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参考資料 2 (60 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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かかりつけ医機能に関する診療報酬上の扱い
資料Ⅱ-1-60
○ かかりつけ医の機能強化に向けては、2014年度診療報酬改定における地域包括診療料・地域包括診療加算の創設以来、診療報酬上の評価が先行
してきた。
○ しかし、算定回数の少なさなどを理由に算定の対象拡大が優先されることで、算定要件が相次いで緩和され、かかりつけ医機能の強化という果たすべき政
策目的と診療報酬上の評価がますますかけ離れることなった。
○ 特に、2018年度診療報酬改定で創設された機能強化加算については、本来は初診患者の中でもより継続的な管理が必要な疾患を有する患者への算
定が期待されながらも、算定の実態がまったく異なっており、外来機能の分化につながっていないことが指摘されている。
◆かかりつけ医機能に係る評価の経緯
2014
年度
改定
〇地域包括診療料・地域包括診療加算の創設
→複数の慢性疾患を有する患者に継続的かつ全人的な医療を行
うことについて評価
2016
年度
改定
〇地域包括診療料・地域包括診療加算の施設基準の緩和
→診療所における医師の配置基準を緩和
<改定内容説明資料>
「地域包括診療料等による主治医機能の評価について、その
施設基準を緩和し、普及を促す」
2018
年度
改定
〇地域包括診療料・地域包括診療加算の医師配置基準の緩和、
24時間対応要件の緩和、在宅への移行実績を評価
<改定内容説明資料>
「かかりつけ医機能を推進する観点から、24時間対応や医師
配置基準の緩和と在宅への移行実績を評価」
〇機能強化加算を創設
→かかりつけ医機能に係る診療報酬の届出を行っている医療機関
について初診における診療機能を評価
2020
年度
改定
〇地域包括診療加算の時間外の対応にかかる要件を緩和
<改定内容説明資料>
「地域においてかかりつけ医機能を担う医療機関の評価を推
進する観点から、地域包括診療加算の施設基準のうち時間外
の対応に係る要件について、複数の医療機関による連携によ
り対応することとしてもよいこととする」
2022
年度
改定
〇機能強化加算の厳格化
→算定要件とする他の診療報酬点数の届出について、算定実績が
ない場合の評価の厳格化
※令和3年12月22日大臣合意事項(財務大臣・厚生労働大臣)
外来医療の機能分化・連携に向けた、かかりつけ医機能に
係る診療報酬上の措置の実態に即した適切な見直し
機能強化加算(80点)2018年度改定で創設
地域包括診療加算等、かかりつけ医機能に係る診療報酬の届出を行っている医療機関につい
て、地域におけるかかりつけ医機能として健康管理に係る相談や夜間・休日の問い合わせへの対
応等を行っていることを掲示しているなど、一定の施設基準を満たす場合に、初診を評価するもの。
健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」2019年8月
●分析の結果、複数の医療機関から同加算を算定されている患者が一定数存在するほか、同加
算を算定された患者群と算定されなかった患者群の間で80点の加算に見合う効果が見て取れ
ない状況である。
–機能強化加算届出の医療機関(内科標榜)を複数受診した患者のうち、約6割は2つ以上の医療
機関から機能強化加算を算定されている。
–同加算の算定患者群は非算定患者群と比べて、傷病構成がほぼ同等で、傷病名トップは両群と
も年齢層に関係なく「急性気管支炎」であった。
●また、施設基準さえ満たしていれば初診患者に一律に算定できるため、以下の通り同加算が本
来対象とすることが想定される患者像とは異なる患者層への算定が大半であり、算定要件等の
見直しが急務である。
–分析期間の6カ月の間に、算定患者の6割は受診回数が1回のみで、再診がなかった。
–同加算の算定レセプトのうち高血圧症、糖尿病、脂質異常症のいずれかを有するレセプトは5%
に満たなかった。
<機能強化加算届出あり施設で同加算を1回以上算定した患者>
実患者の出現率上位の傷病名(受診回数別)
受診回数 1回
順位
1
傷病名
急性気管支炎
複数医療機関受診患者の機能強化加算の算定状況
区分
受診回数 2回
出現率
傷病名
8.4% 急性気管支炎
出現率
6.9%
実患者数
28,492
1つの医療機関からのみ機能強化加算を算定された患者
21,012
42.4%
49,504
100.0%
計
2
急性上気道炎
7.0% 急性上気道炎
5.2%
3
アレルギー性鼻炎
5.0% アレルギー性鼻炎
4.8%
4
急性咽頭炎
3.3% 気管支喘息
2.7%
5
咽頭炎
2.5% 急性咽頭炎
2.5%
6
気管支喘息
2.4% 咽頭炎
1.8%
57,782
4.8%
7
急性胃腸炎
1.7% 湿疹
1.4%
高血圧症
18,066
1.5%
8
急性胃炎
1.6% 糖尿病
1.4%
糖尿病
32,462
2.7%
9
気管支炎
1.4% 肝機能障害
1.4%
脂質異常症
28,848
2.4%
1.4% 急性胃腸炎
1.3%
10 嘔吐症
構成割合
2つ以上の医療機関から機能強化加算を算定された患者
<機能強化加算届出あり施設>
3傷病毎の機能強化加算が算定されたレセプト件数
傷病名
