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資料2-2 MID-NET・NDB の行政利活用の調査実施状況について[3.8MB] (37 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44308.html |
出典情報 | 薬事審議会 医薬品等安全対策部会(令和6年度第2回 10/24)《厚生労働省》 |
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ケース及びコントロールにおける患者背景については、高血圧(ケース:62.55%、コン
トロール:55.21%、以下同順)、糖尿病(21.26%、14.15%)、不整脈(14.48%、10.11%)、
心不全(34.96%、28.42%)及び慢性腎臓病の既往(7.64%、4.72%)並びに抗血小板薬
(32.61%、22.64%)及び抗凝固薬(11.95%、7.50%)の処方の分布において、標準化差
が 0.1 を超える差異がみられた。
◼
NSAIDs の使用時期と心血管系イベント発現の関連性(曝露区分 1)
NSAIDs の使用時期と心血管系イベント発現の関連性を評価した結果は別紙図 1 のとお
りである。Nonuse に対する各曝露区分の調整オッズ比の統合値(95%信頼区間)は、
Current use で 1.41(1.36-1.46)、Recent use で 1.00(0.96-1.04)、Past use で 0.96(0.911.01)であった。Current use において、調整オッズ比が最も高かった NSAIDs はアスピ
リンの 20.47(19.79-21.18)であり、オキサプロジン及びフルルビプロフェン以外の
NSAIDs においては、
調整オッズ比の点推定値は 1.00 を上回っていた。また、
複数 NSAIDs
の調整オッズ比は 2.63(2.57-2.69)であった。なお、アスピリン及び複数 NSAIDs を除
いた場合における Nonuse に対する Current use の調整オッズ比の統合値は 1.24(1.191.28)であった。
曝露区分 1 の判定に用いる NSAIDs について、Index date 前日までの期間に処方継続期
間の開始日を有する NSAIDs に限定した上で、Index date に最も近い処方継続期間の終
了日を有する NSAIDs に注目して同様の解析を実施した結果は、別紙図 2 のとおりであ
る。Nonuse に対する Current use の調整オッズ比の統合値(95%信頼区間)は 1.20(1.161.25)であった。Current use において、アスピリンの調整オッズ比は 1.22(1.13-1.33)、
複数 NSAIDs の調整オッズ比は 1.61(1.57-1.66)であり、Index date 当日までの期間に処
方継続期間の開始日を有する NSAIDs を含めた場合と比較し、大きく減少した。
◼
NSAIDs の処方継続期間の日数と心血管系イベント発現の関連性(曝露区分 2)
NSAIDs の処方継続期間の日数と心血管系イベント発現の関連性を評価した結果は、別紙
図 3 のとおりである。Nonuse に対する各曝露区分の調整オッズ比の統合値(95%信頼区間)
は、Short use で 1.50(1.43-1.58)、Medium use で 1.15(1.01-1.31)、Long use で 1.10(0.961.25)であった。
◼
結果を踏まえた考察
NSAIDs の使用時期と心血管系イベント発現の関連性を評価した結果、Nonuse と比較し
て Current use にて、NSAIDs(アスピリンを除く)による心血管系イベント発現のリスク
増加傾向が認められた。なお、オキサプロジン及びフルルビプロフェンでは Current use
の調整オッズ比の点推定値は 1.00 を下回っていたものの、ケース数がそれぞれ 48 例及
び 79 例と限られており、本調査の結果から心血管系イベント発現のリスクが低いと判
断することは困難であった。
アスピリンについては、Current use にて高い調整オッズ比が認められたものの、
Index date
前日までの期間に処方継続期間の開始日を有する NSAIDs に限定することで調整オッズ
比が大きく低下した。これより、Current use にて高い調整オッズ比が認められた理由は、
心血管系イベント発現の処置として処方されたアスピリンが解析対象(薬効小分類 114)
に含まれていたことと推察された。なお、Index date 前日までの期間に処方継続期間の開
始日を有する NSAIDs に限定した場合においてもアスピリンの調整オッズ比は 1.00 を上
回っていたが、心血管系イベント発現リスクが高い患者に対して、アスピリンが予防的
