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父親支援マニュアル (53 ページ)
出典
公開元URL | https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf |
出典情報 | 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》 |
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第5章
具体的な支援策と実践例
自治体における
父親支援の具体的な
始め方とアプローチ方法
父親へのニーズ調査
父親支援の新規事業と支援ニーズ
現 在、父 親 を 主 な 対 象 と し た 父 親 支 援 事 業
新 規 事 業 を 検 討 す る 際 に、父 親 の 支 援 ニ ー
は、その必要性が理解されつつも全国的に進ん
ズの調査を行うことも一つの手段である。ニー
で い な い 。そ の 理 由 と し て 最 も 多 か っ た の は
ズには顕在化しているものもあるが潜在的な
「 ニ ー ズ が 不 明(50.5%)」で あ っ た 。父 親 支 援 の
ニーズも多く、それをいかに把握できるかが重
新規事業を既に打ち出してきた自治体におい
要である。
*1
*2
ても、講座形式や交流会形式の支援では集客に
本研究班でも父親の支援ニーズを捉えるた
苦労する事が多いことや、日常業務で父親に接
め に、母 子 健 康 手 帳 交 付 時、な ら び に 乳 幼 児 健
する機会が少ないために、父親の支援ニーズの
康診査時に父親を対象にアンケート調査を実
把 握 が 難 し い こ と が 指 摘 さ れ て い る。実 際、父
施したので、例として示す。
親 支 援 を 実 施 し て い た 自 治 体 が、
「父親を上手
アンケート調査に先立ち、インタビュー調査
く集められずに、少人数へのアプローチしかで
を行ったが、ソフト面におけるニーズを「何か
き な い 」な ど の 理 由 か ら、父 親 支 援 を 取 り や め
困っている事はありませんか?」、
「 何か支援し
る例もある。
て ほ し い 事 は あ り ま せ ん か?」な ど と、直 接 的
第 3 章 の「2 事 業 構 築 の プ ロ セ ス 」の「 実 施
に聞いてもあまり明確な回答は得られなかっ
すべき取り組みを探る」❶住民のニーズや社会
た。自 治 体 に 行 っ て ほ し い 支 援 を 尋 ね る と、顕
的背景、生活状況などの整理(27 ページ)に記載
在 化 し た ニ ー ズ と し て、金 銭 的 な 支 援 や、育 児
さ れ て い る よ う に、ま ず は、父 親 の 支 援 ニ ー ズ
休 業 な ど の 制 度 上 の 支 援 に 関 す る 回 答 が 多 く、
と、そ れ を 取 り 巻 く 情 報 を 収 集・整 理 す る 必 要
そのほかの記述はほとんどなかった 。
がある。その上で、誰に対し、いつどのタイミン
「 困 っ て い る こ と 」に は 明 確 な 回 答 の な い 父
グで、どういう支援を行うべきかをニーズに合
親たちも、
「 モヤモヤする」といった表現を使う
わせてアセスメントし、具体的な根拠を明らか
ことが多くみられた。そこで、父親が家事・育児
にして、新規事業を立ち上げていくというプロ
や、パ ー ト ナ ー と の 関 係、仕 事 に 対 し て 抱 え る
セスを経ることが重要である。
ネガティブな感情を「モヤモヤ」と表現し、
「○
*3
○○○○について、モヤモヤすることはありま
すか?」といったような質問項目を設定した調
査を行った。
こ の よ う に 表 現 を 工 夫 し た こ と で、父 親 が
様々な場面で育児に関連したストレスを感じ
ていること(モヤモヤしていること)、特に夫婦関
係におけるストレスはその種類も頻度も多い
ことがわかった(表5 −1)。
*4
53
具体的な支援策と実践例
自治体における
父親支援の具体的な
始め方とアプローチ方法
父親へのニーズ調査
父親支援の新規事業と支援ニーズ
現 在、父 親 を 主 な 対 象 と し た 父 親 支 援 事 業
新 規 事 業 を 検 討 す る 際 に、父 親 の 支 援 ニ ー
は、その必要性が理解されつつも全国的に進ん
ズの調査を行うことも一つの手段である。ニー
で い な い 。そ の 理 由 と し て 最 も 多 か っ た の は
ズには顕在化しているものもあるが潜在的な
「 ニ ー ズ が 不 明(50.5%)」で あ っ た 。父 親 支 援 の
ニーズも多く、それをいかに把握できるかが重
新規事業を既に打ち出してきた自治体におい
要である。
*1
*2
ても、講座形式や交流会形式の支援では集客に
本研究班でも父親の支援ニーズを捉えるた
苦労する事が多いことや、日常業務で父親に接
め に、母 子 健 康 手 帳 交 付 時、な ら び に 乳 幼 児 健
する機会が少ないために、父親の支援ニーズの
康診査時に父親を対象にアンケート調査を実
把 握 が 難 し い こ と が 指 摘 さ れ て い る。実 際、父
施したので、例として示す。
親 支 援 を 実 施 し て い た 自 治 体 が、
「父親を上手
アンケート調査に先立ち、インタビュー調査
く集められずに、少人数へのアプローチしかで
を行ったが、ソフト面におけるニーズを「何か
き な い 」な ど の 理 由 か ら、父 親 支 援 を 取 り や め
困っている事はありませんか?」、
「 何か支援し
る例もある。
て ほ し い 事 は あ り ま せ ん か?」な ど と、直 接 的
第 3 章 の「2 事 業 構 築 の プ ロ セ ス 」の「 実 施
に聞いてもあまり明確な回答は得られなかっ
すべき取り組みを探る」❶住民のニーズや社会
た。自 治 体 に 行 っ て ほ し い 支 援 を 尋 ね る と、顕
的背景、生活状況などの整理(27 ページ)に記載
在 化 し た ニ ー ズ と し て、金 銭 的 な 支 援 や、育 児
さ れ て い る よ う に、ま ず は、父 親 の 支 援 ニ ー ズ
休 業 な ど の 制 度 上 の 支 援 に 関 す る 回 答 が 多 く、
と、そ れ を 取 り 巻 く 情 報 を 収 集・整 理 す る 必 要
そのほかの記述はほとんどなかった 。
がある。その上で、誰に対し、いつどのタイミン
「 困 っ て い る こ と 」に は 明 確 な 回 答 の な い 父
グで、どういう支援を行うべきかをニーズに合
親たちも、
「 モヤモヤする」といった表現を使う
わせてアセスメントし、具体的な根拠を明らか
ことが多くみられた。そこで、父親が家事・育児
にして、新規事業を立ち上げていくというプロ
や、パ ー ト ナ ー と の 関 係、仕 事 に 対 し て 抱 え る
セスを経ることが重要である。
ネガティブな感情を「モヤモヤ」と表現し、
「○
*3
○○○○について、モヤモヤすることはありま
すか?」といったような質問項目を設定した調
査を行った。
こ の よ う に 表 現 を 工 夫 し た こ と で、父 親 が
様々な場面で育児に関連したストレスを感じ
ていること(モヤモヤしていること)、特に夫婦関
係におけるストレスはその種類も頻度も多い
ことがわかった(表5 −1)。
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