【資料2】新型コロナウイルス感染症治療薬(ゾコーバ錠125mg)について(医薬・生活衛生局からの説明資料) (87 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32109.html |
出典情報 | 医薬品等行政評価・監視委員会(第11回 3/23)《厚生労働省》 |
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令和 4 年 7 月 12 日
独立行政法人医薬品医療機器総合機構
[販
売
名]
ゾコーバ錠 125 mg
[一
般
名]
エンシトレルビル
[申
請
者]
塩野義製薬株式会社
[申請年月日]
フマル酸
令和 4 年 2 月 25 日
[審 査 結 果]
審査報告書確定後に、申請者より、本薬の申請用法・用量におけるミダゾラムとの臨床薬物相互作用
試験成績が新たに提出された。
1.
臨床薬理試験に関する資料及び機構における審査の概略
1.1
薬物相互作用の検討(CTD 5.3.3.1-01:T1211 試験<2021 年 7 月~2022 年 6 月>コホート T)
日本人健康成人 14 例に、本薬を申請用法・用量で投与[1 日目は本薬 375 mg を、2 日目から 5 日目は
本薬 125 mg を 1 日 1 回経口投与(以下、「375/125 mg」)]し、CYP3A の典型基質であるミダゾラム
2 mg を本薬の投与開始 2 日前及び投与開始 5 日後に単回経口投与したときのミダゾラムの PK パラメー
タが検討された。その結果、本薬非併用時に対する本薬併用時のミダゾラムの Cmax 及び AUCinf の最小二
乗幾何平均値の比(併用時/非併用時)[90%信頼区間]は、それぞれ 2.80[2.38, 3.30]及び 6.77[6.16,
7.44]であった。
1.R 本薬と CYP3A の基質薬との併用について
申請者は、以下のように説明している。
本薬の申請用法・用量(375/125 mg)におけるミダゾラムとの臨床薬物相互作用試験の結果、本薬併
用時にミダゾラムの AUCinf が非併用時の 6.77 倍に上昇し、本薬は強い CYP3A 阻害作用を示した(1.1
参照)。強い CYP3A 阻害薬の 1 つであるクラリスロマイシンとの併用によりミダゾラムの AUC 及び
Cmax がそれぞれ 6.42 倍及び 2.76 倍1)程度上昇するとの報告等を踏まえ、クラリスロマイシンの添付文書
を参考に本薬の併用禁忌及び併用注意を設定する。
機構は、以下のように考える。
クラリスロマイシンの併用禁忌及び併用注意の設定状況に加え、薬物相互作用のリスクが本薬と他の
強い CYP3A 阻害薬で明らかに異なるとは判断できないことから、他の強い CYP3A 阻害薬における併用
禁忌及び併用注意の設定状況も参考に、本薬の併用禁忌及び併用注意を設定することが適切と考える。
なお、本薬は CYP3A に対する時間依存的阻害作用を有することから(審査報告(1)4.5.1 及び 6.2.2 参
照)、本薬投与終了後に CYP3A の基質薬を投与する場合には、本薬による CYP3A 阻害作用が残存する
1)
文献報告(Clin Pharmacol Ther 2017; 101: 519-30、Clin Pharmacol Ther 2008; 83: 61-9、Br J Clin Pharmacol 2008; 65: 98-109、Drug Metab
Pharmacokinet 2021; 36: 100374、Clin Pharmacol Ther 1998; 64: 133-43 及び J Clin Pharmacol 2006; 46: 201-13)されているクラリスロマイ
シンとミダゾラム併用投与時におけるミダゾラムの AUC 上昇比(4.85 倍、5.48 倍、6.32 倍、6.50 倍、7.00 倍及び 8.39 倍)及び Cmax 上
昇比(2.17 倍、2.39 倍、2.69 倍、2.75 倍、2.77 倍及び 3.80 倍)の平均値。
1
ゾコーバ錠 125 mg_塩野義製薬株式会社_審査報告書(2)
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