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資料1-4 アセトアミノフェンの添付文書 (44 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34324.html |
出典情報 | 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 医薬品等安全対策部会 安全対策調査会(令和5年度第4回 7/25)《厚生労働省》 |
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15.1.4 遺伝的にCYP2D6の活性が過剰であることが判明している患
者(Ultra-rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデ
インリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が
上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、
腫瘍発生が認められたとの報告がある。
頻度不明
血液
血小板減少、血小板機能低下(出血時間の延長)、チアノーゼ
依存性a)
薬物依存
a:反復使用により生じることがあるので、観察を十分に行うこと。
13. 過量投与
13.1 アセトアミノフェン
13.1.1 症状
(1)アセトアミノフェンの過量投与により肝臓・腎臓・心筋の壊死(初
期症状:悪心、嘔吐、発汗、全身倦怠感等)及びメトヘモグロビン
血症があらわれたとの報告がある。
(2)総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には、アセトアミノフェンを
含むものがあり、本剤とこれら配合剤との偶発的な併用により、ア
セトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するお
それがある。[1.2参照]
13.1.2 処置
アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝機能障害の軽減等)には、
アセチルシステインの投与を考慮すること。
13.2 ジヒドロコデインリン酸塩
13.2.1 症状
ジヒドロコデインの過量投与により、呼吸抑制、意識不明、痙攣、
錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減
少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
13.2.2 処置
ジヒドロコデインの過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
16. 薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
本剤2錠を健常成人男子5名に単回経口投与した場合、各成分の最高血漿中濃
度到達時間は次のとおりである1)。
成
分
名
Tmax(h)
ジプロフィリン
0.90±0.65
ジヒドロコデインリン酸塩
0.90±0.65
dl -メチルエフェドリン塩酸塩
0.95±0.62
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
(ジフェンヒドラミンとして)
1.95±1.28
アセトアミノフェン
0.85±0.70
ブロモバレリル尿素
0.85±0.70
16.4 代謝
本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩は、主として肝代謝酵素UGT2B7、
UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
・投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼
吸管理を行う。
・麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用
が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続
時間はジヒドロコデインのそれより短いので、患者のモニタリン
グを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節
しながら持続静注する。
・必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
13.3 ブロモバレリル尿素
13.3.1 症状
ブロモバレリル尿素の服用量の増加に伴い、麻酔深度が深くなり、
覚醒までの時間も長くなる。急性中毒症状としては、中枢神経症状
(四肢の不全麻痺、深部反射消失、呼吸抑制等)が主なものであり、
覚醒後に幻視、全身痙攣発作、神経炎、神経痛等が起こる場合がある。
13.3.2 処置
ブロモバレリル尿素の過量投与時には通常、以下のような処置が行
われる。
・未吸収のものを除去:催吐、胃内容物の吸引、胃洗浄、必要に応
じ活性炭投与を行う。
・排泄促進:留置カテーテルによる導尿を行い、フロセミド40~
80mgを静注し、利尿反応を見ながら反復投与する。
・呼吸管理:気道の確保。必要に応じ気管内挿管、人工呼吸、酸素
吸入を行う。
・対症療法:昇圧剤、強心剤、呼吸興奮剤等の投与。重症の場合は
血液透析、血液灌流を行う。
17.1.1 臨床試験
1錠中にジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl -メチルエフェドリ
ン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素を本剤と
同量含有し、他にバルセチンを100mg含有する製剤(カフコデ錠「モハン」)
について実施された臨床試験(総計100例)の成績は次のとおりである2)。
疾患
かぜ症候群
症状
有効率(%)
中等度改善以上
軽度改善以上
咳
36.4( 8/22)
86.4(19/22)
疼痛
37.0(10/27)
88.9(24/27)
熱
53.8(14/26)
96.2(25/26)
