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資料1-2-6診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (34 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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92 特発性門脈圧亢進症
○ 概要
1.概要
特発性門脈圧亢進症とは、肝内末梢門脈枝の閉塞、狭窄により門脈圧亢進症に至る症候群をいう。通常、
肝硬変に至ることはなく、肝細胞癌の母地にはならない。重症度に応じ易出血性食道・胃静脈瘤、異所性
静脈瘤、門脈圧亢進症性胃腸症、腹水、肝性脳症、出血傾向、脾腫、貧血、肝機能障害、門脈血栓などの
症候を示す。厚生労働省特定疾患門脈血行異常症調査研究班による全国疫学調査(2015 年)の結果では、
男女比は約1:37:3、発症のピークは 5040 歳代で、平均年齢は 47.0 歳(男性 3944.7 歳、女性 50.4 歳)であ
る。
2.原因
本症の原因は不明で、肝内末梢門脈血栓説、脾原説、自己免疫異常説などがある。本症と肝炎ウイルス
との関連については、最近の詳細な検討の結果、否定的である。一方、本症は、中年女性に多発し、血清
学的検査で自己免疫疾患と類似した特徴が認められ、自己免疫病を合併する頻度も高いことからその病
因として自己免疫異常が考えられている。特発性門脈圧亢進症においては T 細胞の自己認識機構に問題
があると考えられている。
3.症状
門脈圧が上昇すると、脾臓が大きくなり、腹水がたまることがある。さらに、門脈圧の上昇により門脈血の
一部が肝臓に向かわずに他の方向に逃げるようになる。このようにしてできた新しい血液の流通経路を側
副血行路と総称する。この側副血行路のために腹壁の静脈が怒張ししたり、食道や・胃に静脈瘤が生じる。
脾臓が大きくなると脾機能亢進という状態になり、貧血をきたすようになる。血小板も低下し、出血した時に
血液が止まりにくくなる。また、静脈瘤の圧が上昇すると、静脈の血管がその圧に耐えきれなくなり、破裂・
出血し、吐血・下血等の症状が出現する。
4.治療法
特発性門脈圧亢進症に対する根治的治療はなく、門脈圧亢進症に伴う食道胃静脈瘤出血と異所性静脈
瘤、脾機能亢進に伴う汎血球滅少症に対しての対症療法を行う。
Ⅰ.食道・胃静脈瘤に対しては
1.食道静脈瘤破裂による出血中の症例では一般的出血ショック対策、可及的速やかに内視鏡的治
療や塞栓術を行い、止血困難な場合は緊急手術も考慮する。
2.一時止血が得られた症例では状態改善後、内視鏡的治療の継続、または待期手術を行う。
3.未出血の症例では、食道内道・胃内視鏡所見を参考にして内視鏡的治療又または予防手術を考
慮する。
4.単独手術療法としては、下部食道を離断し、脾摘術「選択的シャント手術」または「下部食道離断、
脾摘、下部食道・胃上部の血行遮断を加えた「直達血行郭清直達離断

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