よむ、つかう、まなぶ。
大腸がんファクトシート2024 (42 ページ)
出典
| 公開元URL | |
| 出典情報 | 大腸がん対策を推進するための「大腸がんファクトシート」公開（3／27）《国立がん研究センター》 |
ページ画像
ダウンロードした画像を利用する際は「出典情報」を明記してください。
低解像度画像をダウンロード
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
第4章
大腸がん検診
4.3 職域における大腸がん検診の現状と課題
また、全被用者保険者のうち要精密検査対象者を把握し
職域検診の精度管理の改善には、関係者との協議のうえ、
ていたのは31.6%、そのうちで受診勧奨したのは75.8%
具体的な運用方法（モニタリングおよび評価・改善・指導）
(全体では24.1%)、さらに精密検査結果を把握したのは
を構築する必要がある。また、精度管理にかかるインセン
84.7%(全体では20.4%)に過ぎなかった18)。また、厚生
ティブや、労働者の健康情報等の取扱い等に関する法的
労働省が健康保険組合対象に実施した「がん検診に関す
な支援も重要であろう。
る実施状況等調査結果概要」(有効回答率88.1%) による
有効性が確立した検診を正しく実施し、多くの人が受診
と、平成26年度の大腸がん検診受診率は被用者60.8%・
した場合にのみがん死亡率が減少すること、検診には
被扶養者30.5%と報告されている。精検受診率は被用者
がん死亡や治療のための離職・長期休職を防ぐという点
45.2%・被扶養者56.6%とあり 21) 、住民検診における
で事業主にとっても大きな意義があることを職域検診に
精検受診率よりも低い (表1参照)。
関わるすべての人々に広めていくことが重要である。
参考文献
第4章 大腸がん検診
1. Saito H. Colorectal cancer screening using immunochemical faecal occult
11. Rees CJ, Bevan R. The National Health Service Bowel Cancer Screening
blood testing in Japan. J Med Screen. 2006:13 Suppl 1:S6-7.
Program: the early years. Expert Rev Gastroenterol Hepatol. 2013;7
2. 厚生労働省. 「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」.
(5):421-437.
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001266917.pdf （2025年1月
12. Moss S, Mathews C, Day TJ, Smith S, Seaman HE, Snowball J, Halloran SP.
26日アクセス）
Increased uptake and improved outcomes of bowel cancer screening
3. 国立がん研究センターがん対策研究所. 「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライ
with a faecal immunochemical test: results from a pilot study within the
ン2024年度版」.
national screening programme in England. Gut. 2017;66(9):1631-1644.
https://canscreen.ncc.go.jp/guideline/colon_guideline2024.pdf（2025年1月
13. 厚生労働省. 「令和4年度地域保健・健康増進事業報告」.
26日アクセス）
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/22/index.html（2025年
4. Young GP, Senore C, Mandel JS, Allison JE, Atkin WS, Benamouzig R,
1月26日アクセス）
Bossuyt PMM, De Silva M, Guittet L, Halloran SP, Haug U, Hoff G, Itzkowitz
14. International Agency for Research on Cancer. Global Cancer Observatory
SH, Leja M, Levin B, Meijer GA, O’Morain CA, Parry S, Rabeneck L, Rozen
Cancer Over Time. https://gco.iarc.fr/en（2025年1月26日アクセス）
P, Saito H, Schoen RE, Seaman HE, Steele RJC, Sung JJY, Winawer SJ
15. 厚生労働省. 「令和4年度国民生活基礎調査」.
(2016). Recommendations for a step-wise comparative approach to the
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html
evaluation of new screening tests for colorectal cancer. Cancer. 2016;122
（2025年1月26日アクセス）
(6):826-839.
16. 厚生労働行政推進調査事業費補助金（がん対策推進総合研究事業）がん検診事業の評
5. がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究班. 「有効性評価に基づく大腸
価に関する研究班. 「がん検診事業のあり方について」.
がん検診ガイドライン2005年版」.
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001046970.pdf（2025年1月26
https://canscreen.ncc.go.jp/guideline/daicyougan.html（2025年1月26日アク
セス）
日アクセス）
17. 厚生労働省. 「職域におけるがん検診に関するマニュアル」.
