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資料3 ①看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案 (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》 |
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専門職としての能力を発揮するために必要な知識、②収集した情報を分析・解釈して臨床に応用する
能力、③模擬的な環境を含めて行動として示す能力、④臨床の場面で実践する能力、とそれぞれ定義
した。
一方、指導体制(教員または実習施設のスタッフ)は、学生の看護実践能力に関する情報を得て、そ
れに応じた対象者の業務を一部任せるなどの視点4)から、①看護師など(施設)の直接の監督下でで
きる、②教員などの直接の監督下でできる、③看護師などがすぐに対応できる状況下でできる、④見
学する、⑤経験なしという指導体制と委託の程度の 5 段階で表現した。
課題として、領域別実習前という時点設定が各大学間で異なる可能性、研究に関しては、各大学で
の学修方法や到達度の相違が予測された。本看護学教育コアカリでは、研究の到達度を「指導を受け
て、研究のプロセスが実施できる」とした。これらは、各大学での到達度設定が分かれるところである。
8-3.2040 年へ向けた健康レベル、提供の場に関する考え方の変化への対応
資質・能力について、2040年の医療を想定しきれないこともあり、調査へ回答者の活動の場や対
象とする患者・利用者などの特性による言語データが抽出され、それらは臨床看護師に求められる実
態を反映しているものとなった。同時に、資質・能力の網羅性とスリム化のバランスを取ることに難渋し
た。
特に、健康レベルについては、有識者より網羅性に対する意見もあり、急性期、慢性期、回復期や緩
和ケア期などの示し方のみでは網羅できない現状があった。よって、本改訂では、健康レベルを「各期
(急性期・周術期・緩和ケアを必要とする時期・回復期・リハビリテーション期・慢性期・重症化予防を必
要とする時期)」としたが、これはあくまで暫定的なものであり、2040 年に向けて、医療・介護・福祉等
の現状を踏まえ、見直しを必要とすると考える。
また、看護提供の場についても、①どこまで網羅するか、②医療機関における看護と在宅領域にお
ける看護は異なる資質・能力として示す必要があるのかという点も模索してきた。今回の看護学教育
コアカリ改訂においては、基本方針に鑑み、本質的に簡素に求められる能力として網羅し、体系化する
ことに尽力した。看護提供の場は、今後更に多様化し拡大することが予測されるため、それにより求め
られる資質・能力も変化すると考えられる。
今回のモデル・コア・カリキュラムは、従来求められている看護師教育の内容よりも充実した内容で
ある。高度な看護実践の基盤となる幅広い知識を獲得できるよう、継続教育として行われている特定
行為研修の学修内容の基盤部分の一部が含まれ、生涯教育にも資する内容となっている。
各大学のカリキュラムがモデル・コア・カリキュラムに準拠しており、従来の看護師教育より充実した
教育内容であると客観的に評価される場合、特定行為指定研修機関がそのような大学教育の内容を
特定行為研修における共通科目の一部として認定されるよう検討がなされることが望ましい。いずれ
にせよ、客観的な評価の在り方については国が関係機関と連携して検討していく必要がある。
さらに、本改訂は現状の法的・制度的根拠のもとで行われる。今後、関連法や制度改正に沿って、あ
るいは、一定の期間で資質・能力や教育内容の見直しをすることが必要である。
【引用文献】
1)
Frank, J. R., Mungroo, R., Ahmad, Y., Wang, M., De Rossi, S., & Horsley, T. (2010).
Toward a definition of competency-based education in medicine: a systematic review of
published definitions. Medical teacher, 32(8), 631-637.
2)
Miller, G. E. (1990). The assessment of clinical skills/competence/performance.
Academic medicine, 65(9), S63-7. https://doi.org/10.1097/00001888-199009000-00045
3)
大西弘高. (2017). 学習者評価とコンピテンシー基盤型教育. 医療職の能力開発, 4, 21-28.
4)
Ten Cate, O., Chen, H. C., Hoff, R. G., Peters, H., Bok, H., & van der Schaaf, M. (2015).
