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資料1-2-6診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (57 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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96 クローン病
○ 概要
1.概要
本疾患は原因不明で、主として若年者にみられ、潰瘍や線維化を伴う肉芽腫性炎症性病変からなり、消
化管のどの部位にも起こりうる。消化管以外(特に皮膚)にも病変が起こることがある。当初の報告では回
腸末端を侵す(回腸末端炎)と記載されたが、その後口腔から肛門までの消化管のあらゆる部位に起こりう
ることがわかった。臨床像は病変の部位や範囲によって多彩である。発熱、栄養障害、貧血などの全身症
状や関節炎、虹彩炎、肝障害などの全身性合併症が起こりうる。
2.原因
原因は不明。現在のところ遺伝的因子、環境因子(ウイルスや細菌などの微生物感染、腸内細菌叢の変
化、食餌性抗原など)などが複雑に関与し、免疫系の異常反応が生じていると考えられている。
3.症状
腹痛、下痢、体重減少、発熱、肛門病変などがよくみられる症状である。ときに虫垂炎に類似の症状、腸
閉塞、腸穿孔、大出血で発症する。また、腹部症状を欠き、肛門病変や発熱で発症することもある。腸管外
合併症として貧血、末梢関節痛炎、強直性脊椎炎、口腔内アフタ、皮膚症状(結節性紅斑、壊疽性膿皮症
など)、虹彩炎、成長障害などがあり、長期経過例では腸管悪性腫瘍が問題となる。
4.治療法
本症を完治させる根本的な治療法は現時点ではない。治療の目的は病気の活動性をコントロールして寛
解状態を維持し、患者の QOL を高めることである。そのために薬物療法、栄養療法、外科療法を組み合わ
せて、栄養状態を維持し、症状を抑え、炎症の再燃・再発を予防することにある。治療にあたっては患者に
クローン病がどのような病気であるかを良く説明し、患者個々の社会的背景や環境を十分に考慮し、治療
法を選択する。
(1)内科的治療
寛解導入療法…栄養療法(経腸栄養療法又は完全静脈栄養)又は薬物療法を行う。薬物療法としては
軽症例では 5-ASA 製薬(製剤(メサラジン)、また、中等症以上では副腎皮質ステロイド薬、免疫調節薬
(アザチオプリン)が用いられる。難治例では抗 TNFα受容体拮抗薬(レミケード抗体(インフリキシマブま
たはヒュミラアダリムマブ)、抗 IL-12/23p40 抗体(ウステキヌマブ)、抗接着分子抗体(ベドリズマブ)が使
用される。抗生剤(メトロニダゾール、シプロキサンシプロフロキサシン)投与や血球成分除去療法が行わ
れることもある。
寛解維持療法…在宅経腸栄養療法や 5-ASA 製薬製剤(メサラジン)、また、ステロイド依存例では免疫調
節薬(アザチオプリン)がよく使用される。寛解導入に抗 TNFα受容体拮抗薬(レミケードまたはヒュミライ
ンフリキシマブまたはアダリムマブ)、抗 IL-12/23p40 抗体(ウステキヌマブ)、抗接着分子抗体(ベドリズ
マブ)が使用された例では、

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