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【資料2】新型コロナウイルス感染症治療薬(ゾコーバ錠125mg)について(医薬・生活衛生局からの説明資料) (79 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32109.html
出典情報 医薬品等行政評価・監視委員会(第11回 3/23)《厚生労働省》
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り、医療・社会的観点からもその期待に大きく反することになりかねないことも考慮すべきであ
る。


有効性が示されていない状況で、本剤が承認される場合には、SARS-CoV-2 による感染症の重症
化リスク因子を有する等、治療薬の投与が必要と考えられる患者を対象とし、禁忌等に該当する
場合や供給量の関係で入手できない場合等で他の治療薬が使用できない場合に限り本剤を使用す
ることが妥当である。

機構は、以下のように考える。
緊急承認制度においては、検証的試験の成績が得られていない状況においても、探索的な臨床試験の
成績に基づき早期に有効性の評価を行うことが可能とされている。探索的な臨床試験成績に基づく有効
性の推定評価に当たっては、情報が不確実な探索段階での評価であるからこそ、検証的試験の主要評価
項目と同一の主要評価項目を設定し、その他の評価項目と含め一貫した有効性が示唆される若しくは検
証的試験の主要評価項目のサロゲートエンドポイントとして明確に位置付けられた指標で有効性が示さ
れるなど、適切に計画・実施された臨床試験において、試験の成功基準を満たす又はそれに準じた成績
が得られていることが重要であると考える。
本薬の有効性について、国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(T1221 試験)の第Ⅱa 相パート及び第Ⅱb 相パートの
成績に基づき、本薬によりウイルス量が減少する傾向が認められていることは否定しないが、申請効能・
効果に対する有効性が推定できるものとは判断できず、当該試験の第Ⅲ相パートの結果等を踏まえて改
めて検討する必要があると考える。有効性の評価は上記のとおりであるものの、専門協議における議論
も踏まえ、治療薬の安定供給などに係る医療・社会的観点から、本剤をより早期に使用可能とすること
の検討も可能と考える。ただし、現時点で得られている情報等を踏まえて本剤が承認される場合には、
国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(T1221 試験)の第Ⅲ相パートの成績等に基づき有効性を再検討し、その結果に
応じ、製造販売承認の見直しを含めた適切な対応を取る必要があると考える。

1.2

医薬品リスク管理計画(案)について

機構は、審査報告(1)における検討及び専門協議における専門委員からの意見を踏まえ、本剤が承認
される場合、現時点における本剤の医薬品リスク管理計画(案)について、通常の安全性監視活動とし
て情報を収集することに加えて、表 41 に示す安全性検討事項及び有効性に関する検討事項を設定する
こと、並びに表 42、表 43 及び表 44 に示す追加の医薬品安全性監視活動、有効性に関する調査・試験及
び追加のリスク最小化活動を実施することが適切と判断した。
表 41 医薬品リスク管理計画(案)における安全性検討事項及び有効性に関する検討事項
安全性検討事項
重要な特定されたリスク
重要な潜在的リスク
重要な不足情報
該当なし
催奇形性
中等度以上の肝機能障害患者での安全性
有効性に関する検討事項
国際共同第Ⅱ/Ⅲ相試験(T1221 試験)の第Ⅲ相パートでの有効性

73
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書

79