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父親支援マニュアル (44 ページ)

公開元URL https://www.ncchd.go.jp/scholar/section/policy/project/papasupport_manual.pdf
出典情報 日本初・自治体向け父親支援マニュアルを公開-「父親の産後うつ」や孤立を防ぎ、幸せな子育て期の実現を目指して-(1/30)《国立成育医療研究センター》
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第4章

母子保健・子育て支援事業の見直しとしての研修の実施

4 優先順位および改善策の検討

❹―②― (1) 詳細は具体的に記述

また、改善策の詳細を具体的に記述すること

❹―①優先順位の検討

【 ワ ー ク シ ー ト2−1】
【 ワ ー ク シ ー ト2−2】で

が重要である。

明確にした「父親にアプローチする機会」とそ

「いつから実施するのか(時期)」

(表
の課題について、改善策を【ワークシート3】

「だれが実施するのか(主体)」

4−5参照)で検討する。この際、特に複数の「父親

「どのような内容を行うのか(内容)」

にアプローチする機会」と課題が抽出されてい

「成果はどのように評価するのか(評価)」

る場合に、どの課題解決に向けた検討をするの

などを明確にしておきたい。

か、優先順位を検討する必要がある。

❹―②― (2) 必要なサポートを記述

優先順位をつける際の考え方の一つに「重要

また、考えた改善策を遂行するために「必要な

度と優先度」がある。
「 重要度」は社会的要請の高

サポート」についても記述すると、より実行に結

さで、各自治体の総合計画や、成育医療等基本方

びつきやすい。
「 必要なサポート」は多岐にわた

針に基づく計画の重点事項に該当するなど、す

り、自組織内の他部署・機関だけでなく、民間の

でに自治体が取り組むべき課題として設定して

子ども・子育て関連施設や商業施設、大学・研究

いる場合に重要度が高いと言える。また、その課

機関、職域保健、地域の自主グループなどが該当

題が解決できなかった時の、影響度の大きさと

すると考えられる。なお、
「 短期的な改善策」とは

し て 捉 え る こ と も 可 能 で あ る。一 方、
「優先度」

概ね6か月以内に取り組めそうな、あるいは予算

は緊急性と同義で、すぐに対策を講じる必要が

化を必要としない方策を、
「 長期的な改善策」と

あるかどうかで測られる。例えば、解決すべき問

は概ね6か月以上の方策を想定する。

題として顕在化している場合や、速やかに解決

❹ ―②― (3) 両者の視点で考える

しなければならない場合などがこれに該当する。

改善策を検討する際には、専門職と父親、両方

なお、声のかけ方の工夫など、職員の意識を変え

の視点に立って考えることが重要である。母子

れば取り組めるようなことは率先して、翌日か

保健・子育て支援サービスにつながる父親は増

らでも始めることを心掛けたい。

えているが、
「 自分も支援される対象」だと感じ

❹―②改善策の検討

られていない父親はいまだ多い。

【 ワ ー ク シ ー ト2】を 用 い て 明 確 に し た「 父 親

問診票の「現在、あなたは妊娠中ですか?」と

にアプローチする機会」と解決すべき課題につ

い っ た 項 目 を「( あ な た が 女 性 の 場 合 )現 在、あ な

いて、改善策を検討する。この改善策の抽出段階

たは妊娠中ですか?」と修正するだけで、父親は、

では、課題解決の実現可能性については考慮せ

自分が回答することも想定されている問診票な

ず、考え得る方策を出し尽くすことが大切であ

のだと感じやすくなる。父親が同席しているな

る。また、個人で取り組んだのち、グループで共

らば、女性に問診票を回答してもらう際に、父親

有・検討することで、この課題解決の方策をより

にも問診票を渡したりすることや、健康や生活

明確化かつ具体化することができ、課題解決の

の状態をアセスメントする際に、少しでもいい

実現につながることが想定される。

ので父親にも問いかけることなど、ちょっとし
た配慮や小さな改善策を積み重ねることが重要
である。

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