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資料1-2-17診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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資料1-2-17
(診断基準等のアップデート案(見え消し))
311 先天性三尖弁狭窄症
取扱注意
○ 概要
1.概要
三尖弁の狭窄によって右房から右室への血液流入に支障を来す疾患。心房流入血流の全てを右室へ
通過させることができないため心房間では右左短絡を生じ、低酸素血症となる。手術を含め根治的治療法
はない。持続する低酸素血症による多臓器障害を来す。肺血管低形成、高度な三尖弁閉鎖不全を併発す
ることも多い。チアノーゼを改善するために心・肺の状態が許せばフォンタン型の手術が行われるが、根治
的な治療ではなく遠隔期に循環破綻を生じ死亡することが多い。
2.原因
先天性であり、心臓発生異常の起因となる原因は不明である。
3.症状
心不全、低酸素血症、右-左短絡、フォンタン型循環破綻に由来する。
1)心不全に由来する症状
新生児・乳児期以降は、哺乳不良、体重増加不良、多呼吸、呼吸器感染症悪化など
成人期は、易疲労、動悸、食思不振など
2)低酸素血症に由来する症状・合併症
新生児・乳児期以降は、多呼吸、チアノーゼ、バチ状指、易疲労
成人期は、易疲労、過粘稠度症候群による頭痛、吐き気、チアノーゼ性腎症、ネフローゼ症候群、腎
不全、喀血、易出血、血栓症、胆石、胆嚢炎、肥厚性関節炎
3)右左短絡による合併症
脳梗塞、脳膿瘍
4)フォンタン循環破綻に由来する症状・合併症
心不全、低酸素血症、房室弁逆流、蛋白漏出性胃腸症、鋳型気管支炎、肝腫大、肺高血圧など
4.治療法
一定基準(正常肺動脈圧、肺血管抵抗値<2.0 Wood 単位・m2、心室機能正常、極軽度の房室逆流という
全ての条件を満たすこと)を満たせばフォンタン型手術(上下大静脈からの静脈血を心室を介さず肺動脈に
直接還流するように血行動態を修正する手術)を施行する。ただ、フォンタン型手術は、順調なフォンタン循
環でも中心静脈(肺動脈)平均圧が 12~14mmHg である。正常心における中心静脈圧は4~8mmHg であり、
12~14mmHg は正常構造の心臓をもつヒトでは慢性うっ血性心不全の状態と等しく、根治的治療にはなら
ない。
なお、三尖弁狭窄の程度が加齢で変化することはあまりないが、治療介入が必要となる年齢は、狭窄の
程度により異なる。また、フォンタン術後の合併症発生頻度や予後は、加齢とともに悪化することが多い。
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(診断基準等のアップデート案(見え消し))
311 先天性三尖弁狭窄症
取扱注意
○ 概要
1.概要
三尖弁の狭窄によって右房から右室への血液流入に支障を来す疾患。心房流入血流の全てを右室へ
通過させることができないため心房間では右左短絡を生じ、低酸素血症となる。手術を含め根治的治療法
はない。持続する低酸素血症による多臓器障害を来す。肺血管低形成、高度な三尖弁閉鎖不全を併発す
ることも多い。チアノーゼを改善するために心・肺の状態が許せばフォンタン型の手術が行われるが、根治
的な治療ではなく遠隔期に循環破綻を生じ死亡することが多い。
2.原因
先天性であり、心臓発生異常の起因となる原因は不明である。
3.症状
心不全、低酸素血症、右-左短絡、フォンタン型循環破綻に由来する。
1)心不全に由来する症状
新生児・乳児期以降は、哺乳不良、体重増加不良、多呼吸、呼吸器感染症悪化など
成人期は、易疲労、動悸、食思不振など
2)低酸素血症に由来する症状・合併症
新生児・乳児期以降は、多呼吸、チアノーゼ、バチ状指、易疲労
成人期は、易疲労、過粘稠度症候群による頭痛、吐き気、チアノーゼ性腎症、ネフローゼ症候群、腎
不全、喀血、易出血、血栓症、胆石、胆嚢炎、肥厚性関節炎
3)右左短絡による合併症
脳梗塞、脳膿瘍
4)フォンタン循環破綻に由来する症状・合併症
心不全、低酸素血症、房室弁逆流、蛋白漏出性胃腸症、鋳型気管支炎、肝腫大、肺高血圧など
4.治療法
一定基準(正常肺動脈圧、肺血管抵抗値<2.0 Wood 単位・m2、心室機能正常、極軽度の房室逆流という
全ての条件を満たすこと)を満たせばフォンタン型手術(上下大静脈からの静脈血を心室を介さず肺動脈に
直接還流するように血行動態を修正する手術)を施行する。ただ、フォンタン型手術は、順調なフォンタン循
環でも中心静脈(肺動脈)平均圧が 12~14mmHg である。正常心における中心静脈圧は4~8mmHg であり、
12~14mmHg は正常構造の心臓をもつヒトでは慢性うっ血性心不全の状態と等しく、根治的治療にはなら
ない。
なお、三尖弁狭窄の程度が加齢で変化することはあまりないが、治療介入が必要となる年齢は、狭窄の
程度により異なる。また、フォンタン術後の合併症発生頻度や予後は、加齢とともに悪化することが多い。
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