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父親支援マニュアル (2 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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まえがき

まえがき〜 父親支援マニュアルの利用について
本マニュアルは、我が国における父親支援の具体的な取り組みを推進するために作成した
ものです。過去において子育ての中心は「母親」であり、社会全体の子育てのあり方や支援は、
母親を中心としてその制度やシステムが構築されてきました。しかし社会の発展と共に、家
族や子育てや働き方の多様化が進み、一方の親である「父親」の存在も変化してきました。そ
のような背景の中で、父親も育児を担う一人であり、同時に育児の喜びや責任を引き受ける
存在であることが、少しずつ認識されてきました。しかし、これまで性別役割分業の考え方
などによって、父親の子育てへの関わりやその期待は大きくなかったこともあり、父親を支
援する具体的な理論や方法は、我が国においてまだ十分に検討が進んでいませんでした。
我々は父親の現状を理解し、父親とその育児を支援することを目指して、令和 2 年度に、
厚生労働省によって設置された、父親の子育て支援を推進するためのエビデンスや支援プロ
グラムを検討するための研究班、令和 5 年度からはこども家庭庁の研究班として活動を継続
してきました。本研究班では上記のような視座を持ち、これまで様々な父親支援における調
査・研究の取り組みを行ってきました。今回のマニュアルはその成果の一端であり、我が国
における自治体の父親支援の取り組みの発展を目指し作成を行いました。

● 主に想定する読者対象
自治体(都道府県・市区町村)における、父親支援に取り組もうとする職員を主な対象と
して本マニュアルは書かれました。基本的には、母子保健領域における支援者(保健師・助
産師・看護師・行政職員等)を想定しています。しかし父親支援は母子保健領域のみならず、
様々な領域も関わる事業となっています。例えば、子育て支援、家庭教育、生涯学習、男女共
同参画、人権、地域活動等が考えられます。これらに関わる行政職員が担当課や領域を横断す
る形で、コラボレーション事業としての取り組みなども想定しています。

● 想定する父親像
本マニュアルが想定している父親は、広義における父親です。多くの場合は、子どもと生活
を共にしている父親を考えています。もちろん父親の定義は様々であり、必ずしも同居者の
みが父親ではありません。本マニュアルは、子どもにとって身近な存在としての父親を、まず
は基本的に位置付けています。その上で様々な関係性や環境下にある、特定のニーズのある
父親への支援についても一部対象者としています。

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