Curriculum development for the workplace using entrustable professional activities
(EPAs): AMEE guide no. 99. Medical teacher, 37(11), 983-1002.
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能力、③模擬的な環境を含めて行動として示す能力、④臨床の場面で実践する能力、とそれぞれ定義
した。
一方、指導体制(教員または実習施設のスタッフ)は、学生の看護実践能力に関する情報を得て、そ
れに応じた対象者の業務を一部任せるなどの視点4)から、①看護師など(施設)の直接の監督下でで
きる、②教員などの直接の監督下でできる、③看護師などがすぐに対応できる状況下でできる、④見
学する、⑤経験なしという指導体制と委託の程度の 5 段階で表現した。
課題として、領域別実習前という時点設定が各大学間で異なる可能性、研究に関しては、各大学で
の学修方法や到達度の相違が予測された。本看護学教育コアカリでは、研究の到達度を「指導を受け
て、研究のプロセスが実施できる」とした。これらは、各大学での到達度設定が分かれるところである。
8-3.2040 年へ向けた健康レベル、提供の場に関する考え方の変化への対応
資質・能力について、2040年の医療を想定しきれないこともあり、調査へ回答者の活動の場や対
象とする患者・利用者などの特性による言語データが抽出され、それらは臨床看護師に求められる実
態を反映しているものとなった。同時に、資質・能力の網羅性とスリム化のバランスを取ることに難渋し
た。
特に、健康レベルについては、有識者より網羅性に対する意見もあり、急性期、慢性期、回復期や緩
和ケア期などの示し方のみでは網羅できない現状があった。よって、本改訂では、健康レベルを「各期
(急性期・周術期・緩和ケアを必要とする時期・回復期・リハビリテーション期・慢性期・重症化予防を必
要とする時期)」としたが、これはあくまで暫定的なものであり、2040 年に向けて、医療・介護・福祉等
の現状を踏まえ、見直しを必要とすると考える。
また、看護提供の場についても、①どこまで網羅するか、②医療機関における看護と在宅領域にお
ける看護は異なる資質・能力として示す必要があるのかという点も模索してきた。今回の看護学教育
コアカリ改訂においては、基本方針に鑑み、本質的に簡素に求められる能力として網羅し、体系化する
ことに尽力した。看護提供の場は、今後更に多様化し拡大することが予測されるため、それにより求め
られる資質・能力も変化すると考えられる。
今回のモデル・コア・カリキュラムは、従来求められている看護師教育の内容よりも充実した内容で
ある。高度な看護実践の基盤となる幅広い知識を獲得できるよう、継続教育として行われている特定
行為研修の学修内容の基盤部分の一部が含まれ、生涯教育にも資する内容となっている。
各大学のカリキュラムがモデル・コア・カリキュラムに準拠しており、従来の看護師教育より充実した
教育内容であると客観的に評価される場合、特定行為指定研修機関がそのような大学教育の内容を
特定行為研修における共通科目の一部として認定されるよう検討がなされることが望ましい。いずれ
にせよ、客観的な評価の在り方については国が関係機関と連携して検討していく必要がある。
さらに、本改訂は現状の法的・制度的根拠のもとで行われる。今後、関連法や制度改正に沿って、あ
るいは、一定の期間で資質・能力や教育内容の見直しをすることが必要である。
【引用文献】
1)
Frank, J. R., Mungroo, R., Ahmad, Y., Wang, M., De Rossi, S., & Horsley, T. (2010).
Toward a definition of competency-based education in medicine: a systematic review of
published definitions. Medical teacher, 32(8), 631-637.
2)
Miller, G. E. (1990). The assessment of clinical skills/competence/performance.
Academic medicine, 65(9), S63-7. https://doi.org/10.1097/00001888-199009000-00045
3)
大西弘高. (2017). 学習者評価とコンピテンシー基盤型教育. 医療職の能力開発, 4, 21-28.
4)
Ten Cate, O., Chen, H. C., Hoff, R. G., Peters, H., Bok, H., & van der Schaaf, M. (2015).
Curriculum development for the workplace using entrustable professional activities
(EPAs): AMEE guide no. 99. Medical teacher, 37(11), 983-1002.
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