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資料3 ①看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案 (12 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》
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看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の概要
6.看護学教育の質保証に向けた課題とモデル・コア・カリキュラムによる提案の方向性
6-1.2040 年を見据えた日本の看護学教育を取り巻く背景
今回の改訂においては、日本の看護を取り巻く背景として、以下の点について勘案した。
2040年には、高齢人口の増加が落ち着くが生産年齢人口の減少が加速し、総人口は減少傾向とな
ることが予測され、全世代への急性期から慢性期を含めた一体的な地域医療提供体制の構築が必要
とされている。また、新型コロナウイルス感染症、自然災害等の経験から、救急医療や地域医療におけ
る医療機関の役割分担や連携が不十分である等の課題も浮かび上がっている。
在宅医療を支えるために「看護師の特定行為研修制度」も施行されたが、研修修了者が十分に増え
ない現状がある(令和 5 年 3 月現在 6,875 名)。一方、令和 6 年 4 月からは、「良質かつ適切な医
療を効率的に提供する体制の確保を推進するための医療法等の一部を改正する法律」が施行され、
医師の時間外労働の上限規制が適用され、医療現場も大きく影響を受けている。
2040 年の医療提供体制を予測することは困難であるが、Society5.0 や医療 DX 化、遠隔診療や
ロボット活用などにより医療の質向上と効率化は進展するであろう。
教育においては、これからの看護職に求められる能力をこれらの医療の流れを予測しながら、求めら
れる能力を育成できるように、学修者本位の教育への転換、コンピテンシー基盤教育を、DX 化などを
推進しながら進める必要がある。

6-2.看護系大学カリキュラムの指針として
看護学教育モデル・コア・カリキュラム(以下「看護学教育コアカリ」という。)は、全ての看護系大学
が学士課程における看護師養成のための教育に、共通して取り組むべきコアとなる内容を抽出し、各
大学のカリキュラム構築に資するよう作成した。
まず、コンピテンシー基盤型教育に向けて、育成すべき人物像を明確にするため、看護実践能力を
資質・能力及び学修目標として示し、臨地実習前・後・卒業時点での到達度を設定した。
次に、この到達度を、学生、教員、臨地の実習指導者等が共有することにより、臨地実習における学
生ごとの課題と成果が共通理解される。この共通理解は、臨地の実習指導者と教員との協働を促進
し、臨地における教育の質を向上させる。特に、各領域実習前の学生の到達度を明示することは、実
習施設の看護管理職に学生の実習時の看護実践能力を保障するため、学生の看護実践の機会が増
すことが期待される。これらは、「参加型臨地実習」実現の基盤となるものである。
また、大学は教学マネジメントに則り、FD/SD の実施、カリキュラム・マネジメントのもと、ディプロ
マ・ポリシーごとの目標到達度を示すディプロマサプリメントの発行等がなされ、このプロセスの
PDCA サイクルを適切に回すことが求められる。コンピテンシー基盤型教育に則るこの看護学教育モ
デル・コア・カリキュラムは、 各大学の教学マネジメントプロセスをサポートするために、卒業時・臨地
実習時・臨地実習前の看護実践能力評価のための評価基準を提供するものである。

6-3.改訂の方法論
看護学教育コアカリ改訂は、一般社団法人日本看護系大学協議会(以下、「JANPU」という。)が、
文部科学省の令和 5・6年度先導的大学改革推進委託事業「看護学教育モデル・コア・カリキュラムの

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