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父親支援マニュアル (69 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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あとがき
育児や家族の習慣は伝承されていきます。社会の利便性が増すなかで、お金がかかる、親
の自由がなくなる、心身の疲労や責任など、育児のネガティブな側面が強調されがちで、楽し
みや喜びといった育児のポジティブな側面は伝えられることが極めて少ないように感じます。

命がけの妊娠・出産に始まる一連の育児の営みが、そうした困難を超えたからこそ家族とし
てつながり、親と子がともに育っていくという経験から深い喜びを得ることができる。それを
伝承していくことが、子どもを育てる家庭本来の姿といえるでしょう。

子どもだけでなく、育児を通して親も成長し、その人生が豊かになる。そして、子ども世代
が同様の家庭をつくっていくことを喜び、見届けるという循環を作るでしょう。

こうした豊かな循環を作動させるためにも、子どもと家庭を社会全体で支える仕組みが必
須です。地域の母子保健は時代の流れに沿って、育児指導、育児支援とその役割を担ってきま
した。幸福の体験によって、コアである一つ一つの家族の力を強めることで、地域全体が育児
の力を強める、社会をつくっていくという視点に立ちながら、人を育てる喜びを伝承していく
支援が求められている時代かもしれません。

男性が父親として家庭や地域に居場所を作ることは、親子の健康度を向上させ、人が育つ成
熟した社会をつくることに欠かせない要素でしょう。父親の育児への関わりは個々の家庭の
事情によって異なり、様々なバリエーションがあります。母子保健で蓄積されてきた知見をも
とに、各家庭の状況を把握し、すべての父親に必要な支援が届くような社会になってほしい。
そして、すべての父親が子育てを満喫し、家族とともに笑顔があふれる社会になってほしい。
そうした社会に少しでも近づくために、本マニュアルを役立てていただければ幸いです。





本書の作成にあたり、調査や育児支援事業にご協力いただいた自治体職員の方々、NPO法人の方々、地域の育
児中の皆様に心より感謝申し上げます。本マニュアルはこども家庭科学研究費補助金成育疾患克服等次世代育成
基盤研究事業の「父親の子育て支援推進のためのプログラムの確立に向けた研究(23DA0701)」の研究活動の一
環として実施されました。

[本マニュアルに関するお問い合わせ先]

国立成育医療研究センター研究所 政策科学研究部

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E-mail:fmc@ncchd.go.jp