咳
68.0(17/25)
96.0(24/25)
気管支炎
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
18.1.1 ジヒドロコデインリン酸塩
コデインと同じくモルヒネ系鎮痛薬に属するので、薬理作用は質的にはモル
ヒネに準ずる。鎮痛、鎮咳作用はコデインより強く、臨床的には主として鎮
咳薬として用いられ、麻薬性中枢性鎮咳薬に分類される3)。
18.1.2 dl -メチルエフェドリン塩酸塩
交感神経興奮様薬物。α及びβ受容体を刺激するが、作用の一部は交感神経
終末からのノルアドレナリン遊離を介する間接的なものである。従って、静
脈内投与による昇圧反応にはタキフィラキシーが認められる。臨床的にはβ2
受容体刺激による気管支拡張作用が利用される4)。
18.1.3 アセトアミノフェン
解熱鎮痛薬。シクロオキシゲナーゼ阻害作用は殆どなく、視床下部の体温調
節中枢に作用して皮膚血管を拡張させて体温を下げる。鎮痛作用は視床と大
脳皮質の痛覚閾値をたかめることによると推定される5)。
18.1.4 ブロモバレリル尿素
14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導するこ
と。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更に
は穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
体内でBr-を遊離し、神経細胞の興奮性を抑制することにより、鎮静、催眠作
用を現す6)。
18.2 鎮咳作用
本剤と1錠中にジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl -メチルエフェ
ドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素を本剤
と同量含有し、他にバルセチンを100mg含有する製剤(以下カフコデ錠「モハ
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常
を起こすことがあるので、長期投与を避けること。
15.1.2 腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェ
ナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5~27kg、服
用期間4~30年)していた人が多いとの報告がある。
15.1.3 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性にお
いて、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
ン」
)を比較したとき、
その鎮咳効果に変化は認められなかった7)(モルモット)
。
カフコデ錠「モハン」とジヒドロコデインリン酸塩、dl -メチルエフェドリン
塩酸塩各単味剤及びジヒドロコデインリン酸塩とdl -メチルエフェドリン塩酸
塩配合剤それぞれとの鎮咳作用の比較により相乗効果を示すことが認められ
たとの報告がある8)(モルモット)。
18.3 気管支拡張作用
カフコデ錠「モハン」とジプロフィリン、dl -メチルエフェドリン塩酸塩及び
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩の各単味剤との気管支拡張作用の比較によ
3
者(Ultra-rapid Metabolizer)では、本剤に含まれるジヒドロコデ
インリン酸塩の活性代謝産物であるジヒドロモルヒネの血中濃度が
上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
15.2.1 類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物実験で、
腫瘍発生が認められたとの報告がある。
頻度不明
血液
血小板減少、血小板機能低下(出血時間の延長)、チアノーゼ
依存性a)
薬物依存
a:反復使用により生じることがあるので、観察を十分に行うこと。
13. 過量投与
13.1 アセトアミノフェン
13.1.1 症状
(1)アセトアミノフェンの過量投与により肝臓・腎臓・心筋の壊死(初
期症状:悪心、嘔吐、発汗、全身倦怠感等)及びメトヘモグロビン
血症があらわれたとの報告がある。
(2)総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤には、アセトアミノフェンを
含むものがあり、本剤とこれら配合剤との偶発的な併用により、ア
セトアミノフェンの過量投与による重篤な肝機能障害が発現するお
それがある。[1.2参照]
13.1.2 処置
アセトアミノフェン過量投与時の解毒(肝機能障害の軽減等)には、
アセチルシステインの投与を考慮すること。
13.2 ジヒドロコデインリン酸塩
13.2.1 症状
ジヒドロコデインの過量投与により、呼吸抑制、意識不明、痙攣、
錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減
少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
13.2.2 処置
ジヒドロコデインの過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
16. 薬物動態
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
本剤2錠を健常成人男子5名に単回経口投与した場合、各成分の最高血漿中濃
度到達時間は次のとおりである1)。
成
分
名
Tmax(h)
ジプロフィリン
0.90±0.65
ジヒドロコデインリン酸塩
0.90±0.65
dl -メチルエフェドリン塩酸塩
0.95±0.62
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩
(ジフェンヒドラミンとして)
1.95±1.28
アセトアミノフェン
0.85±0.70
ブロモバレリル尿素
0.85±0.70
16.4 代謝
