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父親支援マニュアル (9 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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第1章

父親支援に必要な基本事項

社会的要請としての父親支援

父親を取り巻く状況

その中で、今、父親が、新しい子育ての担い手

社会の急激な変化は、子育てのあり方や子ども

として注目されている。例えば 2023年6月 に政

の存在自体をも大きく変化させた。その変化の中

府より出された「こども未来戦略方針」では、子

で、父親の位置付けやその子育てのあり方にも大

育てにおける固定的な性別役割分業の脱却を目指

きな変化がある。その変化について考える。

し、
「 男性の家事・育児時間の増加」
「 男性の育休
促進」などが明記され、具体的な目標数値が設定
されている。

人口減と少子化
2023年の出生数は過去最低の72.7万人となっ

これまで子育てにおいてあまり重要視されてこ

た。これは第一次ベビーブーム時の 3 割程度であ

なかった父親が、少子化の文脈において新たな子

り、また年間の自然増減数も約85万人のマイナ

育ての担い手として期待されるようになった。こ

ス(2023年)で、過去最大となっている。我が国

こに父親の育児支援の今日的な意義が存在してい

において 1 年間に出生数とほぼ同数の人口が減っ

る。つまり父親への育児支援は、社会的要請の側

ており、少子化と相まってその深刻さが浮き彫り

面もあり、男性・父親を取り巻く環境の急激な変

となった。

化によって、
「父親の孤独」と指摘されているよ

そのような状況に対応するために政府は「異次

うな状況も、新たに生まれている。父親の育児が

元の少子化対策」に着手し、その取り組みや財源

社会の変化の中で、新しいステージを迎えている

が大きく議論されている。これらの対策は現在の

と言えるだろう。

社会資源や少子化の改善につながるありとあらゆ
ることを総動員して、なんとしてでも少子化の打
開を図ろうとするものである。現在はまさに、
「少
子化対策のラストチャンス」と言われる機会なの
である。

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