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資料5 財政総論 (26 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/202050409zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/9)《財務省》 |
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英:トラスショックと足もとの金利の動向
○ 2022年秋、トラス内閣は財源の裏付けがない財政拡張的な政策を打ち出し、金利上昇・通貨安など市場の混乱を招いた。
○ 2024年秋、スターマー内閣は国債発行に頼る経済政策を打ち出し、金利がトラスショック時を超える水準まで上昇した。市場の反
応等を受け、2025年3月「春季財政計画」では歳出削減・徴税強化が発表されている。
トラスショック(2022年)
2022年9月6日に誕生した英国トラス内閣は、財源の裏付けがなく見通しも示さないままに「成長戦略」を公表し拡張的な財
政政策を掲げたこと等が問題視され、「成長戦略」公表直後から、金利急騰・ポンド急落など市場が混乱し、最終的には同年10
月25日に辞任(実質的な在任期間は史上最短)。
2022年9月23日 「成長戦略」 の公表
➢ エネルギー価格高騰対策
・10月からの半年間だけで約600億ポンド追加
➢ 所得税減税
市場混乱
・基本税率1%引下げ
・最高税率引下げ (45→40%) (’23年4月~)
➢ 法人税率引上げ (19→25%)(’23年4月~)の撤回
⇒ 一方で、2023年度以降の財政見通しは公表せず
英国債利回り(30年国債・10年国債)の推移
「成長戦略」公表
(2022年9月23日)
(%)
6
4
トラスショック
(ピーク時)
(2022年9月27日)
30年国債:4.99%
10年国債:4.51%
3
※10年国債利回りは、9/23から9/27までの
3営業日で3.45%から4.50%に急騰
5
2
※英ポンドの対米ドルレートは、9/22から
9/26までの3営業日で1.13から1.07に急落
30年国債利回り
1
0
10年国債利回り
(注)英国の会計年度は、4月から翌年3月まで(2024会計年度は、2024年4月から2025年3月まで)。
10月に市場の混乱を受けた見直し策の公表
エネルギー価格高騰対策の見直し
・2023年度以降の支援内容の見直し 【10/17】
➢ 所得税減税の取止め
・基本税率1%引下げの無期限延期 【10/17】
・最高税率引下げの取止め 【10/3】
➢ 法人税率引上げの撤回の取止め 【10/3】
⇒ 2023年度以降の見通しの早期公表 【10/10】
➢
それ以降も批判は収まらず、
トラス首相は10月20日に
辞任表明、同月25日辞任
足もとでも国債金利が「トラスショック」時を超え
る水準まで上昇
足もとのピーク
・2025年1月14日ピーク時点
(2025年1月14日)
:30年国債:5.45%、10年国債:4.89%
※ 30年国債利回りは1998年8月以来約27年ぶり、
10年国債利回りは2008年8月以来約17年ぶりの高水準。
・2025年4月4日現在
:30年国債:5.12%、10年国債:4.45%
「秋季予算」公表(2024年10月30日)
• 2024年7月、14年ぶりに政権交代した労働党スターマー内
閣が発表。
• 歳入面では、国民保険料の雇用主負担率の引上げ等により、
年間約400億ポンドの増税を実施。
• 一方、歳出面では、NHS(国民健康サービス)の充実・イン
フラ投資(2年間で226億ポンド)や、学校・病院・道路の
補修等のための大規模なインフラ投資(5年間で総額
1,000億ポンド以上)等に予算を措置。
• 予算責任局(OBR)は、今後5年間の歳出増の約半分は
歳入増によって賄われるが、残りは借入によって賄われるとの
26
見通しを示している。
○ 2022年秋、トラス内閣は財源の裏付けがない財政拡張的な政策を打ち出し、金利上昇・通貨安など市場の混乱を招いた。
○ 2024年秋、スターマー内閣は国債発行に頼る経済政策を打ち出し、金利がトラスショック時を超える水準まで上昇した。市場の反
応等を受け、2025年3月「春季財政計画」では歳出削減・徴税強化が発表されている。
トラスショック(2022年)
2022年9月6日に誕生した英国トラス内閣は、財源の裏付けがなく見通しも示さないままに「成長戦略」を公表し拡張的な財
政政策を掲げたこと等が問題視され、「成長戦略」公表直後から、金利急騰・ポンド急落など市場が混乱し、最終的には同年10
月25日に辞任(実質的な在任期間は史上最短)。
2022年9月23日 「成長戦略」 の公表
➢ エネルギー価格高騰対策
・10月からの半年間だけで約600億ポンド追加
➢ 所得税減税
市場混乱
・基本税率1%引下げ
・最高税率引下げ (45→40%) (’23年4月~)
➢ 法人税率引上げ (19→25%)(’23年4月~)の撤回
⇒ 一方で、2023年度以降の財政見通しは公表せず
英国債利回り(30年国債・10年国債)の推移
「成長戦略」公表
(2022年9月23日)
(%)
6
4
トラスショック
(ピーク時)
(2022年9月27日)
30年国債:4.99%
10年国債:4.51%
3
※10年国債利回りは、9/23から9/27までの
3営業日で3.45%から4.50%に急騰
5
2
※英ポンドの対米ドルレートは、9/22から
9/26までの3営業日で1.13から1.07に急落
30年国債利回り
1
0
10年国債利回り
(注)英国の会計年度は、4月から翌年3月まで(2024会計年度は、2024年4月から2025年3月まで)。
10月に市場の混乱を受けた見直し策の公表
エネルギー価格高騰対策の見直し
・2023年度以降の支援内容の見直し 【10/17】
➢ 所得税減税の取止め
・基本税率1%引下げの無期限延期 【10/17】
・最高税率引下げの取止め 【10/3】
➢ 法人税率引上げの撤回の取止め 【10/3】
⇒ 2023年度以降の見通しの早期公表 【10/10】
➢
それ以降も批判は収まらず、
トラス首相は10月20日に
辞任表明、同月25日辞任
足もとでも国債金利が「トラスショック」時を超え
る水準まで上昇
足もとのピーク
・2025年1月14日ピーク時点
(2025年1月14日)
:30年国債:5.45%、10年国債:4.89%
※ 30年国債利回りは1998年8月以来約27年ぶり、
10年国債利回りは2008年8月以来約17年ぶりの高水準。
・2025年4月4日現在
:30年国債:5.12%、10年国債:4.45%
「秋季予算」公表(2024年10月30日)
• 2024年7月、14年ぶりに政権交代した労働党スターマー内
閣が発表。
• 歳入面では、国民保険料の雇用主負担率の引上げ等により、
年間約400億ポンドの増税を実施。
• 一方、歳出面では、NHS(国民健康サービス)の充実・イン
フラ投資(2年間で226億ポンド)や、学校・病院・道路の
補修等のための大規模なインフラ投資(5年間で総額
1,000億ポンド以上)等に予算を措置。
• 予算責任局(OBR)は、今後5年間の歳出増の約半分は
歳入増によって賄われるが、残りは借入によって賄われるとの
26
見通しを示している。