下記3傷病のいずれか
総レセプト件数
(出所)健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」
レセプト件数
1,192,831
全体に占める割合
57.6%
資料Ⅱ-1-60
○ かかりつけ医の機能強化に向けては、2014年度診療報酬改定における地域包括診療料・地域包括診療加算の創設以来、診療報酬上の評価が先行
してきた。
○ しかし、算定回数の少なさなどを理由に算定の対象拡大が優先されることで、算定要件が相次いで緩和され、かかりつけ医機能の強化という果たすべき政
策目的と診療報酬上の評価がますますかけ離れることなった。
○ 特に、2018年度診療報酬改定で創設された機能強化加算については、本来は初診患者の中でもより継続的な管理が必要な疾患を有する患者への算
定が期待されながらも、算定の実態がまったく異なっており、外来機能の分化につながっていないことが指摘されている。
◆かかりつけ医機能に係る評価の経緯
2014
年度
改定
〇地域包括診療料・地域包括診療加算の創設
→複数の慢性疾患を有する患者に継続的かつ全人的な医療を行
うことについて評価
2016
年度
改定
〇地域包括診療料・地域包括診療加算の施設基準の緩和
→診療所における医師の配置基準を緩和
<改定内容説明資料>
「地域包括診療料等による主治医機能の評価について、その
施設基準を緩和し、普及を促す」
2018
年度
改定
〇地域包括診療料・地域包括診療加算の医師配置基準の緩和、
24時間対応要件の緩和、在宅への移行実績を評価
<改定内容説明資料>
「かかりつけ医機能を推進する観点から、24時間対応や医師
配置基準の緩和と在宅への移行実績を評価」
〇機能強化加算を創設
→かかりつけ医機能に係る診療報酬の届出を行っている医療機関
について初診における診療機能を評価
2020
年度
改定
〇地域包括診療加算の時間外の対応にかかる要件を緩和
<改定内容説明資料>
「地域においてかかりつけ医機能を担う医療機関の評価を推
進する観点から、地域包括診療加算の施設基準のうち時間外
の対応に係る要件について、複数の医療機関による連携によ
り対応することとしてもよいこととする」
2022
年度
改定
〇機能強化加算の厳格化
→算定要件とする他の診療報酬点数の届出について、算定実績が
ない場合の評価の厳格化
※令和3年12月22日大臣合意事項(財務大臣・厚生労働大臣)
外来医療の機能分化・連携に向けた、かかりつけ医機能に
係る診療報酬上の措置の実態に即した適切な見直し
機能強化加算(80点)2018年度改定で創設
地域包括診療加算等、かかりつけ医機能に係る診療報酬の届出を行っている医療機関につい
て、地域におけるかかりつけ医機能として健康管理に係る相談や夜間・休日の問い合わせへの対
応等を行っていることを掲示しているなど、一定の施設基準を満たす場合に、初診を評価するもの。
健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」2019年8月
●分析の結果、複数の医療機関から同加算を算定されている患者が一定数存在するほか、同加
算を算定された患者群と算定されなかった患者群の間で80点の加算に見合う効果が見て取れ
ない状況である。
–機能強化加算届出の医療機関(内科標榜)を複数受診した患者のうち、約6割は2つ以上の医療
機関から機能強化加算を算定されている。
–同加算の算定患者群は非算定患者群と比べて、傷病構成がほぼ同等で、傷病名トップは両群と
も年齢層に関係なく「急性気管支炎」であった。
●また、施設基準さえ満たしていれば初診患者に一律に算定できるため、以下の通り同加算が本
来対象とすることが想定される患者像とは異なる患者層への算定が大半であり、算定要件等の
見直しが急務である。
–分析期間の6カ月の間に、算定患者の6割は受診回数が1回のみで、再診がなかった。
–同加算の算定レセプトのうち高血圧症、糖尿病、脂質異常症のいずれかを有するレセプトは5%
に満たなかった。
<機能強化加算届出あり施設で同加算を1回以上算定した患者>
実患者の出現率上位の傷病名(受診回数別)
受診回数 1回
順位
1
傷病名
急性気管支炎
複数医療機関受診患者の機能強化加算の算定状況
区分
受診回数 2回
出現率
傷病名
8.4% 急性気管支炎
出現率
6.9%
実患者数
28,492
1つの医療機関からのみ機能強化加算を算定された患者
21,012
42.4%
49,504
100.0%
計
2
急性上気道炎
7.0% 急性上気道炎
5.2%
3
アレルギー性鼻炎
5.0% アレルギー性鼻炎
4.8%
4
急性咽頭炎
3.3% 気管支喘息
2.7%
5
咽頭炎
2.5% 急性咽頭炎
2.5%
6
気管支喘息
2.4% 咽頭炎
1.8%
57,782
4.8%
7
急性胃腸炎
1.7% 湿疹
1.4%
高血圧症
18,066
1.5%
8
急性胃炎
1.6% 糖尿病
1.4%
糖尿病
32,462
2.7%
9
気管支炎
1.4% 肝機能障害
1.4%
脂質異常症
28,848
2.4%
1.4% 急性胃腸炎
1.3%
10 嘔吐症
構成割合
2つ以上の医療機関から機能強化加算を算定された患者
<機能強化加算届出あり施設>
3傷病毎の機能強化加算が算定されたレセプト件数
傷病名
下記3傷病のいずれか
総レセプト件数
(出所)健康保険組合連合会「政策立案に資するレセプト分析に関する調査研究Ⅳ」
レセプト件数
1,192,831
全体に占める割合
57.6%