6. Bretthauer M, Løberg M, Wieszczy P, Kalager M, Emilsson L, Garborg K,
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumu
Rupinski M, Dekker E, Spaander M, Bugajski M, Holme Ø, Zauber AG,
ka/0000204422.pdf（2025年1月26日アクセス）
Pilonis ND, Mroz A, Kuipers EJ, Shi J, Hernán MA, Adami HO, Regula J,
18. 厚生労働省. 「被用者保険におけるがん検診の実施状況について」.
Hoff G, Kaminski MF; NordICC Study Group. Bretthauer2022. Effect of
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001046965.pdf （2025年1月
Colonoscopy Screening on Risks of Colorectal Cancer and Related Death.
N Engl J Med. 2022;387(17):1547-1556.
26日アクセス）
19. 東京都福祉保健局. 「令和4年度 東京都がん予防・検診等実態調査」.
7. 国立がん研究センターがん情報サービス. 「がん検診ついて」.
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kensui/gan/toukei/pdf/2023/20
https://ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/screening/screening.html
22survey_whole.pdf（2025年1月26日アクセス）
（2025年1月26日アクセス）
20. 泉 陽子, 菰口 高志, 立道 昌幸, 三柴 丈典. 職場におけるがん検診推進の背景と課題
8. Hakama M, Chamberlain J, Day NE, Miller AB, Prorok PC. Evaluation of
法定外健康情報の取扱いの適正化へ向けた序論. 産業保健法学会誌. 2023; 2
screening programmes for gynaecological cancer. Br J Cancer. 1985;52
(2):21-32.
(4):669-673.
21. 厚生労働省. 「がん検診に関する実施状況等調査結果概要」.
9. 国立がん研究センターがん対策情報センター. 「自治体担当者のためのがん検診精度管
理マニュアル」.
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumu
ka/0000124098.pdf（2025年1月26日アクセス）
https://ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/screening/pdf/canscrqa_man
ual2018_zentai.pdf（2025年1月26日アクセス）
10. International Agency for Research on Cancer. CanScreen5.
https://canscreen5.iarc.fr（2025年1月26日アクセス）
ー 41 ー
大腸がん検診
4.3 職域における大腸がん検診の現状と課題
また、全被用者保険者のうち要精密検査対象者を把握し
職域検診の精度管理の改善には、関係者との協議のうえ、
ていたのは31.6%、そのうちで受診勧奨したのは75.8%
具体的な運用方法（モニタリングおよび評価・改善・指導）
(全体では24.1%)、さらに精密検査結果を把握したのは
を構築する必要がある。また、精度管理にかかるインセン
84.7%(全体では20.4%)に過ぎなかった18)。また、厚生
ティブや、労働者の健康情報等の取扱い等に関する法的
労働省が健康保険組合対象に実施した「がん検診に関す
な支援も重要であろう。
る実施状況等調査結果概要」(有効回答率88.1%) による
有効性が確立した検診を正しく実施し、多くの人が受診
と、平成26年度の大腸がん検診受診率は被用者60.8%・
した場合にのみがん死亡率が減少すること、検診には
被扶養者30.5%と報告されている。精検受診率は被用者
がん死亡や治療のための離職・長期休職を防ぐという点
45.2%・被扶養者56.6%とあり 21) 、住民検診における
で事業主にとっても大きな意義があることを職域検診に
精検受診率よりも低い (表1参照)。
関わるすべての人々に広めていくことが重要である。
参考文献
第4章 大腸がん検診
1. Saito H. Colorectal cancer screening using immunochemical faecal occult
11. Rees CJ, Bevan R. The National Health Service Bowel Cancer Screening
blood testing in Japan. J Med Screen. 2006:13 Suppl 1:S6-7.
Program: the early years. Expert Rev Gastroenterol Hepatol. 2013;7
2. 厚生労働省. 「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」.
(5):421-437.
