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父親支援マニュアル (60 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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第5章

具体的な支援策と実践例

乳 幼 児 健 診 で は、父 親 が 同 伴 し た り、父 親 が

父 親 が 同 席 す る ケ ー ス も 多 く な っ て き て い る。

子 ど も を1 人 で 連 れ て く る ケ ー ス も 増 え て き

こういった場面も、父親支援を行えるチャンス

ている。問診票では、主語として「お母さん」が

である。子どもの発達状況や母親の産後の状況

使われていたり、
「 現在、あなたは妊娠していま

だけでなく、父親の健康状態や夫婦での育児が

すか」と女性が回答することを想定されている

うまくいっているかなど、父親及び家族全体の

こともある。父親も育児の主体であることを考

情報を取得することが重要となる。

慮し、設問を設定しておくことが重要である。

ま た、父 親 と の 会 話 の 中 で、父 親 の 頑 張 り を

また、問診の中で母親の健康状態について確

認めることや労うことは、母親への支援と同様

認する項目はよく見られるが、父親の健康状態

に、父 親 へ の 支 援 と な り う る。最 近 で は、産 後

について確認している自治体は少ない。こうし

の父親のフォローが必要な家庭に対して、別途、

た問診票も、父親への支援の必要性をアセスメ

男 性 保 健 師 が 訪 問 し、父 親 の 相 談 や 支 援 を 行

ントする機会になるので、問診票の中身を見直

なっている自治体も見られている。男性保健師

す機会を作るとよい。

がいる自治体では、そういった取り組みができ
る可能性もある。

特 に、仕 事 と 家 庭 の 両 立 に 悩 ん で い た り、妻
との関係がうまくいっていなかったり、父親の
メンタルヘルスに対策が必要な可能性も考え

イベント型の父親にアプローチする事業
父親を対象とした育児や子育て支援イベン

ら れ る。そ の た め、問 診 票 や 問 診 で の 聞 き 取 り

トは、自治体のさまざまな部署で多く見られる

からアセスメントすることは重要である。
こうした父親の支援ニーズのアセスメント

ようになってきている。父親が育児に関わるこ

に取り組む自治体は徐々に増えている 。最近で

との意義を伝えたり、子どもの発達に合わせた

は、健 診 に 来 た 子 ど も と 父 親 を 対 象 に し て、父

関わり方・遊び方を紹介するなど、育児参画の

親の育児技術の向上を目的としたプログラム

きっかけづくりや、育児スキルの向上を目的と

を実施している自治体や、育休相談会を実施し

した講座形式のものがよく見られている。その

ている自治体もある。この機会をうまく活用し

他にもコンテスト型 (パパ写真コンテストなど)

て、父親支援プログラムを実施するのも一つの

のイベントや、ワークショップ形式( 工作 遊 び

案だと言える。

な ど )の イ ベ ン ト と い っ た、父 親 と 子 ど も で 楽

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しめるようなイベントも開催されている。

リ モ ー ト ワ ー ク の 普 及 な ど に と も な い、
「こ
んにちは赤ちゃん訪問」などの家庭訪問の際に、

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