第3章

事業構築に向けたアプローチ

評価に至るプロセスを含んでおり、すぐに研修を

事業構築の考え方

実施できるよう問いかけ（発問）例やワークシート
も併せて掲載している。詳細は、第 4 章を参照い

既存事業の見直しと活用
全国の自治体を対象に父親支援の実施状況を調

ただきたい。

査した報告によると、既存の母子保健事業内で実
＊1

施されている父親支援については、母子健康手帳

新規事業の構築

交付時における父親向けのリーフレットやパンフ

新たな事業は、現状の活動だけでは課題解決が

レットの配付、妊娠期の両親・父親学級における

難しい場合や、前年度の活動に対する評価を受け

父親への参加奨励や父親に向けた内容を盛り込ん

て取り組まれる場合、法改正などにより自治体が

でいる自治体が半数以上となっている。一方で、

新たな取り組みをする必要がある場合などに開始

乳幼児健康診査では健診への父親の同伴を奨励す

される。新規事業の構築にあたっては、その事業

るなど、父親に向けた内容を盛り込んでいない自

の対象が抱えるニーズや課題を明らかにし、事業

治体が８割を超え、母子保健施策においては父親

の目的や方針といった計画〈 Plan 〉をたてること

支援の視点が含まれている事業とそうではない事

が重要である。そして、その計画を実施〈 Do 〉し、

業があると考えられる。

点検・評価〈 Check 〉、調整・改善〈 Act 〉する

父親支援を展開するにあたっては、新規に事業

というPDCA サイクルによって展開される。

を立ち上げるだけではなく、現状の母子保健事業

こ こ で は、 事 業 構 築 の プ ロ セ ス と し て 計 画

について、父親を含めた家族全体に働きかける仕

〈 Plan 〉に視点をあて、計画書の作成について取

組みへと見直すことで、父親の健康および育児に

り組むべき「事業の位置づけを確認する」「実施

対する支援となる。この既存事業の見直しの方法

すべき取り組みを探る」
「事業計画書を作成する」

として、自組織内での研修の実施について第 4 章

「事業化に係るリソースを得る」の 4 つのステッ

で紹介する。章の構成は、研修の企画から実施と

プに分けて説明する（図 3 − 1 参照）。

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