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大腸がんファクトシート2024 (30 ページ)
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出典情報 | 大腸がん対策を推進するための「大腸がんファクトシート」公開(3/27)《国立がん研究センター》 |
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第3章
大腸がんのリスク
3.1 生活習慣に関連する要因
③体 格
肥満も大腸がんのリスクを増加させることが、国際的に
リンが細胞の増殖を促しアポトーシスを抑制することで、
も、日本においても十分な科学的証拠をもって報告され
発がんに関与しているのではないかと考えられている
ている。WCRF Internationalは、成人期の肥満(体脂肪)
14,15) 。さらに体脂肪により炎症反応を刺激することも大
は「確実」に大腸がん罹患の要因となるとし、体格指数
腸発がんの促進につながることが考えられる16,17)。
(Body mass index, BMI)を18.5-24.9kg/㎡の範囲に
一方で、日本人の中高年においては、痩せによるがんの
保つことを推奨している12)。日本人は欧米諸国と比較し
リスク増加も示唆されている。しかし大腸がんとの関連を
て過体重・肥満の人は少ないが、日本の8つのコホート
検討した研究はまだ少なく、科学的証拠に乏しい。
研究を統合した研究においても、BMIが上昇するにつれ
また、成人期の高身長も大腸がんリスクを増加させると
て大腸がんのリスクが増加し、特に男性において、BMIが
されている18,19)。これは、身長をはじめとする、成長発達
25kg/㎡以上で顕著であった13)(図3)。研究班でも、日本
にかかわる要因(成長ホルモン、インスリン様成長因子、
人の肥満による大腸がん罹患のリスク増加は「ほぼ確実」
幼少期のエネルギー過剰摂取など)が、大腸がんのリスク
である、としている4)。
増加を引き起こしていると考えられる。また、身長が高い
BMI以外にも、ウエスト周囲径やウエストヒップ比でも
人は、細胞数が多く腸が長いため、がんの発生につながる
同様に大腸がんとの正の関連が認められる。機序として
突然変異の機会が多い可能性や、発がん性のある物質へ
は、体脂肪の増加によりインスリンが増加し、このインス
の曝露の可能性が高いことも考えられる。
図3. 日本人のコホート研究の統合解析による肥満指数別の大腸がん罹患のハザード比
男性
大腸
結腸
1.80
ハザード比
1.40
*
*
*
*
1.60
**
1.40
1.80
1.60
1.40
1.20
1.20
1.20
1.00
1.00
1.00
0.80
0.80
0.80
0.60 0.91 0.99 0.95 1.00 1.14 1.24 1.24
0.91 0.95 1.01 1.00 1.07 1.06 1.17
0.40
0.60 0.91 1.00 0.87 1.00 1.17 1.31 1.47
0.71 0.87 1.00 1.00 1.21 1.11 1.18
0.40
0.40
0.20
0.20
0.20
0.00
0.00
満
未 1未満 3未満 5未満 7未満 0未満 0以上
19
2
2
3
2
3
2
上
以 1以上 3以上 5以上 7以上
19
2
2
2
2
* 統計学的有意(p<0.05)
直腸
1.80
1.60
女性
0.60 0.91 0.98 1.12 1.00 1.12 1.20 1.57
1.44 1.12 1.05 1.00 0.88 0.99 1.39
0.00
満
未 1未満 3未満 5未満 7未満 0未満 0以上
19
2
2
2
2
3
3
上
以 1以上 3以上 5以上 7以上
19
2
2
2
2
満
未 1未満 3未満 5未満 7未満 0未満 0以上
19
2
2
2
2
3
3
上 以上
上
以 1
以 5以上 7以上
2
19
23
2
2
肥満指数(BMI, kg/㎡)
参考文献13 : Matsuo K, Mizoue T, Tanaka K, et al. Association between body mass index and the colorectal cancer risk in Japan:
pooled analysis of population-based cohort studies in Japan. Ann Oncol 2012;23(2):479-90. のTable 2およびTable 3より作成
