よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


大腸がんファクトシート2024 (46 ページ)

公開元URL
出典情報 大腸がん対策を推進するための「大腸がんファクトシート」公開(3/27)《国立がん研究センター》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

第5章

大腸がんの治療

5.2 大腸がんに対する内視鏡治療とサーベイランス

5.2 大腸がんに対する内視鏡治療とサーベイランス
① 内視鏡治療の適応
内視鏡治療適応に大きさや肉眼型の制限はないが、深達

で病変を絞扼して切除する方法で、安全かつ簡便な方法

度診断のためには画像強調観察、色素内視鏡観察、拡大

である反面、大きな病変を一括で切除することはできず、

内視鏡観察を用いた精密検査を行う 2-4) 。病理診断結果

対象病変に制約があった。2012年より保険収載された

がその後の治療方針決定には必要であるため、一括切除

内視鏡的粘膜下層剥離術はスネアではなく高周波ナイフ

可能な治療法を選択し、切除標本の正確な組織学的検索

を使用することにより、2cm以上の大型の早期大腸癌や

によって根治性と追加腸切除を検討する1)。

2㎝以下でも線維化を伴う早期大腸癌など、従来であれば

治療法には代表的なものとしてスネアポリペクトミー5)、

外科治療が行われていた病変に対しても内視鏡治療の実

内視鏡的粘膜切除術6)、内視鏡的粘膜下層剥離術7)など

施を可能とした。この技術は国立がん研究センター中央

があげられるが、予測深達度、腫瘍の大きさ、肉眼型を

病院を中心とした多施設共同前向き研究(CREATE-J)で

加味して適した治療法を選択する必要がある。

有効性が証明され 8) 、5年生存率93.6%,疾患特異的5

従来から主流であった内視鏡的粘膜切除術は、生理食
塩水などで病変を挙上させた上でスネア(円形のワイヤ)

年生存率99.6%,5年腸管温存率88.6%と、良好な長期
成績が示された。

② 内視鏡治療後サーベイランス
日本消化器内視鏡学会が2020年に作成した「大腸内視

に大腸内視鏡検査で局所再発の有無を調べることが推奨

鏡スクリーニングとサーベイランスガイドライン」9)では、

されており、内視鏡治療されたpT1癌に対しては、サーベ

初回スクリーニング大腸内視鏡検査で切除された病変の

イランスとして腫瘍マーカー測定、胸腹部CT、大腸内視鏡

個数や病理診断結果によりリスク層別化し、その後のサー

検査を行う必要がある1)。リンパ節再発や遠隔転移再発の

ベイランス期間を推奨している9,10)(表4)。

リスクがあるため、最低3年間、可能であれば5年間の慎重

pTis癌治療後の場合、R0切除されていれば再発リスクは

な経過観察が必要とされている11)。

ないが、分割切除、水平断端陽性の場合には、6か月後前後
表4 大腸内視鏡検査後の推奨サーベイランス期間 (文献9より抜粋)
初回スクリーニングTCS(便潜血陽性検査含む

腺腫(2個以内、AA以外)

腺腫(3〜9個、AA以外)

Advanced neoplasia Non-AA≧10個
Tis T1 ≧10個 ≧20mm

3〜5年後のサーベイランスTCS

3年後のサーベイランスTCS

TCS : total colonoscopy, AA : advanced adenoma.
Figure 1 大腸腫瘍内視鏡切除後のサーベイランス間隔(CQ16〜18)

ー 45 ー

1年後のサーベイランスTCS