よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


資料1-4   アセトアミノフェンの添付文書 (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34324.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 医薬品等安全対策部会 安全対策調査会(令和5年度第4回 7/25)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

13. 過量投与

カロナール細粒50%

13.1 症状
肝臓・腎臓・心筋の壊死が起こったとの報告がある。
13.2 処置
解毒(肝障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮
すること。[1.2 参照]

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異
常を起こすことがある。
15.1.2 腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物
(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5~
27kg、服用期間4~30年)していた人が多いとの報告がある。
15.1.3 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性に
おいて、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実
験で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。

16. 薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
〈カロナール細粒20%〉
クロスオーバー法により、健康成人男性に、カロナール細粒20%
2.0gと標準製剤(錠剤200mg)2錠(アセトアミノフェンとして
400mg)をそれぞれ空腹時単回経口投与したとき、アセトアミノ
フェンの血中濃度及び薬物動態パラメータは以下のとおりであり、
両剤の生物学的同等性が確認された2)。
判定パラメータ
AUC0-12
Cmax
(μg・hr/mL)(μg/mL)

カロナール細
粒20%(細粒 19.20±2.04
剤20%、2.0g)
標 準 製 剤
(錠剤200mg、 19.03±2.45
2錠)



参考パラメータ
Tmax
t1/2
(hr)
(hr)

9.1±3.2 0.43±0.23 2.45±0.21

9.1±2.9 0.46±0.19 2.36±0.28

(Mean±S.D.、n=14)
カロナール細粒20%

16.5 排泄
代謝物は主に尿中に排泄される。健康成人男性14例にアセトアミ
ノフェン500mgを経口単回投与した結果、投与量の約80%が投与
開始24時間後までに尿中に排泄された4)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
肝硬変患者は健常人に比べてAUC値は高く、クリアランスは低
く、また半減期は長かった5)(外国人データ)。

17. 臨床成績

17.3 その他
〈小児科領域における解熱〉
17.3.1 小児科領域における解熱に対する臨床使用成績
カロナール細粒20%を用いて小児の解熱効果について検討した
(投与量はアセトアミノフェン量として記載)。
(1)小児64例に対し、5.6~7.3mg/kg注)を頓用投与した結果、有
効率(有効以上)は64.1%(41/64)であった。副作用は認めな
かった6)。
(2)小児30例に対し、Harnack用量に従い5.4~10.0mg/kg注)を投
与し、うち検温経過をはっきり観察できた20例について検討した
結果、有効率(有効以上)は80.0%(16/20)であった。副作用
は認めなかった7)。
(3)小児41例に対し、15mg/kgを頓用投与し、有効率(有効以上)
は97.6%(40/41)であった。副作用は5例に36℃以下の体温下降
を認めた8)。
(4)小児44例に対し、7.9mg/kg以下 注)投与群16例(31回測定)、
8.0~10.0mg/kg注)投与群16例(27回測定)、10.1mg/kg以上 注)
投与群17例(19回測定)の有効性、安全性を確認した結果、
7.9mg/kg以下投与群の有効率(有効以上)は51.6%(16/31回)、
8.0~10.0mg/kg投与群は77.8%(21/27回)、10.1mg/kg以上投
与群は89.5%(17/19回)であり、全体としての有効率は70.1%
(54/77回)であった。副作用は10.1mg以上投与群の3例に36℃以
下の体温下降を認めた9)。
注)‌本剤の承認された用量は、体重1kgあたり1回10~15mgである。

18. 薬効薬理

〈カロナール細粒50%〉
クロスオーバー法により、健康成人男性に、カロナール細粒50%
1.0gと標準製剤(細粒剤20%)2.5g(アセトアミノフェンとして
500mg)をそれぞれ空腹時単回経口投与したとき、アセトアミノ
フェンの血中濃度及び薬物動態パラメータは以下のとおりであり、
両剤の生物学的同等性が確認された3)。
判定パラメータ
AUC0-12
Cmax
(μg・hr/mL)(μg/mL)

カロナール細
粒50%(細粒 27.36±6.60
剤50%、1.0g)
標 準 製 剤
(細粒剤20%、 26.69±6.57
2.5g)



参考パラメータ
Tmax
t1/2
(hr)
(hr)

18.1 作用機序
アセトアミノフェンの作用の正確な部位や機序は完全には解明さ
れていないが、作用機序としては、中枢神経系に作用し、プロス
タグランジン合成、カンナビノイド受容体系又はセロトニン作動
系などに影響を及ぼすと考えられている10)。

19. 有効成分に関する理化学的知見

一般名:‌アセトアミノフェン(Acetaminophen)
化学名:‌N-(4-Hydroxyphenyl)acetamide
分子式:‌C8H9NO2
分子量:‌151.16
構造式:

10.3±3.2 0.43±0.18 2.86±0.36

9.3±2.8 0.59±0.41 2.90±0.44

(Mean±S.D.、n=20)

-3-



状:‌白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエ
タノール(95)に溶けやすく、水にやや溶けにくく、ジ
エチルエーテルに極めて溶けにくい。水酸化ナトリウム
試液に溶ける。
点:‌169~172℃