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ケース及びコントロールにおける患者背景については、高血圧(ケース:62.55%、コン
トロール:55.21%、以下同順)、糖尿病(21.26%、14.15%)、不整脈(14.48%、10.11%)、
心不全(34.96%、28.42%)及び慢性腎臓病の既往(7.64%、4.72%)並びに抗血小板薬
(32.61%、22.64%)及び抗凝固薬(11.95%、7.50%)の処方の分布において、標準化差
が 0.1 を超える差異がみられた。
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NSAIDs の使用時期と心血管系イベント発現の関連性(曝露区分 1)
NSAIDs の使用時期と心血管系イベント発現の関連性を評価した結果は別紙図 1 のとお
りである。Nonuse に対する各曝露区分の調整オッズ比の統合値(95%信頼区間)は、
Current use で 1.41(1.36-1.46)、Recent use で 1.00(0.96-1.04)、Past use で 0.96(0.911.01)であった。Current use において、調整オッズ比が最も高かった NSAIDs はアスピ
リンの 20.47(19.79-21.18)であり、オキサプロジン及びフルルビプロフェン以外の
NSAIDs においては、
調整オッズ比の点推定値は 1.00 を上回っていた。また、
複数 NSAIDs
の調整オッズ比は 2.63(2.57-2.69)であった。なお、アスピリン及び複数 NSAIDs を除
いた場合における Nonuse に対する Current use の調整オッズ比の統合値は 1.24(1.191.28)であった。
曝露区分 1 の判定に用いる NSAIDs について、Index date 前日までの期間に処方継続期
間の開始日を有する NSAIDs に限定した上で、Index date に最も近い処方継続期間の終
了日を有する NSAIDs に注目して同様の解析を実施した結果は、別紙図 2 のとおりであ
る。Nonuse に対する Current use の調整オッズ比の統合値(95%信頼区間)は 1.20(1.161.25)であった。Current use において、アスピリンの調整オッズ比は 1.22(1.13-1.33)、
複数 NSAIDs の調整オッズ比は 1.61(1.57-1.66)であり、Index date 当日までの期間に処
方継続期間の開始日を有する NSAIDs を含めた場合と比較し、大きく減少した。
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NSAIDs の処方継続期間の日数と心血管系イベント発現の関連性(曝露区分 2)
NSAIDs の処方継続期間の日数と心血管系イベント発現の関連性を評価した結果は、別紙
図 3 のとおりである。Nonuse に対する各曝露区分の調整オッズ比の統合値(95%信頼区間)
は、Short use で 1.50(1.43-1.58)、Medium use で 1.15(1.01-1.31)、Long use で 1.10(0.961.25)であった。
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結果を踏まえた考察
NSAIDs の使用時期と心血管系イベント発現の関連性を評価した結果、Nonuse と比較し
て Current use にて、NSAIDs(アスピリンを除く)による心血管系イベント発現のリスク
増加傾向が認められた。なお、オキサプロジン及びフルルビプロフェンでは Current use
の調整オッズ比の点推定値は 1.00 を下回っていたものの、ケース数がそれぞれ 48 例及
び 79 例と限られており、本調査の結果から心血管系イベント発現のリスクが低いと判
断することは困難であった。
アスピリンについては、Current use にて高い調整オッズ比が認められたものの、
Index date
前日までの期間に処方継続期間の開始日を有する NSAIDs に限定することで調整オッズ
比が大きく低下した。これより、Current use にて高い調整オッズ比が認められた理由は、
心血管系イベント発現の処置として処方されたアスピリンが解析対象(薬効小分類 114)
に含まれていたことと推察された。なお、Index date 前日までの期間に処方継続期間の開
始日を有する NSAIDs に限定した場合においてもアスピリンの調整オッズ比は 1.00 を上
回っていたが、心血管系イベント発現リスクが高い患者に対して、アスピリンが予防的
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