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資料3 ①看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案 (51 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》
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の理論的枠組みと実践への適応について概説する 1)2)。
以下に示す理論は、看護学教育の実践を想定し、学修の基盤となる理論から、実践的な教育アプロ
ーチを包括した。それぞれの理論は、看護学教育における具体的な教育方法の設計や実践において重
要な役割を果たすと共に、コンピテンシー基盤型教育の枠組みにおいては、学生が明確なコンピテンシ
ーを達成することを目標とし、これらの理論を適切に組み合わせ、看護学教育に応用することで、学生
の学修効果を最大化し、看護実践能力を備えた看護師の育成を推進するものの一例である。
1)行動主義・認知主義・構成主義
行動主義は、学修を観察可能な行動の変化として捉え、学修行動後に成果や賞賛などの強化子を随
伴させて学修を促進する理論であり、認知主義は、心理的なプロセスを重視し、情報の処理、記憶、思
考、問題解決のメカニズムを捉え学修を促進する理論である。また、構成主義は、学修者が新しい知識
を既存の知識と関連付けて構築する過程を重視し、単に知識の授受ではなく意味のある経験を通じた
知識の構築を意図した学習理論である。
行動主義は観察可能な行動と強化に焦点を当て、認知主義は内部の精神的プロセスを重視し、構成
主義は学修者の能動的な知識構築に主眼が置かれている。教育実践に活用するとき、これらの理論は
教授したいコンピテンシーや、到達目標、アウトカムを念頭に適切に組み合わせることで、多様なニーズ
に応えた教育方略を検討する事が可能となる。
2)成人学習理論
成人が持つ特有の学修ニーズやプロセスを理解し、それに基づいて教育方法を設計するための枠組
みとなるものが成人学習に関する諸理論である。様々な理論が開発・検討されているが、代表的なもの
として、アンドラゴジー、変革学学習論、経験学習理論、状況学習理論などがあげられる。それぞれの理
論は成人学習者がより効果的に学習ができるという観点から、異なるアプローチが提唱されている。こ
れらの理論を組み合わせることで、成人期にある学生の多様性を鑑み、効果的で柔軟な教育プログラム
を設計することが可能となる。
3)コルブの経験学習理論
個人が経験を通じて学習するプロセスを体系化した理論となる。学習が単に知識の蓄積ではなく、経
験の積み重ねとその解釈を通じて行われるプロセスであることに着目している。この理論では、四段階
の循環モデルが採用されており、具体的経験、内省的観察、抽象的概念化、能動的実験が提唱されて
いる3)。
具体的経験においては、臨地実習やシミュレーション学修などが考えられる。内省的観察では、実習
経験を記録し、自己の行動や思考を振り返ることや、ディスカッション・カンファレンスなどが考えられる。
抽象的概念化では、経験を理論的枠組みで整理し、看護理論やエビデンスを学ぶことが考えられる。能
動的実験では、ロールプレイやケアプラン作成や健康教育プログラムの開発などのプロジェクトに取り組
むような学修方法が考えられる。
4)ガニェの学習条件
ガニェは、学習がどのように進行するかを説明するための9つの教授事象を提唱している。これらの

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