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資料1-2-6診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (41 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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の症例では胆道系酵素の低下がみられるが、進行した症例では効果が期待できない。高脂血症薬の1つ
であるベザフィブラートにも生化学的改善効果が認められており、我が国ではしばしば UDCA との効果が不
十分な症例に併用されているが、最近この併用には長期予後の改善効果がないあることが報告された。
PBC-AIH オーバーラップ症候群で肝炎の病態が強い場合には副腎皮質ホルモンが併用される。 症候性
PBC では、胆汁うっ滞に基づく症状、特にそう痒、高脂血症とビタミン D の吸収障害による骨粗鬆症に対す
る治療が重要である。門脈圧亢進症を来しやすく、胃食道静脈瘤は肝硬変に至る前に出現することがある
ので、定期的な観察が必要である。進行例では肝癌の併発にも留意する。肝硬変に進展した場合は、腹水、
肝性脳症等の合併症に対する対応が必要となる。病期が進むと、内科的治療に限界が生じ肝移植の適応
となるが、重症進行例では手術成績も低下するので、血清総ビリルビン値5mg/dL をめどに、肝臓専門医、
移植専門医に相談する。移植成績は、5年で約 80%と優れている。脳死移植が少ない我が国では既に生
体部分肝移植が定着しており、移植成績も欧米の脳死肝移植例と同様に良好である。
5.予後
無症候性 PBC は無症候性 PBC にとどまる限り予後は大変よいが、約 10~40%(5年間で約 25%)は症
候性 PBC へ移行する。黄疸期になると進行性で予後不良である。5年生存率は、血清 T.Bil 値が 2.0mg/dL
では 60%、5.0mg/dL になると 55%、8.0mg/dL を超えると 35%となる。PBC の生存予測に関する独立因子
としては、Mayo モデルでは年齢、ビリルビン、アルブミン、プロトロンビン時間、浮腫があげられている。一
方、日本肝移植適応研究会では、ビリルビンと AST/ALT である。UDCA 内服開始後の生命予後予測に関
しては、UK-PBC スコアと GLOBE スコアが優れている。死因は、症候性 PBC では肝不全と食道静脈瘤の
破裂による消化管出血が大半を占めるが、無症候性 PBC では肝疾患以外の原因で死亡することが多い。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 年度医療受給者証保持者数)
19,701 人
2.発病の機構
不明(自己免疫の関与が示唆される。)
3.効果的な治療方法
未確立(根治的治療なし。)
4.長期の療養
必要(無症候性 PBC の約 10~40%(5年間で約 25%)は症候性 PBC へ移行する。)
5.診断基準
あり
6.重症度分類
原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診療ガイドライン(2012 年)「PBC の臨床病期」の症候性 PBC を対象とす
る。
○ 情報提供元
「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究班」
研究代表者 帝京大学医学部内科学講座 主任教授 滝川 一田中 篤

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