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大腸がんファクトシート2024 (51 ページ)
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出典情報 | 大腸がん対策を推進するための「大腸がんファクトシート」公開(3/27)《国立がん研究センター》 |
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第6章
今後の方策
今後の方策
日本では、1992年より便潜血検査による大腸がん検診
いない 1) 。日本でもっとも患者数の多いがんである大腸
を導入したにもかかわらず、男女ともに年齢調整罹患率
がんへの対策をどのように講じていくべきか、その方策に
はいまだに減少がみられず、死亡率はわずかに減少して
ついて述べる。
いるものの、諸外国と比較しても十分な効果が得られて
① 大腸がんの1次予防
日本人を対象としたがん全般の予防として、「禁煙」、「節
るエビデンスが不十分であり、更なる科学的根拠の蓄積
酒」、「食生活」、「身体活動」、「適正体重の維持」の5つが
が期待される。日本人は体質や生活習慣が海外諸国とは
挙げられており(がん腫によっては「感染」も要因となる)、
異なるため、海外からのエビデンスだけでなく、日本独自
この5つの生活習慣を実践することにより、最大4割程度
の研究をより一層発展させることにより、日本人に最適な
のがん罹患リスクの減少が期待できる 2) 。これは大腸が
大腸がん予防法を確立する必要がある。
ん予防にも当てはまるが、食事に関しては日本人におけ
② 検診による大腸がんの2次予防
1次予防や治療の進歩以上に、大腸がん死亡抑制にもっ
しかし我が国では、1992年より便潜血検査免疫法によ
とも寄与するのは2次予防(がん検診)と言われており、米
る大腸がん検診が開始されたが、効果は十分とは言えな
国においては1975年から2000年までの25年間に大腸
い。それを改善するためには、1)受診率対策、2)検診提供
がん死亡が26%減少しているが、生活習慣の改善等によ
体制、3)精度管理、4)情報提供体制、などを見直し、整備
る1次予防の貢献は9%程度であり、半分以上(14%相
する必要がある。
当)は検診の効果であると分析されている3)。
1) 受診率対策
日本においてはがん検診受診率を正確に把握する方法
法的根拠がないため把握できていない。そのために、3年
がなく、がん検診の実態把握、精度管理の上で大きな障
に1回行われる国民生活基礎調査にがん検診受診の有無
害となっている。国によって統一された検診プログラムが
に関する質問が組み込まれており、この数字ががん検診
ないため、住民検診、職域検診、任意型検診(人間ドック)
受診率として公表されているが、自己記入式のため検診
の3つの検診のいずれかを受けることになるが、このうち
と診療が混同されている可能性、対象期間よりも古い
正確なデータが公表されているのは住民検診のみであ
受診歴を記載してしまう可能性など、過大評価となる傾向
り、職域検診や人間ドックの実態は、結果を集計・公開する
が指摘されている。
ー 50 ー
今後の方策
今後の方策
日本では、1992年より便潜血検査による大腸がん検診
いない 1) 。日本でもっとも患者数の多いがんである大腸
を導入したにもかかわらず、男女ともに年齢調整罹患率
がんへの対策をどのように講じていくべきか、その方策に
はいまだに減少がみられず、死亡率はわずかに減少して
ついて述べる。
いるものの、諸外国と比較しても十分な効果が得られて
① 大腸がんの1次予防
日本人を対象としたがん全般の予防として、「禁煙」、「節
るエビデンスが不十分であり、更なる科学的根拠の蓄積
酒」、「食生活」、「身体活動」、「適正体重の維持」の5つが
が期待される。日本人は体質や生活習慣が海外諸国とは
挙げられており(がん腫によっては「感染」も要因となる)、
異なるため、海外からのエビデンスだけでなく、日本独自
この5つの生活習慣を実践することにより、最大4割程度
の研究をより一層発展させることにより、日本人に最適な
のがん罹患リスクの減少が期待できる 2) 。これは大腸が
大腸がん予防法を確立する必要がある。
ん予防にも当てはまるが、食事に関しては日本人におけ
② 検診による大腸がんの2次予防
1次予防や治療の進歩以上に、大腸がん死亡抑制にもっ
しかし我が国では、1992年より便潜血検査免疫法によ
とも寄与するのは2次予防(がん検診)と言われており、米
る大腸がん検診が開始されたが、効果は十分とは言えな
国においては1975年から2000年までの25年間に大腸
い。それを改善するためには、1)受診率対策、2)検診提供
がん死亡が26%減少しているが、生活習慣の改善等によ
体制、3)精度管理、4)情報提供体制、などを見直し、整備
る1次予防の貢献は9%程度であり、半分以上(14%相
する必要がある。
当)は検診の効果であると分析されている3)。
1) 受診率対策
日本においてはがん検診受診率を正確に把握する方法
法的根拠がないため把握できていない。そのために、3年
がなく、がん検診の実態把握、精度管理の上で大きな障
に1回行われる国民生活基礎調査にがん検診受診の有無
害となっている。国によって統一された検診プログラムが
に関する質問が組み込まれており、この数字ががん検診
ないため、住民検診、職域検診、任意型検診(人間ドック)
受診率として公表されているが、自己記入式のため検診
の3つの検診のいずれかを受けることになるが、このうち
と診療が混同されている可能性、対象期間よりも古い
正確なデータが公表されているのは住民検診のみであ
受診歴を記載してしまう可能性など、過大評価となる傾向
り、職域検診や人間ドックの実態は、結果を集計・公開する
が指摘されている。
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