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資料3 ①看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案 (3 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》
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看護学教育モデル・コア・カリキュラムの考え方

1.看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の背景
1-1.保健師助産師看護師学校養成所指定規則による質保証
1949 年に公布された保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下、「指定規則」という。)は、
看護師学校養成所の指定基準の一つとして教育内容を規定してきた。1951 年に大幅改正され現在
の原型となり、この後5回のカリキュラム改正を経て現在に至る。指定規則には教育内容と単位数が示
され、コンテンツ基盤型教育として看護学教育の質保証に貢献してきたと言える。
日本では、大学における看護学教育は、1952 年(昭和 27 年)に始まり、米国の看護学教育に影響
を受け、看護学生の思考過程について充実した教育理念が掲げられるようになった。カリキュラム編成
については、看護学基礎教育カリキュラムの枠組みとして、①フィロソフィー、②教育目的・目標、③教
育課程、④教育の基本方針が示された 1)。しかし、看護系大学ではその多くが指定規則に則った科目
と単位数を踏まえた教育内容(コンテンツ)を示しているとの指摘がある 2)。

1-2.看護学教育に求められる 2040 年に向けた人材育成像
2008 年(平成 20 年)に中央教育審議会(以下、「中教審」という。)は「学士課程教育の構築に向
けて(審議まとめ)」3)を答申し、国際的通用性を備えた人材を育成する必要性、質の高い教育を行う
ことの重要性が示され、学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受け入れの方針の明確
化、分野別コア・カリキュラム作成の促進が提言された。
これを受け、日本学術会議は、2017 年(平成 29 年)に「大学教育の分野別質保証のための教育
課程編成上の参照基準:看護学分野」を報告した 4)。看護学を「自然科学と人間科学の双方の要素を
持ち、健康に関連して人々が示す反応の意味を探索し、人々の生活を基盤として健康の維持増進、疾
病予防、疾病回復への専門的援助を探究する学問である。」と定義し、人間、健康をとらえる支援、援
助を通して関わりを持ちながら相手への理解を進めるという固有のアプローチ方法を有すること、学
問と職業が密接に結びついていること等の看護学固有の特性が提示された。
2018 年(平成 30 年)に中教審は「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン」を答申した 5)。
2040 年に向けた社会変化の視点として、持続可能な開発のための目標(SDGs)、Society5.0、第
4 次産業革命、人生 100 年時代、グローバル化、地方創生を掲げ、予測不可能な時代を生きる人材
像が求められた。具体的には、普遍的な知識・理解と汎用的技能を文理横断的に身につけ、時代の変
化に合わせて積極的に社会を支え、論理的思考力を持って社会を改善していく資質を有する人材像
である。
2020 年(令和 2 年)からの新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックはまさに、予測不可能
な時代の到来であり、感染予防対策と教育の質保証の両立のためにオンライン授業の整備等、大学教
育に大きな影響を及ぼした。採用と大学教育の未来に関する産学協議会は、2020 年度(令和 2 年
度)報告書として「ポスト・コロナを見据えた新たな大学教育と産学連携の推進」を示し 6)、ハイブリッド
型教育を前提に DX(Digital Transformation)でより多彩で効果的な学修機会を創出・提供すべ
きであることを指摘した。
2021 年(令和 3 年)に策定された第 6 期科学技術・イノベーション基本計画 7)においても、自ら課
題を発見し解決手法を模索する、探究的な活動を通じて身に付く能力・資質が重要となること、世界に

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