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父親支援マニュアル (13 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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第1章

父親支援に必要な基本事項

子どもを育てる責務の所在に「父」を明確に位置

父親を支える制度と法律

付けている。

近年、子育てを取り巻く環境の変化に合わせて、

第二条

様々な法律が成立・改正されている。これらは特

子ども・子育て支援は、父母その他の保護

者が子育てについての第一義的責任を有するという

に父親のみに特化したものではないが、父親を子

基本的認識の下に、家庭、学校、地域、職域その

育ての主体として捉える流れがある。同時に、父

他の社会のあらゆる分野における全ての構成員が、
各々の役割を果たすとともに、相互に協力して行わ

親を支援の対象とする新しい記載も見られる。具

れなければならない。

体的に父親の育児支援に関係する、法律を取り上
げる。

3

1

成育基本法

2018年に成立。
「成育過程にある者及びその保

児童福祉法

戦後すぐ1947年に成立し、全ての児童の健全

護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切

な育成を目指し制定された法律であり、子ども

れ目なく提供するための施策の総合的な推進に

の福祉の根幹をなすものである。2016年の改訂

関する法律」(「成育基本法」は略称)。この法律推

において、基本理念を定めた 2 条の②に、
「子育

進のために作成された「成育医療等の提供に関す

ての第一義的責任が保護者にある」と規定された。

る施策の総合的な推進に関する基本的な方針」の

もちろんこの保護者には父親も含まれる。子育て

「I 成育医療等の提供に関する施策の推進に関す

支援が大きく拡充する社会において、子どもを育

る基本的方向 1 成育医療等の現状と課題」にお

てる責任の所在は父親も含めた保護者にあると明

いて、以下の項目が作られている。

記した。
第二条

[ 父親の孤独 ]

全て国民は、児童が良好な環境において生

「母親を支えるという役割が期待される父親についても、

まれ、かつ、社会のあらゆる分野において、児童の

支援される立場にあり、父親も含めて出産や育児に関す

年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、

る相談支援の対象とするなど、父親の孤立を防ぐ対策を

その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健

講ずることが急務である。


やかに育成されるよう努めなければならない。


父親が母親を支える者と位置付けられる一方

児童の保護者は、児童を心身ともに健やかに育

で、支援される立場であるとも明記されている。

成することについて第一義的責任を負う。

特に父親の孤立という文脈で社会的な状況を捉

2

えており、これまでの父親に対する社会的な認識

子ども・子育て支援法

2012年に成立した法律であり、我が国の少子

を大きく改めている所が特徴的である。

化に対応するための子育て支援の根幹をなすもの
である。その理念を示す 2 条において、子育て
の第一義的責任を「父母その他の保護者」とする。
児童福祉法が責任の所在を「保護者」としている
のに対して、より具体的に「父母」と明記してい
る。社会全体の少子化対策の進展の中においても、

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