第2章

父親支援プログラムのポイント

父親主体の支援に

父親の健康・幸福の視点

父親支援は、あくまで父親が主たる対象に含ま

父親支援は、父親自身の幸福やウェルビーイン

れた活動であり、まずは父親の幸福やウェルビー

グを重視する。母親の負担軽減や子どもの成長だ

イングの向上が大前提である。それとともに、母

けでなく、父親の幸せが家族の幸福に直結すると

親の育児の負担軽減や、子どもの育ちの豊かさが

いう視点が重要である。

存在するのであり、単に「父親のみの幸福」の達
成を目指すものではない。
現代は家族の量的な縮小と、質的な機能の変化

母と子が主語の時代
父親支援の目指すゴールは、父親が育児の主体

が著しい。このように家族の役割や意味が大きく

として豊かな生活を送れる環境を整備し、そこで

変わっていく社会において、父親が積極的にその

父親が育児に主体的に関われる社会を作り上げる

役割を果たし、幸福度を高めながら、自らも共に

ことにある。そしてそのことにより父親自身の

家族を作り上げる意識を持つような取り組みが必

ウェルビーイングを高め、父親の幸福度の向上に

要になる。

資することである。近年、父親の育児が注目され、

母親や子ども達の幸福度が家族の幸せに繋がる

その取り組みが様々に始まっているが、その主旨

ように、父親の幸福度もダイレクトに家族の幸福

は大きく分けて「①母親の育児負担軽減のため」

度に直結する。これまで仕事以外の家族内の役割

「②子どもの豊かな環境構築のため」という二つ

を担うことが乏しかった父親が、自らの幸せを意

の文脈で語られることが多い。

識し子育てや家族との関わりを持つことが、家族

これらの意義自体を否定するつもりはない。し

全体のウェルビーイングの向上につながるのであ

かし父親のウェルビーイングを差し置き、母親や

る。その現代的な新たなスタートに父親支援が存

子どものウェルビーイングのみが優先されること

在している。

には違和感を持つ。

岡崎市主催の子育て支援事業の様子

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提供：岡崎市/NPO法人ファザーリング・ジャパン