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資料1-4   アセトアミノフェンの添付文書 (43 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34324.html
出典情報 薬事・食品衛生審議会 薬事分科会 医薬品等安全対策部会 安全対策調査会(令和5年度第4回 7/25)《厚生労働省》
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9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者
投与しないこと。重篤な転帰をとるおそれがある。[2.7参照]
9.2.2 腎機能障害またはその既往歴のある患者(重篤な腎機能障害の
ある患者を除く)
腎機能が悪化するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。昏睡に陥るおそれがある。[2.6参照]
9.3.2 肝機能障害またはその既往歴のある患者(重篤な肝機能障害の
ある患者を除く)
肝機能が悪化するおそれがある。
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦(12週以内あるいは妊娠後期)または妊娠している可能性
のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場
合にのみ投与すること。サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物
試験(ラット)で催奇形性作用が、また、ヒトで、妊娠後期にアス
ピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたと
の報告がある。
9.5.2 妊娠後期の女性へのアセトアミノフェンの投与により胎児に動
脈管収縮を起こすことがある。
9.5.3 妊娠後期のラットにアセトアミノフェンを投与した実験で弱い
胎仔の動脈管収縮の報告がある。
9.5.4 分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経
過敏、不眠、振戦等)があらわれるとの報告がある。
9.5.5 外国において、分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があら
われるとの報告がある。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。
ジヒドロコデインの類似化合物
(コデイン)
で、
母乳への移行により、乳児でモルヒネ中毒(傾眠、哺乳困難、呼吸
困難等)が生じたとの報告がある。なお、CYP2D6の活性が過剰で
あることが判明している患者(Ultra-rapid Metabolizer)では、母
乳中のジヒドロモルヒネ濃度が高くなるおそれがある。ジフェンヒド
ラミンは、動物実験(ラット)で乳汁中に移行するとの報告がある。
9.7 小児等
9.7.1 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2 12歳未満の小児
投与しないこと。呼吸抑制の感受性が高い。海外において、12歳未
満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告があ
る。[2.13参照]
9.7.3 12歳以上の小児
副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重
に投与すること。また、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分
行うこと。呼吸抑制の感受性が高い。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。
一般に生理機能が低下していることが多い。

薬剤名等

臨床症状・措置方法

甲状腺製剤(レボチロキシ メチルエフェドリン塩酸塩 甲状腺ホルモンがメチルエ
ン、リオチロニン等)
による交感神経刺激作用が フェドリン塩酸塩の感受性
増強される。
を増大させると考えられて
いる。
キ サ ン チ ン 系 薬 剤( テ オ 過度の中枢神経刺激作用が 中枢神経刺激作用を増強さ
フィリン、アミノフィリン、 あらわれることがある。
せる。
コ リ ン テ オ フ ィ リ ン、 カ
フェイン等)
中枢神経興奮剤(マオウ等)

11. 副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常
が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 重大な副作用
11.1.1 ショック(頻度不明)
11.1.2 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)が
あらわれることがある。
11.1.3 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
(頻度
不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
11.1.4 顆粒球減少(頻度不明)
11.1.5 喘息発作の誘発(頻度不明)
11.1.6 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明)
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸
があらわれることがある。
11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速
やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。
異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投
与等の適切な処置を行うこと。
11.1.8 間質性腎炎(頻度不明)、急性腎障害(頻度不明)
11.1.9 呼吸抑制(頻度不明)
息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合に
は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
なお、ジヒドロコデインリン酸塩による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤
(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
*11.1.10 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫
脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の
重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイ
ルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与
中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化す
ることがあるので注意すること。
11.2 その他の副作用

機序・危険因子

カテコールアミン製剤
不整脈、場合によっては心 メチルエフェドリン塩酸塩
アドレナリン(ボスミン) 停止を起こすおそれがある と相加的に交感神経刺激作
イソプロテレノール(プロ ので併用を避けること。
用を増強させる。
タノール等)等[2.12参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
アルコール(飲酒)
[9.1.15参照]

臨床症状・措置方法

機序・危険因子

呼吸抑制、低血圧及び顕著 相加的に作用を増強させる。
な鎮静または昏睡が起こる
おそれがある。
アルコール多量常飲者がア
セトアミノフェンを服用し
たところ肝不全を起こした
との報告がある。

機序・危険因子

クマリン系抗凝血剤(ワル クマリン系抗凝血剤の作用 ジヒドロコデインリン酸塩
ファリン)
を 増 強 す る こ と が あ る の が作用を増強させるが、そ
で、減量するなど慎重に投 の作用機序は不明である。
与すること。
アセトアミノフェンが血漿
蛋白結合部位において競合
することで、その抗凝血作
用を増強させる。

10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
薬剤名等

臨床症状・措置方法

中枢神経抑制剤(フェノチ 呼吸抑制、低血圧及び顕著 相加的に作用を増強させる。
アジン誘導体、バルビツー な鎮静または昏睡が起こる
ル酸系薬剤等)
おそれがある。
クロルプロマジン、ペル
フェナジン、フェノバル
ビタール等
吸入麻酔剤(エーテル等)
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤(イミプラ
ミン塩酸塩等)
β-遮断剤(アルプレノロー
ル、プロプラノロール等)

アルコールによりアセトア
ミノフェンから肝毒性を持
つN -アセチル-p -ベンゾキ
ノンイミンへの代謝が促進
される。

頻度不明

2

過敏症

発疹、そう痒感、紅斑、発熱

精神神経系

眠気、めまい、視調節障害、発汗、倦怠感、神経過敏、頭痛、不眠、熱感、
疲労、難聴、抑うつ、知覚異常、言語障害、思考異常、運動失調

循環器

不整脈、血圧変動、動悸、顔面潮紅、顔面蒼白

消化器

悪心・嘔吐、便秘、食欲不振、口渇、下痢、腹痛、腹部膨満感