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父親支援マニュアル (29 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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第3章

事業構築に向けたアプローチ

3 指標の設定

5 組織としての方針の確認と共有

次に、課題の設定と事業の構築・実施によって、

組織として事業化をすすめるには、実施に向け

中間アウトカムやアウトカムにどのような影響を

た体制づくり、事業を立ち上げて推進していくた

及ぼしたか、つまりどのような効果が得られたの

めのマインドの醸成などが欠かせない。これまで

かを評価するために、各指標を設定する。特に、

の内容を検討し、組織として取り組むべき課題か

アウトカムや中間アウトカムを評価する指標とし

を確認することが必要であり、その課題に対する

ては、前述した「住民のニーズや社会的背景、生

取り組みの方向性を組織内で共有しておくことが

活状況などの整理」をする過程で得られたデータ

事業展開には重要である。特に、関係部署との連

を設定するとよい。そうすれば、今までの経過を

携によって事業の実施を計画する場合は、管理職

踏まえて、事業実施による変化をアウトカムに対

間の調整や事前の内諾が必要になるため、事業の

する影響として評価でき、経年的な評価も引き続

目的や内容の検討にあたっては、計画案の段階か

き可能になる。

ら説明し、合意形成が得られるようにしておきたい。

なお、図 3 − 3 では、
「父親のウェルビーイング」
という最終的な目標に対して、便宜的に一つの「課

事業計画書を作成する

題の設定と事業の構築・実施」のみをアウトプッ
トに示しているが、実際には一つの事業だけでア

実施すべき取り組みを探り、そのコンセプトが

ウトカムが達成されることは少ない。アウトプッ

決まったら、その内容を事業計画書(表 3− 1参照)

トには網羅的に他の事業や取り組みを配し、これ

に落とし込む。事業計画書は、事業を実施する際

らを含めた全体によって達成されることが多い。

の内容や手順などを詳細に取り決めた設計図であ
る。そのため、実施に係る根拠および背景(法律、

4 基準設定と対象者の選定

自治体の計画など)
、目的、目標、対象者(参加見込

新規事業として取り組む課題の本質を捉えたの

みを含む)とそのニーズ、実施内容や回数、担当職

ちは、対象となる人々の解像度を高める必要があ

種、役割分担、実施時期・場所、実施方法(媒体・

る。つまり、取り組む課題はどのような人々にとっ

従事者含む)
、周知方法、予算などを具体的に明記

ての課題なのか、共通のニーズや特性・属性によっ

しておきたい。また、計画書の作成にあたっては、

てアプローチすべき対象を明確に設定し、その設

計画についての子細な検討、および評価について

定に基づいて、対象者を選定する。

も検討が必要であるため、そのポイントを次に説

例えば、基本属性(年齢、性別、家族構成など)

明する。なお、事業の内容や実施方法については、

や社会的特性(居住地域、職業など)、心理的特性(価

第 5 章で説明・紹介しているので参照して頂きたい。

値観、性格、準備性など)
、行動特性(育児・家事行
動など)から対象者を絞り込むことにより、その

1 計画の詳細を検討する要素

属性に合った効果的・効率的な事業を検討するこ

事業計画書を作成するにあたっては、計画の詳

とができる。また、対象者数を概算することがで

細を検討することが必要であり、その要素として

きるため、必要な人的資源や予算を計画すること

は次の 6W1H(表 3− 2)が挙げられる。これらの

ができ、開催方法や、協力が得られる機関を検討

要素に沿って検討することで、事業の内容を網羅

することも可能である。

的に検討することができる。

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