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大腸がんファクトシート2024 (41 ページ)

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出典情報 大腸がん対策を推進するための「大腸がんファクトシート」公開(3/27)《国立がん研究センター》
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第4章

大腸がん検診

4.3 職域における大腸がん検診の現状と課題

4.3 職域における大腸がん検診の現状と課題

職域検診は保険者や事業主が実施主体となり被用者

職域検診には明確な法的根拠はなく、福利厚生の一環と

とその家族を対象として実施されている。令和4年度国民

考えられていることも多いため、有効性評価が定まって

生活基礎調査によると大腸がん検診を受けた者の

いない検査法が使用されていたり、精度管理上の課題も

49.7%が「勤め先等」で受診しており15)、職域検診は日本

ある 16) 。ここでは、職域における大腸がん検診の現状と

のがん対策において重要な役割を担っている。しかし、

課題を明らかにする。

① 職域検診で実施されている大腸がん検診プログラム
平成30年に厚生労働省は「職域におけるがん検診に関

報告書(令和4年度)の事業所調査によると、便潜血検査は

するマニュアル」17)を公開し、職域検診における各がん検

93.6%、全大腸内視鏡は3.8%の事業所で実施されてい

診の運用方法をまとめた。大腸がん検診の検査項目は問

た。また、対象年齢は「40歳以上」が38.4%、その他には

診と便潜血検査、対象年齢は40歳以上、受診間隔は原則

年齢設定なし(全年齢)と35歳以上が多く挙げられていた。

として1年に1回とされているが、職域検診における大腸が

また、受診機会は「毎年」が97.9%であった(有効回収率

ん検診の実施状況については以下の2つの報告がある。

20.5%)19)。

厚生労働省の「被用者保険におけるがん検診の実施状

職域検診において、最も多く実施されている検査法は

況について」によると令和3年度に全被用者保険者(健康

便潜血検査であるが、全大腸内視鏡も一定数導入されて

保健組合・共済組合・全国健康保健協会)の97.9%が便潜

いる。また、40歳未満に便潜血検査が実施されている事

血検査、14.9%が全大腸内視鏡検査、3.5%がS状結腸鏡

例もあり、科学的根拠に基づく大腸がんガイドライン5)に

検査を実施していた。検診対象年齢や検診間隔は報告さ

おいて推奨されなかった検査法や運用が行われている。

れていなかった(有効回答率96.3-100%)18)。また、東京

なお、被保険者と比べて被扶養者は検診の受診機会が少

都に所在地がある事業所及び本部を有する 健康保険組

なく18)、被保険者であっても正社員と正社員以外では受診

合を対象に実施された東京都がん予防・検診等実態調査

機会に大きな差があることも19)留意しておく必要がある。

② 職域検診における精度管理の実施状況
「職域におけるがん検診に関するマニュアル」17) では、

個人情報に該当するため、保険者や事業主には情報取得

保険者・事業主ががん検診の精度管理を行う際に同マ

にあたっての同意や適切な取扱いが求められる20)。その

ニュアル内の「精度管理のためのチェックリスト」等により

ため、精検受診率を継続的に把握している保険者・事業主

がん検診受診率、要精検率、精検受診率、がん発見率等の

は少数に留まっている。

がん検診の精度管理指標に基づく評価を行うことが望ま

職域検診における検診受診率や精検受診率については

しいと記載されている。しかし、職域検診における保険者

以下の2つの報告がある。前述した「被用者保険における

と事業主の精度管理上の役割分担や連携方法が示され

がん検診の実施状況について」によると令和3年度大腸

ておらず、チェックリストが殆ど活用されていない 16) 。

がん検診受診率は被保険者72.4%、被扶養者58.0%で

また、がん検診の結果情報は個人情報保護法の要配慮

あった。

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