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資料3 ①看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案 (15 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》
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一般化しているとは言い難い。このように、今後も、用語の見直しは継続して行っていく必要がある。
8-2.本モデル・コア・カリキュラムで示す到達度
コンピテンシー基盤型教育を実現するためには、看護学基礎教育から始まり、卒業後に病院等にお
いて看護師として成長する段階までをシームレスに捉えることが重要であり、看護師が身に付けるべ
きコンピテンシーを到達点として明示することが、まずは必要である。そして、身についたかどうかを確
認する時期の設定、そのアウトカムとしての評価基準を明示して、評価することで可視化する必要があ
る。
従って、本看護学教育コアカリにおいては、卒業時点である新人看護師の到達度を見据えたシーム
レスな到達度を設定し、新人看護師の到達度をゴールとした複数時点かつ継続的・段階的に学修成果
と実践能力を評価するために、「資質・能力案」に対する「到達度案」の作成が必要である。Frank は、
コンピテンシー基盤型教育の実施プロセスを、①卒業生に必要な能力(コンピテンス領域)の同定、②
コンピテンシーやその要素の明確な定義、③進度に従ったマイルストーン(milestone:コンピテンスが
成長する際の節目に当たる時期に、どのレベルにいるかを示す明確な記述)の設定、④教育活動、経
験、指導方法の選定、⑤マイルストーンを測定する評価手法の選定、⑥アウトカムが達成できたかのプ
ログラム評価、の6段階に分けている1)。
アウトカムの設定は、看護実践能力獲得に直結する臨地実習での学生による看護実践の質を保証
し、看護実践の機会確保にもつながる。臨地実習は看護職としての実践を経験する機会であり、将来
看護職になるための非常に有効な学修方法である。そのためには、各学生について、知識・スキル、態
度・価値観及び思考・判断・表現力を統合したパフォーマンス・レベルでの保証が必要である。臨地実
習で看護実践が許可されるパフォーマンス・レベルの達成水準が明示され、各学生が実習前時点で到
達しているか、同様に臨地実習時点、実習終了時点や卒業時点で確認する必要がある。その上で、臨
地実習前時点においてこれらの到達が十分であれば、対象への看護の実践は保証される。
本看護学教育コアカリにおいては、到達度を①卒業時点でどのような資質・能力がどの程度求めら
れるか(到達度)、卒業時点で看護職の資質・能力を育成するためには②各専門領域の臨地実習時点
では、どのような指導の下、どのような実践の到達を求めるか、臨地実習で実践するためには③各専
門領域の臨地実習前時点では学内の講義・演習でどのような能力の獲得がどの程度求められるか、
の 3 時点で設定した。
臨地実習前・後の時点での到達度は、Miller のピラミッド2)で表現した。Miller のピラミッドとは、
Miller が医学教育において評価する能力を説明するために用い
たピラミッド型の図(右図参照)であり、下から順に、
①Knows(Knowledge)、 ②Knows
How(Competence)、 ③Shows How(Performance)、
④Does(Action)の4層に分かれる。
4層はそれぞれ、①専門的機能を効果的に遂行するために必
要な知識を持っていること、②蓄積した知識の使い方を知ってお
り、情報の入手・分析・活用方法を考えられること、③主に人工的
な試験の場において自らが持つ知識や方法を実際に活用できる
こと、④臨床現場において自立して機能し専門家としての行動が
取れること、を意味する2)3)。
本看護学教育コアカリでは、各層に対応する資質・能力を、①

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