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資料5 財政総論 (31 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/202050409zaiseia.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 財政制度分科会(4/9)《財務省》 |
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財政支出が物価に与える影響
○ 近年、大規模な財政支出がインフレ率の上昇を招く、いわゆる“財政インフレ”の可能性が指摘されている。
• コロナ禍以降の各国のインフレ率上昇の要因に関する近年の研究では、財政支出の増加がインフレ率の上昇を招いたと
する実証分析が多くみられている。
• 最近の理論研究では、特に供給制約下では財政支出のインフレ率への影響が増幅されることが示唆されている。
実証分析(主にコロナ禍での財政支出の影響)
対象
主な分析結果
52か国
政府支出の増加(2020-2021年)は、各国のインフレ率の上昇分(2022年)※
に対して有意に影響
(※2022年2月のインフレ率と2015-2019年平均との差)
米国
政府支出の増加がインフレ率(2022年)を2.6%pt押し上げ
Giovanniほか
(2023)
米国
インフレ率の上昇分(2019-2022年)※ 8%程度のうち、5-6%程度は総需要増加に
より、そのうち半分以上は財政刺激策によるもの。 (※モデル上のインフレ率のトレンドからの乖離)
Barro・Bianchi
(2023)
37か国
(OECD加盟国)
Soyresほか
(2023)
政府支出の増加(2020-2021年)は、各国のインフレ率(2020-2023年)
に対して有意に影響
理論研究
Fornaro
(2024)
供給制約は、財政刺激策によるインフレ率の上昇を増幅させる
(特に、財政刺激策が大規模かつ一時的なものである場合、供給の混乱によって中間投入財の不足が生じる場合、 公的支出が
経済の一部のセクターに集中している場合など)
(出所) de Soyres, François, Ana Maria Santacreu, and Henry L. Young. 2023. "Demand-Supply imbalance during the Covid-19 pandemic: The role of fiscal policy." Federal Reserve Bank of St. Louis Review, First Quarter 2023, pp. 21-50.
di Giovanni, Julian, Şebnem Kalemli-Özcan, Alvaro Silva, and Muhammed A. Yıldırım. 2023. “Quantifying the inflationary impact of fiscal stimulus under supply constraints.” AEA Papers and Proceedings, vol. 113, pp. 76–80.
Barro, Robert J., and Francesco Bianchi. 2023. "Fiscal Influences on Inflation in OECD Countries, 2020-2023.” NBER Working Paper Series 31838.
Fornaro, Luca. 2024. "Fiscal Stimulus with Supply Constraints.“ Paper presented at Joint ECB-IMF-IMFER Conference.
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○ 近年、大規模な財政支出がインフレ率の上昇を招く、いわゆる“財政インフレ”の可能性が指摘されている。
• コロナ禍以降の各国のインフレ率上昇の要因に関する近年の研究では、財政支出の増加がインフレ率の上昇を招いたと
する実証分析が多くみられている。
• 最近の理論研究では、特に供給制約下では財政支出のインフレ率への影響が増幅されることが示唆されている。
実証分析(主にコロナ禍での財政支出の影響)
対象
主な分析結果
52か国
政府支出の増加(2020-2021年)は、各国のインフレ率の上昇分(2022年)※
に対して有意に影響
(※2022年2月のインフレ率と2015-2019年平均との差)
米国
政府支出の増加がインフレ率(2022年)を2.6%pt押し上げ
Giovanniほか
(2023)
米国
インフレ率の上昇分(2019-2022年)※ 8%程度のうち、5-6%程度は総需要増加に
より、そのうち半分以上は財政刺激策によるもの。 (※モデル上のインフレ率のトレンドからの乖離)
Barro・Bianchi
(2023)
37か国
(OECD加盟国)
Soyresほか
(2023)
政府支出の増加(2020-2021年)は、各国のインフレ率(2020-2023年)
に対して有意に影響
理論研究
Fornaro
(2024)
供給制約は、財政刺激策によるインフレ率の上昇を増幅させる
(特に、財政刺激策が大規模かつ一時的なものである場合、供給の混乱によって中間投入財の不足が生じる場合、 公的支出が
経済の一部のセクターに集中している場合など)
(出所) de Soyres, François, Ana Maria Santacreu, and Henry L. Young. 2023. "Demand-Supply imbalance during the Covid-19 pandemic: The role of fiscal policy." Federal Reserve Bank of St. Louis Review, First Quarter 2023, pp. 21-50.
di Giovanni, Julian, Şebnem Kalemli-Özcan, Alvaro Silva, and Muhammed A. Yıldırım. 2023. “Quantifying the inflationary impact of fiscal stimulus under supply constraints.” AEA Papers and Proceedings, vol. 113, pp. 76–80.
Barro, Robert J., and Francesco Bianchi. 2023. "Fiscal Influences on Inflation in OECD Countries, 2020-2023.” NBER Working Paper Series 31838.
Fornaro, Luca. 2024. "Fiscal Stimulus with Supply Constraints.“ Paper presented at Joint ECB-IMF-IMFER Conference.
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