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資料3 ①看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案 (36 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》
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ム改訂案の資質・能力のみならず、アウトカムとしての学修成果の到達度を基盤とし、各大学にて評価
基準・評価項目の設定に基づくパフォーマンス・レベルでの達成水準の明示、学修成果を何で測定す
るのかという測定ツールの検討、コンピテンシーとアウトカムと測定ツールの一貫性の担保、信頼性と
妥当性の検証、臨地実習におけるアウトカムの設定とその評価、測定方法の明確化に取り組み、カリキ
ュラム評価を実施することを期待する。
【引用文献】
1)
田川まさみ. (2013). コンピテンス, コンピテンシーの歴史, 概念, 理論. 田邊政裕 (編). アウトカム基盤型教
育の理論と実践, 39-58. 篠原出版新社.
2)
Pijl-Zieber EM, Barton S, Konkin J, Awosoga O, Caine V. (2014). Competence and
competency-based nursing education: finding our way through the issues. Nurse Educ
Today, 34(5), 676-678.
3)
American Association of Colleges of Nursing (2023). Guiding Principles for
Competency-based Education and Assessment.
https://www.aacnnursing.org/Portals/0/PDFs/Essentials/Guiding-Principles-for-コンピテン
シー基盤型教育-Assessment.pdf.(検索日 2024 年 5 月 20 日)
4)
American Association of College of Nursing. (2023). Fact Sheet; The Impact of
Education on Nursing Practice. https://www.aacnnursing.org/Portals/0/PDFs/FactSheets/Education-Impact-Fact-Sheet.pdf. (検索日 2024 年 5 月 20 日)
5)
Luo, Y., Geng, C., Chen, X., Zhang Y., Zou Z., Bai J. (2021). Three learning modalities'
impact on clinical judgment. and perceptions in newly graduated registered nurses: A
quasi-experimental study. Nursing & Health Sciences. 23(2), 538-546. doi:
10.1111/nhs.12842
6)
Smiley R. A., Allgeyer R. L., Shobo Y., Lyons K. C., Letourneau R., Zhong E., …,
Alexander M. (2023). The 2022 National nursing workforce survey. Journal of nursing
regulation, 14(1), supplement 2, S1-S90. doi: 10.1016/S2155-8256(23)00047-9
7)
Lapkin, S., Levett-Jones, T., Bellchambers, H., Fernandez R. (2010). Effectiveness of
patient simulation manikins in teaching clinical reasoning skills to undergraduate nursing
students: A systematic review. Clinical simulation nursing, 6(6), e207-e222. doi:
10.1016/j.ecns.2010.05.005

********【臨地実習における指導体制と委託の程度に関する補足説明】******
【看護学生に許容される看護行為の範囲の例示】
看護学生に許容される基本的な看護行為については、すでに 2003 年(平成 15 年)3 月厚生労働
省の「看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書」1)に示されているため、十分
違法性が阻却されると言える。一方で、報告書の周知が十分ではなかったこともあり、教育現場では
学生が実習で行う看護行為が違法になるのではないかという心配もある。実習における看護技術の
経験に関する実態調査の結果からも、診療の補助よりも療養上の世話に関する実施率の方が高く、難
易度が高くなるにつれ実施率は低くなる傾向にある 2)3)ことが示され、このことを裏付けている。このよ
うな現状も踏まえた上で、「看護師養成の観点から臨地実習中に実施が開始されるべき看護行為(必
須項目)」と「看護師養成の観点から臨地実習中に実施が開始されることが望ましい看護行為(推奨項
目)」などについて EPA の考え方を明確にし、整理する必要があった。医学生が行う医行為について
も、門田レポートにおいて許容される考えは述べられている 4)。なお、これらの分類・例示に挙げられて
いない看護行為であっても、難易度や各大学・実習施設で教育上の必要性を考慮して、臨地実習で
経験することは許容されて良いと考える。
将来的に、より実質的に参加型臨地実習を行うために、看護学教育においても、実施可能な看護行
為について、CBT や OSCE による共用試験を実習や国家試験の前提条件として設定し、行政文書
として発出あるいは法令化を検討することも考えられる。
【学生・教員・実習指導者の共通認識、責任の所在の明確化】
臨地実習における看護学生による看護行為の実施は、実習指導者又は教員の指導・監視が必須の
条件である。現在は、各大学の運用指針に基づき、看護学生の知識、スキルや患者の状態などを勘案
して、実習指導者又は教員が各看護学生に対し最終的に看護行為実施の許可を与えるようにする。な
お、各大学の運用指針については、省庁・組織・患者・学生とも共有すべきであると考える。評価基準
に基づき、学生が臨地実習の中で看護行為を習得できるように、教員、実習指導者間で連携を図るこ
とが必要である。

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