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大腸がんのリスク
3.1 生活習慣に関連する要因
③体 格
肥満も大腸がんのリスクを増加させることが、国際的に
リンが細胞の増殖を促しアポトーシスを抑制することで、
も、日本においても十分な科学的証拠をもって報告され
発がんに関与しているのではないかと考えられている
ている。WCRF Internationalは、成人期の肥満(体脂肪)
14,15) 。さらに体脂肪により炎症反応を刺激することも大
は「確実」に大腸がん罹患の要因となるとし、体格指数
腸発がんの促進につながることが考えられる16,17)。
(Body mass index, BMI)を18.5-24.9kg/㎡の範囲に
一方で、日本人の中高年においては、痩せによるがんの
保つことを推奨している12)。日本人は欧米諸国と比較し
リスク増加も示唆されている。しかし大腸がんとの関連を
て過体重・肥満の人は少ないが、日本の8つのコホート
検討した研究はまだ少なく、科学的証拠に乏しい。
研究を統合した研究においても、BMIが上昇するにつれ
また、成人期の高身長も大腸がんリスクを増加させると
て大腸がんのリスクが増加し、特に男性において、BMIが
されている18,19)。これは、身長をはじめとする、成長発達
25kg/㎡以上で顕著であった13)(図3)。研究班でも、日本
にかかわる要因(成長ホルモン、インスリン様成長因子、
人の肥満による大腸がん罹患のリスク増加は「ほぼ確実」
幼少期のエネルギー過剰摂取など)が、大腸がんのリスク
である、としている4)。
増加を引き起こしていると考えられる。また、身長が高い
BMI以外にも、ウエスト周囲径やウエストヒップ比でも
人は、細胞数が多く腸が長いため、がんの発生につながる
同様に大腸がんとの正の関連が認められる。機序として
突然変異の機会が多い可能性や、発がん性のある物質へ
は、体脂肪の増加によりインスリンが増加し、このインス
の曝露の可能性が高いことも考えられる。
図3. 日本人のコホート研究の統合解析による肥満指数別の大腸がん罹患のハザード比
男性
大腸
結腸
1.80
ハザード比
1.40
*
*
*
*
1.60
**
1.40
1.80
1.60
1.40
1.20
1.20
1.20
1.00
1.00
1.00
0.80
0.80
0.80
0.60 0.91 0.99 0.95 1.00 1.14 1.24 1.24
0.91 0.95 1.01 1.00 1.07 1.06 1.17
0.40
0.60 0.91 1.00 0.87 1.00 1.17 1.31 1.47
0.71 0.87 1.00 1.00 1.21 1.11 1.18
0.40
0.40
0.20
0.20
0.20
0.00
0.00
満
未 1未満 3未満 5未満 7未満 0未満 0以上
19
2
2
3
2
3
2
上
以 1以上 3以上 5以上 7以上
19
2
2
2
2
* 統計学的有意(p<0.05)
直腸
1.80
1.60
女性
0.60 0.91 0.98 1.12 1.00 1.12 1.20 1.57
1.44 1.12 1.05 1.00 0.88 0.99 1.39
0.00
満
未 1未満 3未満 5未満 7未満 0未満 0以上
19
2
2
2
2
3
3
上
以 1以上 3以上 5以上 7以上
19
2
2
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2
満
未 1未満 3未満 5未満 7未満 0未満 0以上
19
2
2
2
2
3
3
上 以上
上
以 1
以 5以上 7以上
2
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2
肥満指数(BMI, kg/㎡)
参考文献13 : Matsuo K, Mizoue T, Tanaka K, et al. Association between body mass index and the colorectal cancer risk in Japan:
pooled analysis of population-based cohort studies in Japan. Ann Oncol 2012;23(2):479-90. のTable 2およびTable 3より作成
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