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父親支援マニュアル (37 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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第4章

母子保健・子育て支援事業の見直しとしての研修の実施

ポピュレーションアプローチ
の視点からの父親支援の
意義

既存事業を上手に活用する
これまで、新規に父親支援事業の立ち上げを
目指したものの、予算が確保できない、人手の不
足といった理由で断念した自治体は少なくない。

プログラム実施だけが父親支援なのか
「父親支援」という用語は、
「父親に対して特別

しかし、既存の母子保健事業や子育て支援事

な支援事業・プログラムを行うこと」であり、何

業をうまく活用することで、多くの父親を支援

か一つのプログラムを行えば「うちの自治体は

できることがたくさんある。事業などの具体的

父親支援を行っている」と捉えられがちである。

な取り組みではなくとも、父親に声をかけたり、

だが男性への「父親支援」と同種の用語とし

情報提供したりできることもたくさんある。家

て、女性への「妊産婦支援」があるとして、何か

庭訪問の際など、父親に接した際の対応や課題

一つのプログラムを行えば、
「 うちの自治体は妊

を部署内で経験として蓄積することもできる。

産婦支援を行っている」と言えるだろうか。年間

こ う し た 従 来、母 子 を 対 象 と し た 事 業、母 子

200人のこどもが生まれる自治体で、産後パパ教

とのかかわり方について保健医療従事者として

室を開催し、20人の父親が参加した。この自治体

取り組んできた方法を父親にも応用することで、

は十分に父親支援ができていると言えるだろう

様々な機会に、色々な方法で、多くの父親を支え

か。こうした疑問が、ポピュレーションアプロー

ることができるのではないだろうか。

チの視点からの父親支援の発想の原点である。

各現場において、そうした発想の転換をしな

なお、ポピュレーションアプローチとは、対象

がら、ポピュレーションアプローチの父親支援

をリスクの高い一部の者に限定せず、地域の集

のあり方を考える機会として、次ページのよう

団全体に介入することである。

な研修を紹介したい。

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