本剤に含まれるジヒドロコデインリン酸塩は、主として肝代謝酵素UGT2B7、
UGT2B4及び一部CYP3A4、CYP2D6で代謝される。
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
・投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼
吸管理を行う。
・麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用
が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続
時間はジヒドロコデインのそれより短いので、患者のモニタリン
グを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節
しながら持続静注する。
・必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
13.3 ブロモバレリル尿素
13.3.1 症状
ブロモバレリル尿素の服用量の増加に伴い、麻酔深度が深くなり、
覚醒までの時間も長くなる。急性中毒症状としては、中枢神経症状
(四肢の不全麻痺、深部反射消失、呼吸抑制等)が主なものであり、
覚醒後に幻視、全身痙攣発作、神経炎、神経痛等が起こる場合がある。
13.3.2 処置
ブロモバレリル尿素の過量投与時には通常、以下のような処置が行
われる。
・未吸収のものを除去:催吐、胃内容物の吸引、胃洗浄、必要に応
じ活性炭投与を行う。
・排泄促進:留置カテーテルによる導尿を行い、フロセミド40~
80mgを静注し、利尿反応を見ながら反復投与する。
・呼吸管理:気道の確保。必要に応じ気管内挿管、人工呼吸、酸素
吸入を行う。
・対症療法:昇圧剤、強心剤、呼吸興奮剤等の投与。重症の場合は
血液透析、血液灌流を行う。
17.1.1 臨床試験
1錠中にジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl -メチルエフェドリ
ン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素を本剤と
同量含有し、他にバルセチンを100mg含有する製剤(カフコデ錠「モハン」)
について実施された臨床試験(総計100例)の成績は次のとおりである2)。
疾患
かぜ症候群
症状
有効率(%)
中等度改善以上
軽度改善以上
咳
36.4( 8/22)
86.4(19/22)
疼痛
37.0(10/27)
88.9(24/27)
熱
53.8(14/26)
96.2(25/26)
咳
68.0(17/25)
96.0(24/25)
気管支炎
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
18.1.1 ジヒドロコデインリン酸塩
コデインと同じくモルヒネ系鎮痛薬に属するので、薬理作用は質的にはモル
ヒネに準ずる。鎮痛、鎮咳作用はコデインより強く、臨床的には主として鎮
咳薬として用いられ、麻薬性中枢性鎮咳薬に分類される3)。
18.1.2 dl -メチルエフェドリン塩酸塩
交感神経興奮様薬物。α及びβ受容体を刺激するが、作用の一部は交感神経
終末からのノルアドレナリン遊離を介する間接的なものである。従って、静
脈内投与による昇圧反応にはタキフィラキシーが認められる。臨床的にはβ2
受容体刺激による気管支拡張作用が利用される4)。
18.1.3 アセトアミノフェン
解熱鎮痛薬。シクロオキシゲナーゼ阻害作用は殆どなく、視床下部の体温調
節中枢に作用して皮膚血管を拡張させて体温を下げる。鎮痛作用は視床と大
脳皮質の痛覚閾値をたかめることによると推定される5)。
18.1.4 ブロモバレリル尿素
14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導するこ
と。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更に
は穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
体内でBr-を遊離し、神経細胞の興奮性を抑制することにより、鎮静、催眠作
用を現す6)。
18.2 鎮咳作用
本剤と1錠中にジプロフィリン、ジヒドロコデインリン酸塩、dl -メチルエフェ
ドリン塩酸塩、ジフェンヒドラミンサリチル酸塩、ブロモバレリル尿素を本剤
と同量含有し、他にバルセチンを100mg含有する製剤(以下カフコデ錠「モハ
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
15.1.1 類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、血色素異常
を起こすことがあるので、長期投与を避けること。
15.1.2 腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、類似化合物(フェ
ナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5~27kg、服
用期間4~30年)していた人が多いとの報告がある。
15.1.3 非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性にお
いて、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
ン」
)を比較したとき、
その鎮咳効果に変化は認められなかった7)(モルモット)
。
カフコデ錠「モハン」とジヒドロコデインリン酸塩、dl -メチルエフェドリン
塩酸塩各単味剤及びジヒドロコデインリン酸塩とdl -メチルエフェドリン塩酸
塩配合剤それぞれとの鎮咳作用の比較により相乗効果を示すことが認められ
たとの報告がある8)(モルモット)。
18.3 気管支拡張作用
カフコデ錠「モハン」とジプロフィリン、dl -メチルエフェドリン塩酸塩及び
ジフェンヒドラミンサリチル酸塩の各単味剤との気管支拡張作用の比較によ
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