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資料1-2-17診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (22 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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316 カルニチン回路異常症
○ 概要
1.概要
カルニチンサイクルを構成する酵素である、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1(CPT1)、カルニ
チンパルミトイルトランスフェラーゼ2(CPT2)、カルニチン/アシルカルニチントランスロカーゼ(CACT)及び
カルニチンをミトコンドリア内に輸送するカルニチントランスポーター(OCTN-2OCTN2)の先天的な欠損によ
り、長鎖脂肪酸のミトコンドリア内への転送が障害されされる。その結果、脂肪酸代謝が十分行われなくな
り、その結果エネルギー産生の低下を引き起こす。臨床病型として、新生児期発症型、乳幼児期発症型、
遅発型に分類される。
2.原因
CPT1 欠損症は、CPT1A 遺伝子、CPT2 欠損症は CPT2 遺伝子、CACT 欠損症は SLC25A20 遺伝子、
OCTN-2OCTN2 異常症は SLC22A5 遺伝子の変異によって生じるが、同じ遺伝子変異でも未発症例や重
症例があることなど、病態が未解明である部分が多い。
3.症状
カルニチン回路異常症の共通した症状として、意識障害・痙攣、嘔吐、横紋筋融解、体重増加不良、代
謝性アシドーシス、肝機能障害に加え、各臓器への脂肪蓄積、肝機能不全に伴う脳症・低ケトン性低血糖・
高アンモニア血症、筋力低下、心筋症など症状は多岐にわたる。
本症はタンデムマスを用いた新生児マススクリーニングにおいて、症状が出る前(発症前)に発見される
こともある。
4.治療法
根治的な治療法は確立しておらず、対症的な治療にとどまる。
マススクリーニングで見つかった際には食事間隔の指導、中鎖脂肪酸トリグリセリドの使用、L-カルニチ
ンの投与などによる急性発作予防が主である。
急性期の治療:ブドウ糖を中心とした輸液、L-カルニチンの投与(OCTN-2OCTN2 欠損症では必須であり
大量投与を行い、その他は低カルニチン血症の場合に考慮)、高アンモニア血症の治療(アルギニン、フェ
ニル酪酸ナトリウム、安息香酸ナトリウムなど)、各種ビタミン剤、ベザフィブラート(CPT2 欠損症などで報告
例あり)などの投与を行う。
慢性期の治療:L-カルニチン内服(OCTN-2OCTN2 欠損症では必須であり大量投与を行う)、許容空腹
時間の厳守、血糖モニタリング、栄養管理(高炭水化物、低脂肪食)、中鎖脂肪酸の摂取、シックデイの際
の早期医療介入、運動制限など永続的な管理が必要である。
成人期の治療:成人期も基本的な病態の変化はなく、L-カルニチンの内服(OCTN-2OCTN2 欠損症では
必須であり大量投与を行う)、定期的な通院、運動制限、シックデイの際の早期医療介入、妊娠時期の血
糖や肝機能のコントロールなどを行う必要がある。
5.予後

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