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大腸がんファクトシート2024 (35 ページ)
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出典情報 | 大腸がん対策を推進するための「大腸がんファクトシート」公開(3/27)《国立がん研究センター》 |
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第4章
大腸がん検診
4.1 大腸がん検診の有効性評価
4.1 大腸がん検診の有効性評価
国内における大腸がん検診は1992年に導入され 1) 、
たっては、1)免疫法と全大腸内視鏡の観察研究によって
40歳以上を対象に年1回便潜血検査免疫法2日法(正式
死亡率減少効果を評価した後、2)WEO(World
名称は”免疫便潜血検査”であるが、ここでは広く一般に
Endoscopic Organization)が提唱する代替指標評価4)
使用されている”便潜血検査免疫法”を用いた)が用いら
(注1)を追加で実施した。ガイドライン作成委員会におい
れている2)。「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドラ
て、文献レビューを基に利益(死亡率減少効果)と証拠のレ
イン2024年度版」では3)、現在国内で実行可能性があり
ベル(信頼性)、不利益の程度(Number Needed to
臨床的な評価が求められている便潜血検査免疫法と全大
Scope, NNS: 大腸がん1例を発見するために必要な
腸内視鏡検査を評価対象とした。
大腸内視鏡件数や過剰診断、精密検査による偶発症など)
免疫法はこれまでランダム化比較対照試験(RCT)が
実施されておらず、全大腸内視鏡はRCTが進行中で最終
が検討され、利益と不利益を対比して推奨グレードが
決定された3)。
結果が示されていない 3) 。このため有効性の評価にあ
注1 : WEOの代替指標評価
新しい検診手法の導入を評価するにあたっての段階的な評価方法。新しい検診手法に対してRCTで死亡率減少効果が証明されかつ
生物学的に類似した参照基準となる検診手法が確立している場合のみ実施可能という厳格な前提をおいている。段階的に感度・特異度、
検診参加率、がん発見率、中間期がん発見率を既存の参照基準となる検診手法と比較し統合して評価を行う4)。免疫法の参照基準は化学
法、全大腸内視鏡の参照基準はS状結腸鏡を用いて実施した。代替指標評価は複数の研究を各段階の結果として積み重ね、統合した結果
に基づく評価であるため、RCTによる証拠の信頼性を上回ることはないことを留意すべきである。
① 便潜血検査免疫法の推奨グレード
免疫法の観察研究による評価は「有効性評価に基づく
益を対比すると、「利益はあるが不利益は中等度」(表1)で
大腸がん検診ガイドライン2005年版」で実施されている
あり、推奨グレードAと判定された(表2)。免疫法は対策型
ため省略し5)、WEOの代替指標評価を追加で検討した。
検診・任意型検診として実施が推奨される(表3)。なお、
免疫法は感度・特異度だけでなく参加率、発見率、中間期
検診対象は40-74歳を推奨するが、45歳または50歳開
がん発生率も化学法より有意に優れており、免疫法の証拠
始も許容しうる。検診間隔を1年から2年にすることも可
の信頼性は中等度と評価した。一方、不利益の指標として
能である。
化学法と免疫法のNNSはほぼ同等であった。利益と不利
ー 34 ー
大腸がん検診
4.1 大腸がん検診の有効性評価
4.1 大腸がん検診の有効性評価
国内における大腸がん検診は1992年に導入され 1) 、
たっては、1)免疫法と全大腸内視鏡の観察研究によって
40歳以上を対象に年1回便潜血検査免疫法2日法(正式
死亡率減少効果を評価した後、2)WEO(World
名称は”免疫便潜血検査”であるが、ここでは広く一般に
Endoscopic Organization)が提唱する代替指標評価4)
使用されている”便潜血検査免疫法”を用いた)が用いら
(注1)を追加で実施した。ガイドライン作成委員会におい
れている2)。「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドラ
て、文献レビューを基に利益(死亡率減少効果)と証拠のレ
イン2024年度版」では3)、現在国内で実行可能性があり
ベル(信頼性)、不利益の程度(Number Needed to
臨床的な評価が求められている便潜血検査免疫法と全大
Scope, NNS: 大腸がん1例を発見するために必要な
腸内視鏡検査を評価対象とした。
大腸内視鏡件数や過剰診断、精密検査による偶発症など)
免疫法はこれまでランダム化比較対照試験(RCT)が
実施されておらず、全大腸内視鏡はRCTが進行中で最終
が検討され、利益と不利益を対比して推奨グレードが
決定された3)。
結果が示されていない 3) 。このため有効性の評価にあ
注1 : WEOの代替指標評価
新しい検診手法の導入を評価するにあたっての段階的な評価方法。新しい検診手法に対してRCTで死亡率減少効果が証明されかつ
生物学的に類似した参照基準となる検診手法が確立している場合のみ実施可能という厳格な前提をおいている。段階的に感度・特異度、
検診参加率、がん発見率、中間期がん発見率を既存の参照基準となる検診手法と比較し統合して評価を行う4)。免疫法の参照基準は化学
法、全大腸内視鏡の参照基準はS状結腸鏡を用いて実施した。代替指標評価は複数の研究を各段階の結果として積み重ね、統合した結果
に基づく評価であるため、RCTによる証拠の信頼性を上回ることはないことを留意すべきである。
① 便潜血検査免疫法の推奨グレード
免疫法の観察研究による評価は「有効性評価に基づく
益を対比すると、「利益はあるが不利益は中等度」(表1)で
大腸がん検診ガイドライン2005年版」で実施されている
あり、推奨グレードAと判定された(表2)。免疫法は対策型
ため省略し5)、WEOの代替指標評価を追加で検討した。
検診・任意型検診として実施が推奨される(表3)。なお、
免疫法は感度・特異度だけでなく参加率、発見率、中間期
検診対象は40-74歳を推奨するが、45歳または50歳開
がん発生率も化学法より有意に優れており、免疫法の証拠
始も許容しうる。検診間隔を1年から2年にすることも可
の信頼性は中等度と評価した。一方、不利益の指標として
能である。
化学法と免疫法のNNSはほぼ同等であった。利益と不利
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