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001266917.pdf （2025年1月
12. Moss S, Mathews C, Day TJ, Smith S, Seaman HE, Snowball J, Halloran SP.
26日アクセス）
Increased uptake and improved outcomes of bowel cancer screening
3. 国立がん研究センターがん対策研究所. 「有効性評価に基づく大腸がん検診ガイドライ
with a faecal immunochemical test: results from a pilot study within the
ン2024年度版」.
national screening programme in England. Gut. 2017;66(9):1631-1644.
https://canscreen.ncc.go.jp/guideline/colon_guideline2024.pdf（2025年1月
13. 厚生労働省. 「令和4年度地域保健・健康増進事業報告」.
26日アクセス）
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/c-hoken/22/index.html（2025年
4. Young GP, Senore C, Mandel JS, Allison JE, Atkin WS, Benamouzig R,
1月26日アクセス）
Bossuyt PMM, De Silva M, Guittet L, Halloran SP, Haug U, Hoff G, Itzkowitz
14. International Agency for Research on Cancer. Global Cancer Observatory
SH, Leja M, Levin B, Meijer GA, O’Morain CA, Parry S, Rabeneck L, Rozen
Cancer Over Time. https://gco.iarc.fr/en（2025年1月26日アクセス）
P, Saito H, Schoen RE, Seaman HE, Steele RJC, Sung JJY, Winawer SJ
15. 厚生労働省. 「令和4年度国民生活基礎調査」.
(2016). Recommendations for a step-wise comparative approach to the
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa22/index.html
evaluation of new screening tests for colorectal cancer. Cancer. 2016;122
（2025年1月26日アクセス）
(6):826-839.
16. 厚生労働行政推進調査事業費補助金（がん対策推進総合研究事業）がん検診事業の評
5. がん検診の適切な方法とその評価法の確立に関する研究班. 「有効性評価に基づく大腸
価に関する研究班. 「がん検診事業のあり方について」.
がん検診ガイドライン2005年版」.
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001046970.pdf（2025年1月26
https://canscreen.ncc.go.jp/guideline/daicyougan.html（2025年1月26日アク
セス）
日アクセス）
17. 厚生労働省. 「職域におけるがん検診に関するマニュアル」.
6. Bretthauer M, Løberg M, Wieszczy P, Kalager M, Emilsson L, Garborg K,
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumu
Rupinski M, Dekker E, Spaander M, Bugajski M, Holme Ø, Zauber AG,
ka/0000204422.pdf（2025年1月26日アクセス）
Pilonis ND, Mroz A, Kuipers EJ, Shi J, Hernán MA, Adami HO, Regula J,
18. 厚生労働省. 「被用者保険におけるがん検診の実施状況について」.
Hoff G, Kaminski MF; NordICC Study Group. Bretthauer2022. Effect of
https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001046965.pdf （2025年1月
Colonoscopy Screening on Risks of Colorectal Cancer and Related Death.
N Engl J Med. 2022;387(17):1547-1556.
26日アクセス）
19. 東京都福祉保健局. 「令和4年度 東京都がん予防・検診等実態調査」.
7. 国立がん研究センターがん情報サービス. 「がん検診ついて」.
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/kensui/gan/toukei/pdf/2023/20
https://ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/screening/screening.html
22survey_whole.pdf（2025年1月26日アクセス）
（2025年1月26日アクセス）
20. 泉 陽子, 菰口 高志, 立道 昌幸, 三柴 丈典. 職場におけるがん検診推進の背景と課題
8. Hakama M, Chamberlain J, Day NE, Miller AB, Prorok PC. Evaluation of
法定外健康情報の取扱いの適正化へ向けた序論. 産業保健法学会誌. 2023; 2
screening programmes for gynaecological cancer. Br J Cancer. 1985;52
(2):21-32.
(4):669-673.
21. 厚生労働省. 「がん検診に関する実施状況等調査結果概要」.
9. 国立がん研究センターがん対策情報センター. 「自治体担当者のためのがん検診精度管
理マニュアル」.
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumu
ka/0000124098.pdf（2025年1月26日アクセス）
https://ganjoho.jp/med_pro/cancer_control/screening/pdf/canscrqa_man
ual2018_zentai.pdf（2025年1月26日アクセス）
10. International Agency for Research on Cancer. CanScreen5.
https://canscreen5.iarc.fr（2025年1月26日アクセス）
ー 41 ー