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会医薬品等安全対策部会(令和5年度第3回 3/22)《厚生労働省》 |
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められた患者人数は、ドセタキセルとラムシルマブ(遺伝子組換え)の併用処方患
者では 0 人、ドセタキセル単独処方患者では 10 人未満であり、比較可能な人数を
認めなかったため、発現頻度の比較は実施できなかった。
結果を踏まえた考察
各 VEGF/VEGFR 阻害剤について、動脈解離の発現リスクは、ベバシズマブ(遺伝
子組換え)と比較すると一貫して同程度以上に高い傾向を認めた(表 2)。高血圧
の既往がない患者集団においても、表 2 の結果と同様の傾向を示した(表 3)。
バンデタニブは、ベバシズマブ(遺伝子組換え)に対する発現率比が最も高い結果
を示したが、他の VEGF/VEGFR 阻害剤と比べて患者数が著しく少ないことが影響
した可能性がある。
ベバシズマブ(遺伝子組換え)においては、動脈解離の発現が既知のリスクである
ことを踏まえると、上記の結果は、動脈解離の発現について、VEGF/VEGFR 阻害
剤のクラスエフェクトである可能性があると考えられる。本調査は悉皆性が高い
NDB を用いていることから、本調査で得られた VEGF/VEGFR 阻害剤の処方期間
中の動脈解離の発現については、網羅性が高いと考えられる。一方で、用いたアウ
トカム定義については、MID-NET®でバリデートされた定義を参考としているもの
の、NDB においてバリデーションは実施されていないこと、曝露の情報の信頼性
や患者の追跡可能性に一定の限界があること、収集した共変量以外の潜在的な交
絡因子等の調整できていない因子が結果に影響を及ぼしている可能性が否定でき
ないこと、各医薬品で適応症が異なるため、ベバシズマブ(遺伝子組換え)を
reference とした発現率比の推定を行う際に適応による交絡がバイアスとなりうる
こと等、結果の評価において一定の限界があることに留意が必要である。
1
European Medicines Agency; PRAC recommendations on signals Adopted at the 8-11 July 2019 PRAC meeting;
(https://www.ema.europa.eu/en/documents/prac-recommendation/prac-recommendations-signals-adopted-8-11-july-2019-pracmeeting_en.pdf). Accessed on 2023/10/4.
2 Food and Drug Agency ; Potential Signals of Serious Risks/New Safety Information Identified by the FDA Adverse Event
Reporting System (FAERS); January - March 2020.; (https://www.fda.gov/drugs/questions-and-answers-fdas-adverse-eventreporting-system-faers/january-march-2020-potential-signals-serious-risksnew-safety-information-identified-fda-adverse). Accessed
on 2023/10/4.
3 「国立研究開発法人日本医療研究開発機構 医薬品等規制調和・評価研究事業 MID-NET®データの特性解析及びデー
タ抽出条件・解析手法等に関する研究」にて作成された入院を要する急性の動脈解離(解離性動脈瘤を含む)について
の定義を、NDB で利用可能なデータ項目に合わせて必要最小限の修正を行った上で本調査の定義とした。
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