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資料3 ①看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案 (37 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00003.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第3回 6/20)《文部科学省》
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看護行為の習得に向けて各教育機関と実習施設と学生がどれだけ共通認識をもってできている
か、それを阻害する要因を明らかにする必要がある。課題として、学生の臨床実践能力を評価する仕
組みが学生や教育機関に任せられ、実習前後の評価が実習施設に対して保証されていないこと、臨
床実践能力評価を保証する公的化(共用試験)の仕組みがないこと、各実習施設における安全配慮義
務違反・契約違反に該当するような看護実践が不明瞭であること、EPA の考え方や根拠が乏しいこ
と、EPA を支援・保証・促進するような参加型臨地実習に関する通知あるいは告示への記述が不足し
ていること、及びガイドラインの保証制度がないこと、EPA に対する患者や家族、地域、組織などの対
象者の共通認識がない、あるいは統一されていないこと、EPA に関する対象者への説明となる実習
要項・同意書・説明書などが統一されていないこと、及び広く周知されていないことなどが挙げられた。
特に、EPA に対する共通認識や、安全配慮義務違反や契約違反に対する責任の所在、責任の所在
を明確化するガイドラインや通知、これらに対する学生、実習施設の看護管理者・指導者・担当看護
師・他職種、各教育機関の教員との共通理解とその方法が不明瞭であることの影響は大きい。保証制
度の仕組みとしては、参加型臨地実習のための制度なども含めた社会への説明責任をどのように果た
すかを検討することも必要であろう。
今回の看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案の到達度ならびに指導体制と委託の程度が、看
護学士課程の教育機関の教職員だけでなく、関連団体や学生、看護の対象や臨地実習施設にも啓蒙
され、普及され、活用されることで、これまでの課題を解決するための資料となることを期待する。
【引用文献】
1)
厚生労働省医政局看護課. (2003). 看護基礎教育における技術教育のあり方に関する検討会報告書.
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/03/s0317-4.html(検索日 2023 年 11 月 18 日)
2)
荻原麻紀, 齋藤貴子, 谷地和加子, 柏木ゆきえ, 磯富美子, 宮堀真澄. (2016). A 大学成人看護学実習にお
ける看護技術経験の実際 パイロットスタディとの比較. 日本赤十字秋田短期大学紀要, 20, 25-34.
3)
山之井麻衣, 松本佳子, 高野真由美. (2010). 老年看護学実習における看護技術体験の現状と実践力強化を
目指した技術教育について. 川崎市立看護短期大学紀要, 15(1), 95-102.
4)
厚生労働省. (2018).医学部の臨床実習において実施可能な医行為の研究報告書.
https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000341168.pdf(検索日 2023 年 11 月 18 日)

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⑤「資質・能力」「学修目標」「卒業時点・各領域実習前時点の到達度」「臨地実習時点の指導体
制と委託の程度」「ブループリント」「教育内容」の考え方
前述したとおり、モデル・コア・カリキュラムは、各大学が策定する「カリキュラム」のうち、全大学で共
通して取り組むべき 「コア」の部分を抽出し、「モデル」として体系的に整理したものである。このため、
看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案の第1階層 11 の資質・能力、第2階層の 72 の学修目
標、第4階層の 764 の資質・能力は、各大学における学修時間数の 3 分の 2 程度を目安にモデル・
コア・カリキュラムを踏まえたものとし、残りの 3 分の 1 程度の内容は、各大学の入学者受入れの方
針、教育課程編成・実施の方針、卒業認定・学位授与の方針等に基づき、大学が自主的・自律的に編
成するものとする。
表面上の数としてはこれまでの看護学教育モデル・コア・カリキュラムよりも多く見えるが、今回の看
護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案では、2040 年の社会を見据えた、看護系人材として求め
られる資質・能力を示しているものである。学ぶべき知識を系統的に整理した内容(コンテンツ)で示さ
れたこれまでのコンテンツ基盤型教育と今回の資質・能力を融合し、コンピテンシー基盤型カリキュラ
ムを作成する必要がある。実際に融合し、コンピテンシー基盤型カリキュラムの作成を試みると 1 科目
で複数コンピテンシーを身につけられるよう編成でき、1 つの実践には複数のコンピテンシーが含まれ
ているため、過密化が促進されてはいないことが分かる。(P57:参考:コンピテンシー基盤型カリキュ
ラムにおける科目・単元への看護学教育モデル・コア・カリキュラムの活用)
また、看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案を各大学のカリキュラムの3分の2に当てはめる
ことで、各大学の独自性や強みがより強調される。そのため、今回の改訂案が各大学の独自性を制限

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